読書のまとめ-2(読後画像・要約)
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人間の分際 曾野綾子著
2023/5月 171024読了
その考え方や、生き方が、好きな作家です。
人間はその分際(身の程)を心得ない限り、決して幸福には暮らせない
■人間には持って生まれた器がある
■深く悩まない・・・人の評価と自分の思いは絶えず違う。
■「やればできる」というのは、とんでもない思い上がり
■他人の心の中を裁くことは、人間の分際を超えている。・・思想の自由・個人の尊厳を侵す暴力だ。
■無理をするとおかしくなる
■人生は能力ではなく気力で決まる。
■うまく行かない時は「別の道を行く運命だ」と考える。最善ではなく次善で。
■人間は常にどこかで最悪のことが起こるかもしれないという覚悟をしておくべきだ。
■辛い時は、逃げる姿勢と、問題にぶつかる勇気と、両方がないと自然に生きられない。
■姑息ということは「いっとき息をつくこと」・・すぐに答えを出さないのも知恵。
身の程をわきまえて、しっかり生きたいと思います。
曾野 綾子(その あやこ、1931年(昭和6年)9月17日 - )は、日本の作家。「曾野」表記もある。本名は三浦知壽子。旧姓、町田。夫は三浦朱門。カトリック教徒で、洗礼名はマリア・エリザベト。聖心女子大学文学部英文科卒業。『遠来の客たち』が芥川賞候補に挙げられ、出世作となった。以後、宗教、社会問題などをテーマに幅広く執筆活動を展開。エッセイ『誰のために愛するか』はじめベストセラーは数多い。近年は生き方や老い方をテーマとしたエッセイが多く、人気を集めている。保守的論者としても知られる。大学の後輩である上皇后美智子とは親交が深く、三浦の生前から夫婦ぐるみで親しかった。上皇后(天皇)夫妻が葉山で静養する折、夫妻で三浦半島の曽野の別荘を訪問することも多い。日本財団会長、日本郵政取締役を務めた。日本芸術院会員。文化功労者。
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私が気に入った新聞コラム・本ナビ
『完全版 十字路が見える』(全4巻)北方謙三著
最高の「連続大河エッセー」 学習院大教授、中条省平氏
開高健以来、日本文学の得た最高のエッセー集の紹介コラムです。
紹介者は、学習院大教授、中条省平氏
近現代の日本文学・ジャズ・映画・漫画などにも造詣が深い、フランス文学者の視点でみた紹介です。
北方謙三氏の連続大河エッセー、読んでみたい本ですね。これからじっくり読みます。
2023/05/09
『完全版 十字路が見える』(全4巻)北方謙三著 中条省平
最高の「連続大河エッセー」
ここ3カ月、1日数編までと定めて、極上の美酒を舐(な)めるように、この4巻のエッセー集を読んできた。最終巻が終わって、いいようのない空虚さに襲われている。人生の兄貴と仰いだ人が、いきなりふいと姿を消してしまったような、それは深い喪失感なのだ。
『十字路が見える』は、開高健以来、日本文学の得た最高のエッセー集だと私は信じている。
北方謙三という稀有(けう)の個性が、その天職である小説的虚構を脇に置いて、自分の人生の過去と現在をじかに語っているのだ。
まずは散歩の話題から始まる。日常の息抜きの話だ。ところがこれがすでにスリリングな深みを湛(たた)えている。同行する犬という友へのまなざし。柔道の試合で投げ飛ばされた50年前のトラウマの記憶。老いを迎えた現在の肉体への意識。
そして、いきなりくり出される「君」という読者への語りかけ。この「君」にがつんとやられた。読者はまるで自分だけに北方謙三が人生の秘奥を語ってくれているように思えてしまうのである。
この連続大河エッセーを書いたとき、作者は66歳から74歳だった。読者の私は7歳下。見事にはまってしまった。
それにしても、ここにくり広げられる話題の豊かさはどうだろう。世界各地の旅や、三浦半島の海辺に基地をもち、そこから船を出すトローリングや深海釣り、そして、釣った獲物をあらゆる技を用いて食らう話。外車も暴走させる。さらに、ナイフを研ぎ、パイプを作り、万年筆に凝る話などは、開高健の塁を摩する。いや、開高流の美文で装わないぶん、散文本来の剛直な力強さにしびれる。
病気やけが、毒に居合抜きに喧嘩(けんか)の話も凄まじい。
人物描写も多彩で、大沢新宿鮫(在昌)など絶妙の喜劇的脇役だし、宍戸錠を語った1章は最上の肖像画として残る。人の死をこんなにさらりと語って、余韻嫋々(じょうじょう)の書物も稀(まれ)である。
中条 省平(ちゅうじょう しょうへい、1954年11月23日 - )は、日本のフランス文学者、映画評論家・研究者。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授・同大学院人文科学研究科身体表象文化学専攻教授(兼任)。研究分野は19世紀のフランス小説(特に暗黒文学)だが、近現代の日本文学・ジャズ・映画・漫画などに造詣が深く、其々の研究・評論活動にも携わる。
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私が気に入った新聞コラム・本ナビ
『小津安二郎』平山周吉著
巨匠の背後にあった昭和史 文芸評論家 富岡幸一郎
『小津安二郎』という巨匠の背後にあった昭和史の紹介コラムです。
紹介者は、文芸評論家 富岡幸一郎
鎌倉文学館長もやられている文芸評論家の視点でみた紹介です。
「明治大正昭和」=「近代日本」である、「二十世紀日本」に観点をあてた論評は非常に面白かった。
2023/04/21
『小津安二郎』平山周吉著 文芸評論家 富岡幸一郎
巨匠の背後にあった昭和史
本書の冒頭に映画監督の小津安二郎を偲ぶ小津会の話があり、小津映画のプロデューサーであった山内静夫の「小津先生は、百年に一人という方です」という言葉が紹介されている。
著者は小津が1903年生まれで、百年は「二十世紀」であり、「明治大正昭和」=「近代日本」である、とその時に気づいたという。つまりこの「二十世紀日本」のイメージを表象するものこそ、小津映画であり、「東京物語」の笠智衆ではないか、と。
ここから出発して、本書はこれまでの数多くの小津論が見落としてきた重大なことがらに言及する。
それは小津自身が同世代の中では少ない「支那事変」出征者で、その戦争体験(盟友だった山中貞雄監督の戦病死の記憶も含めた)こそが、戦場から生還しキャメラをのぞく小津にとって最大のテーマだったのではないか、と。昭和26年公開の映画「麦秋」の空のショットに、戦後の日本人が生きることへの関心のなかで、忘れてしまった死者の影が映しだされているとの指摘は鮮烈である。
小津映画といえば家族の物語というのが定番だが、「近代日本」の歴史は戦争の連続であり、この100年は戦争を抜きには語り得ない。「東京物語」でも、原節子は戦争未亡人で、亡き夫のことを「でもこのごろ、思い出さない日さえあるんです」との印象的な科白(せりふ)がある。
著者が描き出すのは、この「昭和史を生きた日本人としての畏るべき執念」を持った映画作家・小津安二郎の姿であり、その背後には「『戦争』という巨大な協力者が介在していた」のである。
小津の生誕120年、没後60年の今年、神奈川近代文学館でも小津展が開かれているが、本書は小津映画の静寂の美が歴史の何処から湧き出ずるかを改めて教えてくれる。
3000枚の厖大(ぼうだい)なパゾリーニ論。評伝スタイルだが、映画に詩、小説も含めた全作品から響いてくる圧倒的な暴風のような、まがまがしい野性的な力の秘密に迫る。カトリック、共産主義者、そして三島由紀夫。パゾリーニの映画「マタイ伝」ほど精確にイエス・キリストを描いたものはない。日本人の手によって、日本語でこの書物が著されたこと自体が驚異である。
冨岡 幸一郎(とみおか こういちろう、1957年(昭和32年)11月29日 - )は、日本の文芸評論家。1979年(昭和54年)、大学在学中に書いた評論「意識の暗室 埴谷雄高と三島由紀夫」が第22回群像新人文学賞評論部門の優秀作を受賞する。1991年(平成3年)にドイツに留学し、同じ頃に住まいを都内から鎌倉に移した。関東学院大学文学部比較文化学科教授、関東学院大学図書館長、鎌倉文学館館長。日本を愛するキリスト者の会理事。
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トランプ大統領が嗤う
「日本人の傾向と対策」 ケント・ギルバート著
2023/4月 2017/07/14読了
2017年に読了した、戦後の日本人の問題点を鋭く指摘したこの本は、非常に的を獲ている内容でした。
「米国人からみた日本人の傾向と対策」、非常に刺激を受けた本でした。
「バカ」に国防を依存する日本人はもっとバカだ!
世界一の民族なのに、日本人の議論だけは欧米の小学生以下です。40年間、日本を観察した米国人が「米国依存症」の重症患者と有害な勉強不足を分析。仮に、在日米軍が撤退し、日本が憲法第9条に手足を縛られたままならば、中華人民共和国は確実に、尖閣諸島だけでなく沖縄本島を奪いにくる。最終的には、ありとあらゆる最新インフラと、勤勉で優秀な国民がセットで存在する日本国のすべてを支配したいと考えるはずだ。こうした最悪の事態の想定を「あり得ない」と一蹴する人間は、歴史や現実から目を背ける「平和ボケ」か、「敵の回し者」のいずれかだろう。
ケント・シドニー・ギルバート(英: Kent Sidney Gilbert、1952年5月25日 - )は、アメリカ合衆国アイダホ州出身の外国人タレント、カリフォルニア州弁護士。岡山理科大学客員教授。
■興味があったので、AIを使った「ChatGPT」と「新しいBing」の2つで、この本の要約を検索してみました。
2つ共、要約というより概要でした。内容的には新しいBingの方がよくできていると感じました。
別途制作した「私の要約まとめ」には遠く及びませんが、2年後には追いつくかもしれません。以下検索内容です。楽しかったです。
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●日本人の傾向と対策という、ケント・ギルバート氏の本の要約はできますか?
ChatGPTで検索してみました。
ケント・ギルバート氏の『日本人の傾向と対策』は、日本人のビジネス文化についての指南書です。以下に、本書の要約を示します。
本書では、日本人のビジネス文化について、その歴史や背景、文化的な傾向について説明されています。また、日本人と海外のビジネス文化との違いについても詳しく解説されています。
日本人のビジネス文化には、多くの良い点があります。例えば、礼儀正しさ、チームワークへの重視、忍耐強さなどです。しかし、一方で、日本人のビジネス文化には、海外から見ると改善が必要な点もあります。例えば、コミュニケーション能力の不足、個人主義の不足、ビジネスの柔軟性の不足などです。
本書では、日本人のビジネス文化の欠点を改善するための対策も提案されています。例えば、異文化コミュニケーションのトレーニング、個人主義的なマインドセットの導入、ビジネスの柔軟性を高めるための改革などです。
以上が、ケント・ギルバート氏の『日本人の傾向と対策』の要約です。本書は、日本人のビジネス文化に興味のある方や、日本人とのビジネスを行う外国人の方にとって、非常に参考になる一冊です。
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●日本人の傾向と対策という、ケント・ギルバート氏の本の要約はできますか?
新しいBingで検索してみました。出典元がついてきます。
こんにちは、こちらはBingです。😊
ケント・ギルバート氏の本「トランプ大統領が嗤う 日本人の傾向と対策」の要約は以下の通りです。
本書は、アメリカ人弁護士であり日本に長年住んでいる著者が、日本人の国際感覚や自己主張の欠如、政治や経済の問題などについて、トランプ大統領の視点から批判的に分析したものです。(1.2.3)
著者は、日本人が自分たちの国や文化に対して過度に誇りを持ち、他国と比較しないことや、歴史的な事実を認めないことが、国際社会で孤立する原因になっていると指摘します。(1.2.3)
また、日本人が自分の意見をはっきりと言わずに曖昧にすることや、上下関係や集団主義に縛られることが、個人の能力や創造性を阻害し、イノベーションやリーダーシップを生み出せないことを批判します。(1.2.3)
さらに、日本の政治家や官僚が国民の利益よりも自分たちの利益を優先し、汚職や不正を繰り返すことや、日本の経済が停滞し続けることを問題視します。(1.2.3)
本書は、日本人に対して厳しい言葉で語りかける一方で、日本人の良い面も認めており、日本人が自信を持ち、積極的に世界に向き合うことを勧めています。(1.2.3)
以上が本書の要約です。ご参考になれば幸いです。😊
詳細情報:
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トランプ大統領が嗤う
日本人の傾向と対策 要約 ケント・ギルバート著
序章:バカに国防を依存するのか
■ファクトの無視は見逃せない
●リメンバーパールハーバーは米政府のプロパガンダだった。
●東京大空襲や原爆投下は戦時国際法違反の戦争犯罪だ。
●占領期にGHQが施したWGIPが、日本人の伝統的価値観や愛国心を破壊して、日本を弱体化させる目的だった事実。
■私を「ネトウヨ」と批判する怠け者たち
●事実むこんの歴史問題で日本を攻撃する中国や韓国を「主張が歴史上の真実かどうかなど、最初から気にしていない」「嘘をつくことに罪悪感がない」と記し、日本に二度と「謝罪外交」はしてはならないと訴える。
●それに対する中韓の支持者批判は、戦後の日本人を意図的にダメにした日教組の成果か。
●事実を自分で確かめず、頭から拒絶する態度は、「怠け者」以外の何者でもない。
●道徳心と倫理観が欠如している。
■「昔のケント」と学習を拒む人
■日本人の議論は欧米の小学生以下
●論理的かつ冷静に議論することが民主主義の根幹である。
■嘘の常識を「見返してやる」ときだ
●インターネットの注意は、プロパガンダが真実へとすり替わる過程である。
■トランプ大統領誕生は「平成の黒船来航」
●トランプ大統領誕生は、日本が戦後の米国依存を終わらせて自立するのに役立つ。
●「米国人はバカだ!」と憤る人がいるが「バカに国防を依存する日本人はもっとバカだ!」
●面白いのは、北朝鮮の核実験、ミサイル、中国の尖閣・沖縄での行動に騒がないメディアが、「日米安保や在日米軍はどうなるのか?」話題にし始めたことだ。
●トランプ氏は「日本人は自分の国を自分の力で守れ」と当たり前のことを主張している。その実行には日本国憲法第9条が邪魔である。「憲法9条のおかげで日本は平和だった」などという夢物語から日本人が覚醒し、憲法改正の議論が一気に進むことを期待している。
第1章:トランプ大統領が嗤う日本人
■「米国依存症」の重症患者
●日米安全保障条約で、米軍は事実上日本の傭兵になった。米国の愚策で日本軍を解体したが、本当の敵は共産主義勢力だった。
●日米安保で70年間守られた。「米国依存症」の重症患者である。政府や国会も、日本を真の独立主権国家に戻す努力を怠ってきた。
●中国と対峙すべき主役は、地理的・歴史的に考えれば日本だということは小学生でもわかる。本気で沖縄を奪いにきて中国と戦争が起きるとすればそれは日本の戦争である。日本が抑止力を高めなければ、米国が日本の戦争に巻き込まれる。
●日本を侵略支配すれば、インフラ、技術、人材まで、すべてが揃う。日本人はチベットやウルグアイの人々のように、事実上の奴隷になるのだ。平和ボケは日本と日本人の価値すら分かっていない。
■本心を「憲法違反」で覆い隠す卑怯
●米国は70年代から中国を手助ければ、民主化も進み、最後は資本主義陣営に取り込めると信じていた。米国に追従した日本はODAや民間投資で中国を支援支しモンスターに育て上げた。誤りだった。
●米国だけに依存する安全保障体制の脆弱性も改めて明確になった。
●2016年2月、野党5党が「安保法制は違憲だ」と主張しているが、「日米の信頼関係を破壊したい」という野党の宣言に見える。野党の安保法制の廃棄は中国が以前から待ち望む展開である。
■「妄想」を公の場で話せる人たち
●2016年トランプ氏は「日米安保条約は不公平だ」、「在日米軍は撤退していい」「防衛に核兵器が必要なら日本が自分で持てばいい」と言い出した。
●仮に、在日米軍が撤退し、日本が憲法第9条に手足を縛られたままならば、中国は確実に、尖閣列島だけでなく沖縄本島を奪いにくる。最終的には、」ありとあらゆる最新インフラと、勤勉で優秀な国民がセットで存在する日本国のすべてを支配したいと考えるはずだ。こうした最悪の事態を「あり得ない」と一蹴する人間は、歴史や現実から目を背ける「平和ボケ」か「敵の回し者」のいずれかだろう。
●ジャーナリストならだれでも想像すべき問題だが、その点を論じる報道は少ない。
■米国は「イチかバチかの国」
●トランプ氏の大躍進を見て、私は米国が「イチかバチかの国」であることを再認識した。米国人にとって変化とは「善」であり、不都合な現実を放置することは「悪」である。
●日本人は不都合な現実に気付いても、見て見ぬふりをして問題の表面化を避けたがる。そんな放置の累積が「国家の災い」を拡大させてきた。日本人の全体見謬性にこだわり、「不作為の罪」への罪悪感が薄いのかもしれない。
■トランプ氏と日本の野党はどちらがマシか
●日本のテレビ局は国民の「知る権利」を担保する責任が弱い。
●あらかじめ改正規定が盛り込まれた憲法を「絶対変えさせない」という感情的に拒否する態度は、もはや政治家ではなく、「聖典を護れ」という信者に号令する宗教家のようだ。
■変化を熱望する米国人
■「ドッテルテ現象」と「トランプ現象」
第2章:平和についての彼らの戯れ言
■米国人が戦争を好きになれるわけがない
●日本国憲法第9条は強すぎた旧日本軍にGHQが科した宮刑(去勢)である。日本は軍事に関する教育や報道に、偏向と偏見がある。
●フランクリン・ルーズベルトは第二次世界大戦への参戦を望んでいた。しかし米世論は許さなかった。だから彼は日本を執拗に挑発し、真珠湾の先制攻撃へと追い込んだ。そして今でも、だまされたままの国民が日米双方に多い。
●「自称平和運動家」は、自分たちの生活が軍隊の抑止力で守られている現実を認めない。自衛隊と在日米軍がいなければ、日本に敵意と侵略意思を抱く国は、明日にもくうばくや海岸線侵攻を始めるかもしれない。
■この目で見た普天間と辺野古の真実
●普天間の件・・地方自治体の首長が、国の安全保障問題を左右できるとしたら、その国は法制度に致命的欠陥を抱えている。外交や安全保障は国家の専権事項である。これは主権国家の国際常識だ。
●沖縄県警は、反対派違法行為を放置すべきでない。マスコミが警察や米軍の対応を不当とする報道もおかしい。
■沖縄は「サンダーバード」の島
●強い軍隊の戦争抑止力は人命救助そのものである・・20世紀の戦争・内戦で失われた人命は、ナチス:約6000万人、ソ連スターリン:約2000万人、中国毛沢東:2000~5000万人餓死と殺害、朝鮮戦争:約500万人と推定。
■「正当防衛」で困るのは敵だけ
●正当防衛を行う権利は「自衛権」とすれば、自己の権利を防衛するのは個別的自衛権であり、他人の権利を防衛するのが集団的自営権である。
●国連憲章ではすべての国連加盟国に両方の自衛権を認めている。
●日本は集団的自衛権を放棄してまで日本が米軍に依存してきた理由は、強引に武力を奪った米国への復讐だったかもしれない。しかしそろそろ自立すべきだろう。世界中で安保法案に反対する国は、中国、北朝鮮、韓国の3つだけだ。安保法のキャッチコピーは「戦争をしたくないから備える」を推薦したい。
■戦争体験者である女性作家の論理矛盾
●女性作家の論理矛盾
1945年8月9日、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して、満州。樺太、千島へ侵略した。
一週間もせず日本はポスダム宣言を受諾。・・武装解除した。その後満州では中国人やソ連兵による暴動や略奪が相次いだ。武装解除したため日本人居留者を守れなかった。
強い軍隊がなければ国は国民を守れない。
それなのに、憲法9条を信奉し、国の自衛権強化の安保法案に反対する矛盾が不思議である。
■翁長知事が中国とのパイプを生かす方法
●国防に関する国家間の合意を、県知事一人の裁量で反故にできるのなら、日本の統治制度には致命的欠陥がある。
●活動家の大半は、名護市民でも沖縄県民でもないと聞く。
■「カミカゼ」と卑劣なテロは全く別物
■対北決議を欠席・棄権した国会議員
●核実験に対し、日本は北朝鮮に対し世論をあげて抗議すべきだ。・・日本の報道は呑気過ぎ。
●第二次世界大戦終結後の1948年、ソ連の強い影響下で金日成主席が建国したのが北朝鮮。
国際法完全無視、ウソを恥じない国、絶対君主の国である。
■中国軍艦の示威行動をスルーした知事
●中国軍艦の示威行動を無視の知事。尖閣を武力で奪う示威行動に翁長知事はノーコメント。
■あの団体が米軍を追い出したあと
●米軍を追い払出せば、チベットやウルグアイと同じく、人民解放軍が沖縄を蹂躙するだろう。
■「9条教」信者と拉致問題
●日本は憲法第9条があるせいで奪還作戦ができない。だから続々と拉致されたのだ。
第3章:サルでもわかる中国の悪意をスルー
■まず中国は=PRCだと確認したい
●国連常任理事国とは本来、第二次世界大戦の戦勝5カ国だった。しかし現中国PRC(中華人民共和国)は1949年10月の建国で終戦時には存在しない。国連加盟は71年である。大戦時の中国とは、蒋介石率いる中華民国(国民党政府)である。
中国を建国した毛沢東率いる中国共産党軍(八路軍)は当時、ゲリラ組織で国民党軍と国共内戦を戦っていた。中国の歴史はわずか65年。その短い歴史の中でチベットとウルグアイに侵攻し、朝鮮戦争と中印戦争にも参戦した。
●米英仏ソ4カ国は戦勝国。まともに戦うこともなく中華民国は政治的理由で戦勝国扱い。その後中国は中華民国を国連から追い出し、常任理事国の地位を得た。敗戦の日本軍の全装備技術をソ連に接収され、ソ連は装備を中国に与えた。残留日本人のうち、軍人や医師、看護婦らが共生連行され、軍事戦略や飛行機の操縦技術、医療などを教えた。これによって共済イ軍は航空隊や砲兵隊、医療班を持つ近代的軍隊になり、国民党軍に勝った。
●現中国(中華人民共和国)建国時から日本人の世話になり、後に日本のODA(政府開発援助)と民間投資を得て発展した。ところが現在、最大の恩人の日本を、プロパガンダで貶め、自然を破壊し、軍事的に脅かしている。
■中国の外相発言で真っ先に浮かんだ国・・PRC
●中国は1949年の建国以来、中国共産党一党独裁の下、ウルグアイ侵攻、チベット侵攻、モンゴル粛清、朝鮮戦争、中印戦争など、「ファッシズム戦争」を続々引き起こした。昨今は過去の侵略の罪をごまかし、日本やフィリピンへの侵略の野心を隠そうとしない。
●中国は第二次世界大戦後、米国とソ連の思惑で生まれた。育てたのが日本ODAである。
日本人は中国の歴史を知らなすぎる。中国の真の姿を報道する日本のメディアは珍しい。
■多民族国家・米国の方針
●日本人が米国への移住を始めたのは明治中期、19世紀末だ。その後大東亜戦争で日米は敵国同士となり、日系人は米国籍保有者でも資産を没収され、強制収容所に入れらる。
●戦後日系人にたいする差別や偏見は、比較的早い段階でなくなった。日系人が強く団結して日本や日系人社会のために政治運動行う動きは余り見られない。移民国家たる米国の理想的な姿だと思う。
■米国での反日活動は公民権法に反する
●米国での反日活動は、公民権法に反する。米カリフォルニア州の政治ロビー組織「抗日連合会」。
正式名称は「アジアにおける第2次世界大戦の史実を保存する世界連合会」だ。ところが漢字の正式名称は「世界抗日戦争史実維護連合会」略称「抗日連合会」。つまり日本に抗議する団体だと認めている。
●中国は第二次世界大戦を「抗日戦争」と呼ぶ。慰安婦問題:20万人の慰安婦は計算が合わない。約100万人の日本兵。計算能力は皆無だ。南京30万人大虐殺や慰安婦20万人強制連行など。差別を無くしたい公民権法の趣旨に反する。米国は取り締まれるよう法改正すべきだ。
■中国の人権弾圧になぜか沈黙の日弁連
●中国の人権派弁護士弾圧に日弁連はノーコメント。
■中国のローカル・ルールと踏み絵
●中国は2015年9月3日、「抗日戦争と世反ファッシズム戦争勝利70周年記念」の式典を開催した。
史実を無視したネーミングで、大ウソつき恥知らず国家だ。しかしこれは意図的に発した警告であり、踏み絵だった。踏み絵を踏んだのは韓国。
●日米両国は国連を脱退して、新しい国際組織を創設すべき。
■なぜ中共を信用できるのか?と聞きたい
●PRCの内情は本当にひどい。民族虐殺や人権侵害、情報隠蔽、賄賂、横領、環境汚染などきりがない。
●PECの「中華思想」には国境の概念がない。世界はもともと、全て「中華民族」の所有であり、今、どの国が領有権を主張していようとも、「一時的に預けているだけ」だという。
■自称・現実主義者と中共幹部
●南シナ海、尖閣での国際法無視や、ウルグル、チベット、内モンゴル、での民族虐殺。覇権主義国家が野心を隠さなくなった。
●憲法を改正し「本物の自立国家」へと復活することが、日本の最優先課題だとおもう。
■日本人の美徳は中国に通じない
●日本人の美徳は中国に通じない。
●中国、北朝鮮、韓国に、美徳や共通意識、立ち振る舞いを望むのは、不可能だと認識すべきだ。
●かつての中国大陸の道徳文化は既に滅び、中国(PRC)には何も引き継がれていない。
■国際法も常識も通用しない国
●PRCは国際法も常識も通用しない国である。国会は法改正を急ぐべきだ。国民の生命と財産が脅かされている現状を放置するのは、国会が「不作為の罪」犯していると言わざるを得ない。
■火事場泥棒に「卑怯者」と叫んでも無意味
●第2次世界大戦の原爆投下後にソ連が侵攻し、ポツダム宣言受諾後も進撃し北方領土を強奪した。火事場泥棒には抑止力が重要である。
■これがハワイやグアムの沖なら
●沖縄県・尖閣諸島周辺に2016年約300隻の中語漁船が集結、事実上の軍事行動・侵略行為である。
●いつも「戦争反対」を叫ぶ日本の市民団体やマスコミは何をやっているのか。
●一見平和的なこの日本の態度が、昨今の事態を招いた最大の原因である。政府と外務省、メディアによる「事なかれ主義の外交」のなれの果てだ。
●尖閣は日本国所有なのだから、自衛隊を派遣して上陸させ守ればいい。
●安倍首相は靖国の英霊を顕彰する正統性と必要性を訴えるべきなのだ。朝日新聞の悪質なプロパガンダと、米中韓の内政干渉に屈した現状は、あまりにも情けない。
第4章:憲法も民主主義も話がズレている。
■米国では「憲法とはどうあるべきか」を学ぶ
●米軍基地反対運動や琉球独立運動のバックには中国共産党がいる。
●憲法学者に安保法案の見解を求めるのは無意味だ。専門外だからである。
●憲法は国民を守る目的で定められるべき。米国では憲法とはどうあるべきかを学ぶ。
■尊敬できない政治家
●暴力で審議を邪魔する政治家。目前に迫る国家の危機を無視して重要法案に難癖を付ける政治家。「戦争反対」と国会を取り囲んでも、日本を挑発する汚職大国に文句ひとつ言わない政治家。自分の行動が原因で日本の名誉が損なわれたのに、潔く謝らず言い訳を続ける政治家。彼らは尊敬できない。
■立憲主義の意味を理解していない人たち
●1946年、当時の吉田首相:「日本は憲法第9条で、自衛のための軍備と自衛戦争の両方を放棄した」と答弁した。新憲法制定時は確実にこの趣旨だった。
●1950年朝鮮戦争勃発時、吉田首相は「第9条は自衛権を放棄していない」と当初の憲法解釈を一転させ、後の自衛隊の整備を始めた。日本占領下のGHQの意向である。警察予備隊・・のちの自衛隊。
●日本人は、国防に必要な法整備ができないリスクを憂慮すべきだ。日本は米国に依存せず、目の前に迫った危機を自分の力で解決すべきなのだ。
■暴力行為の容認
●安全保障関連法案が2015年9月19日参議院で可決。
●民主党・・「あらゆる手段で成立阻止を目指す」「暴力を容認する政党」。この疑惑を報じないメディアも同罪。
■憲法9条こそ憲法違反
●護憲家伊藤真弁護士の説:日米安保条約破棄、自衛隊廃止、日本は非武装中立となり、軍隊以外で国を守る・・性善説・・?。非武装で日本を守る方法が私には想像できない。
●私の発言・・「憲法9条こそ憲法違反」・・憲法とは本来権力者に義務を課すことで、専制を防ぐものだ。
権力者の義務には、他国の侵略を防ぐ国防が含まれる。歴史上の国防手段は、軍事力と軍事同盟である。
■テロリストの「思うつぼ」
●テロの最大の目的は、大衆に恐怖を与え、結束を分断する事。
■「無自覚サヨク」と「憲法改正アレルギー」
■人権派弁護士が共産党にいる不思議
■民進党では「PRC日本省」一直線
■「殺したがるバカども」というレッテル
■「1票の格差」是正は絶対的正義ではない
第5章:なぜ世界の複雑さを知ろうとしない
■世界に誇るべき日本語の表現力
■千年たっても先進国になれない国
●韓国は千年経っても先進国ではない
■米国「第2の聖書」は道徳読本
■「反米かつ反中主義者」に説教したい
●米国が終戦後の日本に施した悪事:WGIP、プレスコード、9条がペナルティである事実など米国が終戦時に施した悪事を知ると「反米」を唱える人が出てくる。しかしPRCの軍事的脅威を警告しつつ、同時に「反米」を唱える人の思考回路は全く理解できない。
■モータースポーツで日本の強さがわかる
●「日本人は忍耐強いが、実はたたかいはもっと強い」
■日本人と韓国人の謝罪摩擦
●韓国人の謝罪は、感情の問題ではない。謝罪をすれば罪を認めた罪人、謝罪を受けた側は罪人をいたぶる特権を得る。過去を水に流さない。
●国際法上、1965年の日韓基本条約で合併時代の問題は全て解決済み。日本人の性善説的な常識を外交に持ち込んだ、政治家と外交官の責任は重い。拓殖大学国際学部教授:呉善花オソンファを熟読した方がいい。
■米国でも報じられた韓国「黒歴史」
●ベトナム戦争時の韓国軍によるベトナム女性の強姦。韓国軍専用の慰安所報じられない。
朝鮮戦争で中国義勇軍が多くの韓国人を殺した歴史。4万人強の米兵が朝鮮戦争で戦死。
■アジアの国々が独立したきっかけ
●インドの潜在能力と将来性の大きさは、間違いなく世界一である。
●白人の大国ロシアに、有色人種の小国だった日本が勝利を収めた衝撃の意味を、一番理解していないのは戦後の日本人だろう。
■米大統領の岩国スピーチは「返歌」
■最高裁がソウルに、国会が中国に・・英国
第6章:「メディアの飼い主は誰か」がポイント
■粉飾報道がつくった日本の「平和」
●メディアの粉飾報道が作った、平和天安門事件、文化大革命、チベット人弾圧、ウルグアイ人虐殺、等は報道されない。
●日本は戦後70年ずっと平和だったというが、実は「粉飾報道」が行われてきただけかもしれない。
■テレビ朝日は親会社・朝日を誡めよ
●南京事件:WGIPの贖罪意識報道:人口20万の南京で、30万の市民が虐殺され、1か月後に人口が25万人に増えたという事実は、知られていない。
●2014年8月の慰安婦問題の大誤報取り消しから1年以上が経過した。日本人の利益を考えるならば、欧米や中韓の新聞雑誌に「誤報訂正広告」を各国語で載せるべきだが、その気配は一向にない。
■「武力を使わない情報戦争」の真っただ中
●スイス:人口800万人弱:国土も九州程度:17.6万人の軍隊ある。軍事力によってこそ国の独立が守られる・・・戦争は情報戦からを熟知している。
●スイス政府は冷戦時代、「民間防衛」という小冊子を作成し、一般家庭に配った。
●「武力を使わない情報戦争」の手順が書かれている。日本が「武力を使わない情報戦争」の真っただ中にあり、最終段階が近付いていつ事を、誰が否定できるのだろうか。
■マスコミ各社の自己検閲が終わるとき
●1945年8月、ポツダム宣言を受諾するまで、台湾は日本領だった。敗戦により、台湾の領有権を放棄後、蒋介石の中華民国が上陸し台湾は事実上中華民国領になった。
●中台間は、共産党政府が国民党政府から中国大陸の領有権を奪った歴史があるだけ。
●日本の報道機関は、プロパガンダ機関だ。報道しない自由。
■日本国憲法を読んだのか
●憲法第9条の条文を現実に合わせることが必要。
■私も騙された靖国プロパガンダ
■飼い主を変更してきた忠犬メディア
●米国の原爆投下は国際法違反、戦争犯罪である・・・GHQの情報統制は今も生きている。
朝日新聞を筆頭とする国内メディアは豹変し、GHQに忠誠を誓い「飼い主」を変更した。
●2016年8月、バイデン米副大統領のトランプ氏を揶揄した発言。「彼は(日本が)核保有国になり得ないとする日本国憲法を、私たちが書いたことを知らないのか」と発言した。日本国憲法が「民定憲法」ではなく「米定憲法」である事実。GHQの情報統制は現代まで生きている。
■「ジャパンタイムズ」と「性奴隷」
●米国立公文書館・・1944年慰安婦で働くビルマ20人の尋問報告:慰安婦は雇用されていた、お金たっぷり、将校とスポーツ、ピクニック、演奏会、夕食会、蓄音機もつ、都会での買い物。が残る。
■朝日に載った「疑問の声」
第7章:ききすぎてしまったプロパガンダ
■「GHQの思惑通り」を修正せよ
●GHQダグラスマッカーサー談:日本の戦争は、安全保障(自衛)が動機だった。侵略戦争はGHQのプロパガンダ。」
●戦後70年、そろそろ、日本は近現代の間違った歴史認識の修正を堂々と主張すべきである。
■「勝てば官軍」の怖さ
●20世紀半ばまで、先進国による発展途上国の植民地化に疑問をもつ白人国家は皆無だった恥ずべき事実。30年代後半アフリカ大陸は全土。アジアで独立維持は日本とトルコだけ。
●植民地を解放、アジア人が共栄できる世界が「大義」の「戦争が、大東亜戦争である。・・GHQが太平洋戦争にした。勝てば官軍のプロパガンダ効果。
■米国民にたたき込んだ真珠湾プロパガンダ
●真珠湾攻撃の宣戦布告も、米国のプロパガンダ。
■9条は米法律家として恥ずかしい
●平和憲法を守っていれば他国は日本に戦争を仕掛けない論理は、62年前に破綻。
●日本国憲法公布の6年後、韓国に島根県竹島を強奪されている。
●日本の治安が良いのは、国民性と警察のおかげ。地域を守るのが警察、国家を守るのが軍隊だ。戦後70年間の平和は、在日米軍、自衛隊、日米安保条約のおかげ・・憲法第9条ではない。
■国家を歌えない国民
■国民の洗脳を解かれたくない勢力
■GHQの露骨な二重基準
■「ポツダム宣言=無条件降伏」という洗脳
●日本は条件付き降伏だった9月2日。・・・トルーマンが無条件降伏に9月6日に変更した。
■ポツダム宣言受諾と阿南陸軍大臣
■NHKがWGIP検証番組を放送するとき
第8章:「赤信号を渡り続けているテレビ」が鍵
■テレビ局がつくる有害な勉強不足
■米国人に理解できない「強行採決反対!」
■赤信号を渡り続けている放送事業者
■吉永小百合式「積極的平和主義」の末路
■われわれへの「不当な圧力」
■小林節」教授の「視聴者会」批判
■民主主義国家のメディアじゃない
■「私たちは怒っています!」の面々へ
■「逃げるが勝ち」のテレビキャスターたち
あとがき
●最新情報や一次資料をその都度検証し、「ファクト」にこだわって原稿を書いてきた。「事実と違う」という抗議をうけたことがない。
●インターネットが発達したおかげである。
●GHQの「ウオー・ギルド・インフォメーション・プログラム(WGIP)」や「プレスコード」に触れない「専門家」が戦後史や日本国憲法について何を論じても、まったく説得力がない。大学も「戦後レジーム」に従う研究者達である。
●日米とも、真実を追求することが疎かにされてきた。戦後70年以上もバレなかった嘘に基づく体制、それこそが「戦後レジーム」と呼ばれるものだが、今後もそれを維持したい人々が、メディアや教育機関を恣意的動かして、最後の悪あがきをしている。米国の今回の大統領選の結果が、日米両国のみならず、国際社会で71年以上も継続した「戦後レジーム」の「終わりの始まり」になるはずだと、私は考えている。
2016年11月・・ケント・ギルバート
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私の気に入った、ザ・インタビュー記事 喜多由浩氏
戦乱の穢土を浄土に 作家・安部龍太郎さん著『家康』シリーズ
安部龍太郎氏の『家康』面白そうですね。
また違った視点の家康が見られそうです。完結を楽しみにしています。
2023/03/20
安部 龍太郎(あべ りゅうたろう、1955年6月20日 - )は、日本の小説家。本名 良法。日本文芸家協会会員。日本ペンクラブ会員。福岡県八女市(旧・黒木町)生まれ。国立久留米工業高等専門学校機械工学科卒。学生時代から太宰治、坂口安吾などの作品を読み、作家を志して卒業後上京。東京都大田区役所に就職、後に図書館司書を務める。1987年に退職し、創作活動に専念する。1988年の『師直の恋』でデビュー。『週刊新潮』に連載した『日本史 血の年表』(1990年に『血の日本史』として刊行)で注目を集め、「隆慶一郎が最後に会いたがった男」という逸話が生まれた。2013年 『等伯』で第148回直木三十五賞を受賞。2016年 第5回歴史時代作家クラブ賞(実績功労賞)を受賞。
戦乱の穢土を浄土に
作家・安部龍太郎さん著『家康』シリーズ
ロシアによるウクライナ侵攻、海洋進出を強める中国、核・ミサイル開発をやめようとしない北朝鮮。世界で起きていることを見れば「永遠の平和」なんて絵空事かもしれない。日本の戦国時代もそうだった。下克上は当たり前、血で血を洗う仁義なき戦いの中で、強者が生き残り、敗れた者には死が待つのみ…。
安部さんがライフワークとして書き続ける『家康』は、こんな戦乱の世の中にあって、本気で「平和」を追い求める武将として描かれる。実際に、最終勝利者となった徳川家康は「パクス・トクガワーナ(徳川による平和)」と呼ばれる、世界史上、稀有(けう)な約250年間の「泰平の世」への道を開くのだ。
「『家康』を書きたいと思った理由は2つ。家康を通して(これまで見過ごされがちだった)『世界の中の日本』という視点から戦国時代を描くこと。もうひとつは、家康の人生を貫くテーマである『厭離穢土(おんりえど) 欣求浄(ごんぐじょう)土(ど)』。浄土教(往生要集(おうじょうようしゅう))の言葉ですが、家康は、これを政治的なスローガンとして掲げ、戦乱の穢土を平和な浄土に変えようとしたのです」
〝安部版家康〟が目指す「平和な世」とは、戦乱がないだけではなく、貧富の差もなくなり、誰もが食べてゆける社会だ。
「織田信長や豊臣秀吉が目指した世の中は『中央集権、重商主義』です。家康も当初、それにひかれたが、次第に考えを変えていく。そして、自分が思い描く世を実現させるためには、『地方分権、農本主義』が合っている、という結論に至るのです」
では、家康のビジョンや生き方で、今の世界情勢や日本の社会に生かせるものはあるだろうか?
新型コロナのパンデミックやロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー、食糧価格の上昇はグローバル化した経済や政治の脆弱性をあらわにした。貿易立国であり、エネルギーや食料の自給率が低い日本は改めて農業や産業の足元を固めることや国の在り方を見直す必要に迫られている。
「私は『地方分権、農本主義』に戻ることが日本の再生につながると思う。とりわけ、少子化対策や地方の過疎化、耕作放棄地や空き家の急増などに対応するにはそれが大事。地域それぞれが創意工夫をして、皆が食べていけるようにする…これは家康がやったことにものすごく近い」
今年のNHK大河ドラマは『どうする家康』(主演・松本潤、脚本・古沢良太(こさわりょうた))。「狡猾(こうかつ)な狸(たぬき)オヤジ」という従来の家康像を変えたいという意気込みらしい。
安部さんによれば、こうしたネガティブなイメージも「江戸幕府を否定したい明治政府による恣意(しい)的な部分が大きく、今こそ家康を再評価すべきだ」という。
『家康』の完結(全16巻予定)まであと7、8年かかるとみている。「とにかく元気でいること。家康も健康には気を使い75歳(数え年)まで長生きしたからこそ理想の世の中を実現できたのですからね」
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私が気に入った、ザ・インタビュー記事 八水沼啓子氏
理不尽な社会が根底に 作家・楊逸氏
『中国仰天事件簿・欲望止まず やがて哀しき人々』
今の中国の問題を指摘した、楊逸氏へのインタビューです。
また違った視点で中国の問題を考えさせられました。
2023/03/02
楊 逸(ヤン イー、本名:劉 莜(りゅう・ちょう)、1964年6月18日 - )は、日本の小説家。中国ハルビン市出身。1987年、留学生として来日。1995年、お茶の水女子大文教育学部卒業。その後、在日中国人向けの新聞社を経て、中国語教師として働く。反日デモの影響で仕事が減り、小説を書き始める。2007年、『ワンちゃん』で文学界新人賞を受賞し、小説家としてデビュー。2008年、『時が滲む朝』で第139回芥川賞受賞。中国籍(当時)の作家として、また日本語以外の言語を母語とする作家として史上初めての受賞となった。2012年ごろ、日本国籍を取得。2009年より関東学院大学客員教授、2012年より日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師、現在は、日大芸術学部教授。
理不尽な社会が根底に 作家 楊逸氏
日本人とは違う新鮮な視点で、社会性のある小説を書き続ける中国出身の芥川賞作家―。そのイメージが最近、変わりつつある。
2020年に『わが敵「習近平」』を刊行。翌年には、共著『中国の暴虐(ジェノサイド)や共著『言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』を相次ぎ出版し、真正面から習近平政権や中国共産党への批判を展開している。
今年で来日35年余。なぜ最近、中国批判を始めたのか。いや、逆になぜこれまで中国に批判の目を向けてこなかったのか。
「自分が育った中国はあまりにも病んでいて、中国人や中国社会について深く考えるのが嫌で避けてきた。
もう自分は中国を出て何年もたっているので、日本での普通の生活を楽しんでいればいい、と人ごとのように考えていた」
その考えが一変したのが、19年12月に中国武漢で発症者の存在が初めて公表された新型コロナウイルスだ。バンデミック(世界的流行)を計き起こした元凶は中国政府にあると怒りを覚えた。
幼少期のつらい記憶も蘇る。文化大革命下の1970年1月、ある日突然、暖かい家屋を奪われ、極寒の農村に送られた。いわゆる「下放」だ。中国共産党の理不尽さを身をもって経験していたことが、中日批判の急先鋒に向かわせた。「習近平政権のゼロコロナ政策が極めて理不尽で、無責任。そこには何か根源的な問題があるのではないかと思った。でも気づいたら中国を長い間離れていて、中国のことが全然わからなくなっていた」
そこで日本からアクセスして、中国のネットメデイアや地方紙の報道を調べ始めたという。「変な事件が次々と出てきて、しかも似たような事件がたくさん起きていてシヨックだった。事件をよく調べると、現行制度の問題点が垣間見られるようになった」
そして今年1月に刊行したのが、中国の地方都市で実際に起きた12の事件を取り上げた本作。2012年からコロナ前の19年までを対象に、世相を反映し、普遍性のある事件を選んだ。
本作では、事件の背景にある中国社会の問題点も解説している。収録されている愛人職に応募した女子大生が被害に遭った事件や母親の同級生だった建設王を実父と思い込んで起こした事件は、いずれも「一人っ子政策によって潜んでいた問題点があらわになった」と分析する。
本作の副題は「欲望止まずやがて哀しき人々」。日本人には、事件の当事者たちはみな道徳観や倫理観が欠如しているようにみえる。しかし「事件を起こした加害者にしろ、被害者にしろ、普通の中国人たちでみなそれぞれ深刻な事情があった。自分もそういう境遇にあったら、同じような事件を起こしていたかもしれない」と同情を寄せる。
中国社会の「権力至上」「拝金主義」は、横領や贈収賄をはびこらせる。「そこで暮らす人々には、欲の赴くままに詐欺や欺瞞の術を以って社会のどん底から這い上がろうとする欲望の動物になる以外、生きる『道』が残されていないのです」という本作の一節は胸に迫る。
「普通の中国人たちも、中国共産党の犠牲者たちだ。この本を通して、中国人が置かれた実態を知ってほしい」(八水沼啓子)
「中国は人間が普通に生きていくのが難しい社会」と話す芥川賞作家の楊逸さん
■やはり中国も「異端の国」なのか。
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異端の人間学 五木寛之・佐藤優 共著
2023/3月 2022/05/11読了読了
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後に読んだこの本は、非常に興味深い内容でした。
野蛮で残酷、時に繊細で芸術的に過剰なまでの情熱を傾けるロシア人。日本と近く、欧米に憧れて近代化してきたという似通った過去を持つ。だが私たちは、隣国の本性を知っていると言えるのか。欧米中心のヘゲモニーが崩れつつある今、世界はロシアが鍵の一つを再び握った。ロシアを知り理解し得なければ、今後日本は生き残れない。1960年代からソ連・ロシアと深く関わってきた二人の作家が、文学、政治経済、宗教他あらゆる角度からロシアを分析。人間とは、国家とは、歴史とは、そして日本人とは何かを浮き彫りにしたスリリングな知の対論です。
ロシアの冷血を、剝き出しの人間性を、日本人は何も知らない。ロシアの逆襲が再び始まった。
●いわゆる「坂の上の雲」を目指した時代から、日本人がどれだけロシアを意識し、ロシアのクッションとしての満州を意識し、そこに夢を託したか。それ抜きに日本の近現代は見えて来ない・・五木
●アメリカの新自由主義的な幼稚性は、ソ連崩壊と無縁ではありません。共産主義の脅威がなくなり、世界全体が弱肉強食になってしまった。・・佐藤
二人のこの言葉、印象的でした・・良かったです。
五木 寛之(いつき ひろゆき、1932年〈昭和7年〉9月30日 - )は、日本の小説家・随筆家。福岡県出身。旧姓は松延(まつのぶ)。日本芸術院会員。少年期に朝鮮半島から引揚げ、早稲田大学露文科中退。作詞家を経て『さらばモスクワ愚連隊』でデビュー。『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞受賞。反体制的な主人公の放浪的な生き方(デラシネ)や現代に生きる青年のニヒリズムを描いて、若者を中心に幅広い層にブームを巻き起こした。その後も『青春の門』をはじめベストセラーを多数発表。1990年代以降は『大河の一滴』など仏教、特に浄土思想に関心を寄せた著作も多い。
佐藤 優は、日本の作家、外交官。同志社大学神学部客員教授、静岡文化芸術大学招聘客員教授。学位は神学修士。 在ロシア日本国大使館三等書記官、外務省国際情報局分析第一課主任分析官、外務省大臣官房総務課課長補佐を歴任。
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自分の始末 曾野綾子著
2023/2月 2017/06/29読了
その考え方や、生き方が、好きな作家です。
肉体と精神の機能の低下を少し
くい止めることはできるように思う。
それは生活の第一線から、引退しないことある。
職を引かないことではない。
日常生活の営みを人任せにしないことである
●おもしろがれば、すべてできる。すべて自分が主体となり、その分だけ自由になる。
●自分の限度を知る・・休む
●運命の変化時には直ちに重大な決断をしてはいけない。
●日本人の、実質を見ずに空気で物を言う気質は、かなりに始末が悪い。
●六十五才を過ぎたら、人間として、精神・健康ともに揃って生きていられるとは限らない。
●延ばすという知恵は大切。
●自分の人生、自分の時間は、頑なまでに、自分で管理する。したいことをさせてもらって生涯を全う。
●少しだけ利己主義・・夜早く寝て朝は夜明けと共に活動を始める野生動物型。
●体も心も、手入れを続けなければ、必ず早く壊れる。
●自分のいいと思うものを、可能な限度の中で、自分の眼力で発見する。それが、この上なく、自由で楽しい人生だ。
●終生、謙虚であることが大切である。
いい言葉ばかりです。教訓にして楽しい人生を全うしたいですね。
曽野 綾子(その あやこ、1931年(昭和6年)9月17日 - )は、日本の作家。「曾野」表記もある。本名は三浦知壽子。旧姓、町田。夫は三浦朱門。カトリック教徒で、洗礼名はマリア・エリザベト。聖心女子大学文学部英文科卒業。『遠来の客たち』が芥川賞候補に挙げられ、出世作となった。以後、宗教、社会問題などをテーマに幅広く執筆活動を展開。エッセイ『誰のために愛するか』はじめベストセラーは数多い。近年は生き方や老い方をテーマとしたエッセイが多く、人気を集めている。保守的論者としても知られる。大学の後輩である上皇后美智子とは親交が深く、三浦の生前から夫婦ぐるみで親しかった。上皇后(天皇)夫妻が葉山で静養する折、夫妻で三浦半島の曽野の別荘を訪問することも多い。日本財団会長、日本郵政取締役を務めた。日本芸術院会員。文化功労者。
自分の始末 要約 曾野綾子
●定年後の生活がうまく迎えられないとしたら、それは備えが悪かったということ。
●自分にとっては大きな変化だが、他人はほとんど意に介さない。
●冒険をしよう。今自由なのだ。特権である。心がけひとつで、おもしろく自由になれる。
●おもしろがれば、すべてできる。すべて自分が主体となり、その分だけ自由になる。
●生活の第一線から引退しない。日常生活の営みを人任せにしないこと。
●料理と旅は精神の訓練。・・予測・分類・不必要なもの捨て・かたずけ・完全を望まない。
●自分の限度を知る・・休む・・・健康は生きるためのひとつの条件
●はたの評価はどうでもよい・・きれいに戦線を撤収・・あとは自分のしたいような時間の使い方をする。
●誰をも頼らず・・過去を思わず・・自足して静かに生きる・・・・
●孤独に耐え・・静かに自分自身と向き合って観想の日々を送ること。・・・個人の才能にかかる。
●信じないとことが、節度と愛の一歩。
●運命は個人が決定するだけではない・・・要はそれらの要素を当人が使いこなせるかどうかだ。
●他人は自分を生かしてくれない・・自分は自分で生かすほかない。
●いい運を得た人は、それを世界に分かち合えなければいけない。与えることを知っている限り壮年だ。
●長く生きれば、得るものもあるが、失うものも多い。・・宿命。
●流されて生きる効用・・運命の変化時には直ちに重大な決断をしてはいけない。
●人生には何でもありだ・何事も自分の身の上に起こり得ることを承認しよう。
●一般的に地球上の力関係は、自分の身は自分で守るということ。・・死ぬくらいなら死ぬ気で闘争。
●問題を感じる能力は「希望」につながる。あるかないかが重要。
●日本人の、実質を見ずに空気で物を言う気質は、かなりに始末が悪い。
●苦労も病気も資本に・・・死ぬのは一回と、たかをくくることが大切。
●自分の生涯をふり返って、澄んだ明晰な結論が出せたら、その「生」は成功。・・いい一生だった。
●元へ戻らぬ病があることを知る・・人間だけが滅びないと信じることは思い上がり。
●65才を過ぎたら、人間として、精神・健康ともに揃って生きていられるとは限らない。
●善悪・・壮大な矛盾に満ちた人間の生涯を、実に面白かったと言って死にたいもの。
●他人を分かったつもりになってはいけない・・裁かず。
●人は蛮勇に傾き。臆病にもなる。・・・曖昧さに耐えることが大切・・白黒つけない。
●物事の始めと終わりを、わかることが重要。
●延ばすという知恵は大切・・その場から離れることも大切。・・・感情の風化。
●他人と違った判断・・評価を大衆の目に合わせない。・・できなければしない。
●沈黙と静寂は、他を受け入れる。墨絵・・個人が色彩を連想。
●晩年に美しく生きている人とは・・ごく自然に・・一人で生きることを考えている人である。
●自分の人生、自分の時間は、頑なまでに、自分で管理する・・したいことをさせてもらって生涯を全う。
●少しだけ利己主義・・夜早く寝て朝は夜明けと共に活動を始める野生動物型。
●一日にひとつだけ積極的に物事をか片づける・・ひとつだけで良いとする。一日一善の感覚。
●体も心も、手入れを続けなければ、必ず早く壊れる。・・・錆びつかないように手入れを怠らないこと。
●老年の仕事は、孤独に耐えることだ。
●自分専用の「升」を持つこと。・・・「自分の大きさ」の升。
●病気・・自分でなんでもないと思っていることが大切・・楽しくいきるコツ。
●生涯は望んでできるものではない・・爽やかな人物たちが、それらの人々から選んで頂けたと思うこと。
●自分の眼力で発見する楽しさ・・自分のいいと思うものを、可能な限度の中で、自分の眼力で発見する。
それが、この上なく、自由で楽しい人生だ。
たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時
●人生に帳尻を合わせる・・生きている間に得たものを始末していくこと
●老齢者がいつまでも生に執着するのは自然に反しているように感じる・・40年の古家で死ぬことがよい
●教育はすべて強制から始まる・・将来の継続は自ら学びとる方がよい。
●終生、謙虚であることが大切である。
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私が気に入った新聞コラム・本ナビ
『天才たちの未来予測図』 高橋弘樹編著
「100年先」を見る研究とは 俳優寺田農氏
気になる成田悠輔も語る『天才たちの未来予測図』の紹介コラムです。
紹介者は、俳優寺田農氏。
文芸創作学科教授もやられた俳優の視点でみた紹介です。
成田悠輔氏はやはり気になる天才ですね。
2023/02/06
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寺田 農(てらだ みのり、1942年11月7日- )は、日本の俳優、声優。かつてはオスカープロモーションに所属していた(2020年2月29日退所)、2020年3月25日現在は株式会社CESエンタテインメント所属。東京都板橋区出身。早稲田大学政治経済学部中退。元東海大学文学部特任教授。現在は板橋区立美術館運営協議会会長。
『天才たちの未来予測図』 高橋弘樹編著
「世界の超一流大学で活躍している研究者たちは、今、何を考え、どう行動しているのだろうか」
この本は、編著者がテレビ東京のプロデューサーとして企画・製作統括のWebメディア「日経テレ東大学」で行った、4人の若き天才たちへのインタビューをまとめたものだ。
経済学者、データ科学者の成田悠輔・イエール大助教授は、日本の教育と民主主義の機能不全を指摘し、データとアルゴリズムの力で社会制度を組み替えていく重要性を述べる。
経済思想家、マルキシストの斎藤幸平・東京大准教授は資本主義下で、格差と環境問題が深刻化する世界に警鐘を鳴らし、「脱成長」経済を実現させていくことで本当の豊かさを手に入れるように説く。
経済学者の小島武仁・東京大マーケットデザインセンター長は、待機児童問題など日本社会でのさまざまなゆがみを人や資源の最適な組み合わせで解消する「マッチング理論」の可能性を語る。
小児精神科医の内田舞・ハーバード大医学部助教授は、長引くコロナ禍で人々のメンタルヘルスが危機に陥っている状況でも自分の心を守っていくために「再評価」という心理アプローチを提示する。
本書の天才たちは、卓越した思考の持ち主であると同時に優れた実践者でもある。
高橋は、それぞれにいくつかの問いを投げかける。社会や国家のあり方、個人に関してはメンタルヘルスといった医学的な問題からデータの奴隷になるかもしれない時代における私たちの生き方といった哲学的な問題まで聞く。
「研究者は10年や20年ではなく、100年とかそういう単位の未来を見ている」のである。
目次
斎藤幸平『資本主義から脱成長コミュニズムへ』
・「限界」を迎える資本主義
・ソ連の問題点
・「科学技術がすべてを解決する」という幻想
・「脱成長」から始まる未来
・世界を救うマルクスの「コミュニズム」
・「人新世の危機」を乗り越える
・困難は次の時代を築くチャンス
小島武仁『世界の歪みを正すマッチング理論』
・社会問題を「疑似市場」で解決する
・「ミスマッチ」をなくし「満足度」を高める
・「最高の人事制度」もデザインできる
・「GLAY」から研究者の道へ
・日本の未来は「意外と悪くない」
内田舞『withコロナ時代の「心の守り方」』
・「社会正義」としての小児精神科医
・ネガティブな感情を書き替える「再評価」
・「メンタル危機」とどう向き合うか?
・コロナ禍で「心のバランス」を崩す子どもたち
・アメリカ社会の「キャリア」と「育児」
・事実を“そのまま受け入れる”思考法
成田悠輔『「わけがわからない人間」が輝く時代』
・「何をやっているかよくわからない」が理想
・データ分析で「常識」を問い直す
・教育は「個別最適化」されていく
・もう「逆張り戦略」しかない
・民主主義を解体構築する
・人が猫に仕える未来?
・「何の意味のないこと」に精を出す
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私が気に入った新聞コラム・本ナビ
『旅行鞄のガラクタ』伊集院静著
詩人・和合亮一 『旅行鞄のガラクタ』 物に潜む歳月と記憶
私の好きな作家伊集院静氏の『旅行鞄のガラクタ』の紹介コラムです。
2023/01/27
紹介者は詩人の和合亮一氏
詩人ならではの感性の紹介ですね。
やっと本を購入できて、まえがきを読み始めました。
いきなりイタリアフィレンツェのヴァッキオ宮殿が出てきて、良いですね。
伊集院氏の感性がそのままでているような紀行文章です。
これからじっくりと本編読みます。いい本に出合えました。
和合 亮一(わごう りょういち、1968年8月18日 - )は、日本の詩人、ラジオパーソナリティ、高校教員。福島県福島市出身。福島市生まれ、福島市在住。
物に潜む歳月と記憶 詩人・和合亮一
旅先で、例えば小石だったり、美しい瓶だったり、小さな置物だったり…、ふと持ち帰ってしまう癖がある。子供の頃から何かを拾ってきては自分だけの宝物としてしまっておくことを繰り返してきたが今も変わらない。
執筆の合間にそれらを取り出して手触りを確かめてみたりする。しばらくするとまた筆を握ろうとする自分に気づく。小さな力が宿っているに違いないと信じている。
伊集院静はこれまで様々(さまざま)な国内外の旅をしてきた。世界をめぐって出会った人々や、かけがえのない家族や友人とのエピソード、ギャンブルやお酒で失敗してしまった話などが、この一冊の中によく登場する。旅の達人の隣の席に座って、よもやま話にあれこれ耳を傾けている気分になる。
彼は土産などは買わない主義であるが、いつしか鞄(かばん)の中に収められるようなふとした物を、あたかもその土地の木に実っている美しい果実を貰(もら)い受けるかのようにして、しまいこんできた姿がある。
それを「ガラクタ」と称しているが、貝殻だったり、人形だったり、何かのカードだったり…。とても共感できてしまう。一つずつ深い記憶が眠っていて、作家の語り口により、しだいにそこに込められた歳月がはっきりと目覚めていくような印象がある。
例えば琵琶湖の近くで見つけたヒシの実がある。彼は小説を2冊まで出したが筆を折ることを考える。水底で必死に草木になろうとしている1個の種。何事かを教えられたと彼は直感する。「以降、三十数年戒めとして、いや教えとして、このガラクタは私の仕事場の隅でずっと草木になる夢を見て息を潜めている」。小さな物の一つ一つと彼の表情が写真と文章で手に取るように深く見えてくる。
☆
人間にとって成熟とは何か 曾野綾子著
2023/1月 2018/01/11読了
その考え方や、生き方が、好きな作家です。
人間の一生は最後の一瞬までわからない。
■正しいことだけをして生きることはできない。
●人間は誰でも、どんな悪い境遇になっても必ず自分を生かす要素を見つける。
■「努力でも解決できないことがある」と知る。
●人生は想定外そのもの。
■「問題だらけなのが人生」とわきまえる。
●人は年相応に変化する方が美しい・・75歳が分岐点。
●人生の後半に、多分治癒が難しいと思われる病気に直面したら、その病気をどう受け止めるかを、最後のテーマ、目的にしたらよい。
■人はどのように自分の人生を決めるのか。
●人生は最後の一瞬までわからない。人には思いもかけないような様々な人生の結論がある。
非常に奥が深い提言です。
曽野 綾子(その あやこ、1931年(昭和6年)9月17日 - )は、日本の作家。「曾野」表記もある。本名は三浦知壽子。旧姓、町田。夫は三浦朱門。カトリック教徒で、洗礼名はマリア・エリザベト。聖心女子大学文学部英文科卒業。『遠来の客たち』が芥川賞候補に挙げられ、出世作となった。以後、宗教、社会問題などをテーマに幅広く執筆活動を展開。エッセイ『誰のために愛するか』はじめベストセラーは数多い。近年は生き方や老い方をテーマとしたエッセイが多く、人気を集めている。保守的論者としても知られる。大学の後輩である上皇后美智子とは親交が深く、三浦の生前から夫婦ぐるみで親しかった。上皇后(天皇)夫妻が葉山で静養する折、夫妻で三浦半島の曽野の別荘を訪問することも多い。日本財団会長、日本郵政取締役を務めた。日本芸術院会員。文化功労者。
人間にとって成熟とは何か 曾野綾子 要約
■正しいことだけして生きることはできない
●人間は誰でも、どんな悪い境遇になっても必ず自分を生かす要素を見つける。
●この世は善でもなく悪でもなく、多くの場合その双方を兼ね備えている。
■努力で解決できないことがあるを知る
●安心して暮らせる社会は幻想
●人生は想定外そのもの
●努力で何事もなし得るというわけではない
■もっと尊敬されたいという思いが、自分も他人も不幸にする
●自分の不運の原因は他人と考える不幸
●人間を理解していない人は「他罰的」である=劣等感の塊である証拠
●代わりが利かない存在になること
●年寄りだけでもダメ、新人だけでも頼りない
●定年後自分のしたいことを見つけていない人も、老人なのについに成熟しなかった人だと言える。
●威張って、不遜で、自己中心で、評判を恐れ、称賛を常に求め、他罰的な人は、不安の塊である。
●日々が謙虚に満たされ、自然にいい笑顔がこぼれるような暮らしをすることが成熟した大人の暮らしというものだ。
■身内を大切にし続けるこよができるか
●絆の基本は普段から心をかけ合うこと以外にない
●この世で最高におもしろく複雑なものは「人間」
●絆とは与える覚悟、損をするである。それによって大きな精神的な幸福を与えてもらう
●絆は二つの条件を伴う
①自分に近い人との結びつきから始める。親・兄弟を大切にする。身内の人に生涯を賭けて尽くす決意をすることの方がずっとむずかしく意味のあることだ。
②絆は長い年月、継続することである。
■他愛のない会話に幸せはひそんでいる
■権利を使うのは当然とは考えない
●強烈に他者の存在を意識し、その中の小さな小さな自分を認識してこそ、初めて自分の分をわきまえ、自分が働ける適切な場を見つける。それができるようになるのが、多分中年から老年にかけての黄金のような日々なのである。肉体的に衰えて行っても魂や眼力に少し磨きがかかる。成熟とは、鏡を磨いてよくみえるようにすることだ。
■品がある人に共通すること
●思ったことをそのまま言わない
●言っても面白がられる場合は、「思ったことをそのままずばり」ではなく、思ったことをそのまま言えるのは、一種の計算が加えられている場合が多い。それにその場合には、言う人と言われる人との間に長年の信頼関係がなければならない。
●品がいい人と感じるのは、間違いなくその人が成熟した人格である
●品というのは多分に勉強によって身につく。本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず、利己的にならないことだ。受けるだけでなく与えることが光栄だと考えると、それだけでその人には気品が感じられるようになる。
■問題だらけのなのが人生とわきまえる
●人は年相応に変化する方が美しい・・75歳が分岐点。
●人は常に年相応に健全に、老化という変化を遂げ続けている方が健康で美しく見える。
●漢方は明日起きたらあの薬を再び飲みたいと思うものが体に合っている。
●他人より劣ると自覚できれば謙虚になれる。少し意図的に目的をもって生きる方が楽。
●人生の後半に治癒が難しい病気に直面したら、病気をどう受け止めるかを、最後のテーマ、目的にしたらよい。
■自分さえ良ければいいというおもいが未熟な大人を作る
●夫に社会的な地位ができるとその奥さんまで威張るケースがある
●内面は言葉遣いに表れる
■辛くて頑張れない時は誰にでもある
●どんな仕事にも不安や恐怖はある
●報われない努力もある
●諦めることも一つの成熟
■沈黙と会話を使い分ける
●衆人環境の中で仕事ができるか
●一人でものを考える。徹底して一人であることを感じることも、重要。
■うまみのある大人は敵を作らない
●職業に向き、不向きはある
●芸術は本質的に誰もが独学で学ぶほかはない孤独な道である。
●人間は皆「ひび割れた茶碗」。人間の叡知が必要、割れないように。
■存在をはっきりさせるために服を着る
■自分を見失わずにいるために
●広告を作る姿勢
●自分を正当に認識できるか
■他人を理解することはできない
●おもしろさは困難の中にある
●礼を言ってもらいたかったら、何もしてやらない方が良い
●他人を正しく評価できる人はいない
■甘やかされて得することは何もない
●なぜ退化したことを自覚できない老人が増えたのか
■人はどのように自分の人生を決めるのか
●人生は最後の一瞬までわからない。様々な人生の結論。
●個性がなくなった青年
●「ずたずたの人生」を引き受ける覚悟が重要。自分の好きな道なら失敗するかもしれない部分に賭ける。
■不純な人間の本質を理解する
●いいだけの人生もない、悪いだけの人生もない。
●もし人生を空しく感じるとしたら、それは目的を持たない状況だからである。
●年齢にかかわらず、残りの人生でこれだけは果たして死にたいと思うこともない、という人が実に多い。
●目的は実に小さくて良いのだ。したい、したいがあれば良い。満足と幸福で満たされる。
●幸せの度合いは誰にも測れない
●目的がない、この空しさほど辛いものはない。退屈というものは死ぬほど苦しいと言った人さえいた。
●忘れることも重要
●人間は誰でも自分に関することを最も重要だと考える。しかし他人のこととなるとそれほどでもない。
●いいばかりの人もいなければ、絵に描いたような悪人もいない
●大切なことはお茶を入れて、すべてのし細な対立は、強靭な大人の心で流してしまえるかどうかなのだ。
☆
「SDGsの大嘘」 池田清彦著
2022/12月 2022/10/04読了
●人口を減らさない限り「資源の争奪戦」は終わらない
●SDGsはグローバル資本主義を続けた欧州の免罪符
●枯渇しつつある水産資源を中国が食べ尽くす
●実はエコではない「太陽光発電」と「風量発電」
●「CO2の増加が地球温暖化の原因」という大嘘
●利権のために科学的ファクトも「無視」する日本人
●実は地球にも環境にも優しい遺伝子組み換え作物
●「地熱発電」と「エネルギーの地産地消」が日本を救う
2022年も世界的に「脱炭素」の動きが活発化しています。SDGsの問題点と本質を書いたこの本は、非常に勉強になる内容でした。
また、近代国家におけるサスティナビリティについての色々な情報もたくさんあり、中身の詰まった、本当に良い本でした。
要約は「近現代史記事紹介」にも掲載しています。
SDGsの大嘘 池田清彦著 要約
■はじめに
●SDGs=「持続可能な開発目標」=17目標を掲げる。
●国連サミットで「2030年までに達成すべき目標」=一種の霊感商法のような怪しさが漂っている。
●実現は難しい=「絵にかいた餅」=ゴールへ突き進むと間違いなく世界は今より悪くなる。
●利益を得るのは、一部の国やSDGsをビジネスにしている企業。日本は負け組かもしれない。
●国連が垂れ流すこの「嘘」を鵜呑みにした政府やマスコミのキャンペーンでほとんどの人は頑張る。
●この構造は「環境問題の嘘」、「人為的地球温暖化論」の構図とまるっきり同じである。
●「環境を守らなければならない」という人々の善意につけ込んで、後押しする政府機関や企業は国民から多額のカネを搾り取っている。SDGsも人為的地球環境温暖化論も基本的には全く同じで、反対しづらい善意のスローガンを並べているだけで「地獄への一本道」になっている。
■第一章・SDGsは嘘だらけ
●キャッチフレーズの成り立ちに潜む矛盾
持続可能であるということはそこで開発は止まる。造語。矛盾だらけの支離滅裂な言葉である。
●誰も反対できない17のお題目
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
どの目標も、言われてみれば「そのとおり」という素晴らしい美辞麗句ばかりだ。「絵に描いた餅」。
5・10・12・16・17の5つの目標は人や社会の「意識」の話だが、全世界の意識は変えられない。
3・4・8・9・11の5つの目標は、インフラ整備や経済振興の話だが、国の経済力によって差があるので世界すべては難しい。
●エネルギー、水、食料に関する目標はすべて胡散臭い
「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「6.安全な水とトイレを世界中に」「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」というエネルギー、食料、水、生物多様性に関する目標は、私からすれば「いったいどうするつもりだよ?」と驚くほど、矛盾だらけ。かなり胡散臭い。
「エネルギーをみんなに」も、「クリーンに」という目標は達成できても。「エネルギーをみんなに」は達成できないし、「貧困をなくそう」という目標とも大きく矛盾する。
不可能なことを実現するためにはどうすればいいかという、深い話はほとんどされていない。
「海の豊かさを守ろう」も現実的ではない。現実漁獲高はすさまじく増大し、それを規制して漁獲量を減らしたら、「飢餓をゼロに」とか、「貧困をなくそう」という目標は達成できない。
素晴らしい話はどれだけ語られても、まったく実現できないおとぎ話ならば、それは「嘘」と変わらない。SDGsは嘘だという理由はここにある。
●「人口を減らそう」という目標の欠落
17の目標には、地球の持続可能を考えるうえで、およそ欠かすことのできない目標が含まれておらず、その解決策にもまったく言及していない。それは人口問題である。
20世紀初頭:16億5000万人、この100年で爆発的に増え、現在79億人。
この人口増加を抑えないで、SDGsが掲げる「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「6.安全な水とトイレを世界中に」「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」という目標を徹底的に追求していくと、人類は間違いなく、地獄へ直行していく。
原生林や原野といった自然生態系が消滅、野生動植物の生物多様性が激減、結局はエネルギーや食料、水などのリソースの奪い合いが始まり、「資源争奪戦争」がスタートする。
これを回避する究極の方途は「みんなで協力して人口を減らそう」だ。科学的な視点で今の地球と人類の状況をみれば、エネルギーや食料、水などのリソースを、人や野生動物を含めた全世界の生物たちにどう分配するかが課題なのは明らかである。
●地球上のエネルギー量は有限
「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「6.安全な水とトイレを世界中に」「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」という目標を達成するには、現在の人口79億人に見合う食料や水、そしてエネルギーというリソースが必要だが、現時点ですでに供給量が必要量を下回っている。
化石燃料、ウラン、地熱以外は、すべて太陽エネルギーに依存している。「再生可能エネルギーというのは、実は太陽エネルギーの奪い合い」だという現実は変わらない。地球上のエネルギー量には「上限」があって、今も79億人が奪い合っている状況だ。美しいスローガンは実行に移すことは非常に困難な目標だ。
●生態系とは「炭水化物の奪い合い」
同様の矛盾は「2.飢餓をゼロに」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」という目標にも当てはまる。地球上の食料も太陽に依存している。食料の量というのは、陸上と水界の光合成の量によって決まる。人間は人間同士だけでなく、地球上の生物と「炭水化物の奪い合い」をしている。
79億の人の地球で貧困や飢餓を解消するには今以上の炭水化物が必要になるが、しかし上限がある。
足りない分は他の動植物から収奪する、結果、陸や海の生物多様性は減少する。
「飢餓をゼロに」と「海の豊かさを守ろう」はトレードオフの関係にある。とばっちりは人類以外の生物だ。この厳しい現実に触れることなく「飢餓をゼロに」「海の豊かさを守ろう」と「海の豊かさを守ろう」
「陸の豊かさも守ろう」という矛盾した目標が横並び。この大きな欺瞞こそが胡散臭いと感じるゆえんのひとつである。
●人口が増えることでサスティナビリティは破綻する
人口問題という根本的な問題を解消しない限り、「2.飢餓をゼロに」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」という目標はバッティングする。
自然の中で適正な数の人間が、野生の動植物をとって食べていくというのが実は最もサスティナブルなのだ。
人口の増加に影響を受けるのは狩猟採集社会と農耕社会。人口増加で「破滅型狩猟」「田畑の減少」がおこる。「農業の効率化」が必要。それには害虫駆除を行うが、そうなると他の生物の食料が奪われる。当然生物多様性は損なわれる。「飢餓をゼロに」「陸の豊かさも守ろう」というのは完全に矛盾した話。両立できると並べているSDGsは極めて悪質な「嘘」をついていることになる。
●貧困・飢餓問題に拍車をかける高級牛ステーキ
「2.飢餓をゼロに」「15.陸の豊かさも守ろう」という目標が守れない要因は「肉食」である。
世界のほとんどの国で「肉食」が広がっている。肉食、大量の肥料、穀物生産、農業の効率化、他の野生生物の絶滅危機、の矛盾。本当の意味での「サスティナブル」は何を食べるべきか?を考えること。
●「豊かさを守る」以前に、水産資源は枯渇している
人口が膨れ上がった今の地球で、貧困や飢餓をなくして豊かな人間社会をつくることと、陸や海の豊かさを守るという目標は両立しない。水源資源の窮状が語っている。
海の中、世界の水源資源はオーバーキャッチング(とりすぎ)を長く続けてきたことで、かなり危機的状況にある。資源自体がかなり減少している。
●中国が世界の魚を食べ尽くす
漁獲高制限必要。中国は12億人の腹を満たすため世界中の水産資源をとり、2019年の世界の漁獲量2億1200万トンの内4割近くを占める8250万トンという漁獲量で世界一となっている。漁獲量の奪い合い。
今後は水源資源のシェアが問題。「海の豊かさを守ろう」なんていう能天気な目標を掲げていられるような状況にならない。
●アサリ偽装問題が示す「水産大国」の真実
日本の海が衰退。日本周辺の水産資源が激減。国産アサリは絶滅危惧種。
●スーパーに並ぶ海産物のほとんどは輸入品
輸入して「畜養」で国産にしている。国産比率はかなり低い。戦争、経済制裁の影響を受ける。
●抗生物質の海を泳ぐ養殖サーモン
日本の海産物の危機感は薄い。「養殖にシフトすればいい」という楽観論。「海の豊かさを守ろう」の目標は犠牲にしなくてはならない。養殖魚は抗生物質を混ぜた餌。厚生物質が海を泳ぐ。外国産サーモンも同じ。ノルウエー、チリ。
情けない食の事情を改善しないで、「海の豊かさを守ろう」と呑気に言っている場合でない。
SDGsの目標より、まずは食糧危機に備えて、日本人が飢え死にしないように国内自給率を上げていくことの方が、日本にとって本当のSDGsである。
●究極のSDGsは「みんなで人口を減らそう」
人類が限りある地球上の天然資源を他の生物とシェアして生きているという現実を踏まえると、SDGsのお題目ではどうにもならない。
世界人口79億で、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」という目標を達成しようと思ったら、陸上や海の豊かさを守ることは不可能。逆に本気で、生物多様性を守り、陸や海の環境をサスティナブルにしようとすれば、これまで以上に貧富の差が拡大して、食料の争奪戦に負けた国の人々は深刻な飢え直面する。
目標をやればやるほど世界を悪くする恐れがある。
回避する道は、世界中で「みんなで協力して人口増加を抑制していきましょう」と呼びかけること。
人口減少はサスティナブル。
人間の頭数を限りある資源に合わせて減らしていけば、余計な自然破壊も生態系の破壊も怒らない。ある意味、「究極のSDGs」だと言っていい。
●「人口抑制」はグローバル資本主義を妨げる
この人口抑制の目標をSDGsに入れない理由。SDGsを喧伝している欧州やアメリカの西側諸侯にとって「人口抑制」は受け入れ難いものという事情。基本的にグローバル資本主義によって地位を確立し、国際社会への影響力を維持しているから。グローバル資本主義は人口が増え続けないと困る現実がある。
グローバル企業、世界的消費者、安い労働力、途上国などで人口が増えているからだ。
●欧州の「不都合な真実」
日本と同じく人口が減り続ける欧州。イギリスやドイツは続々と移民を受入れている。少しもサスティナブルではないことをやっている。
グローバル資本主義で壊した生態系から、目をそらさせることがSDGsの本来の目的ではないのか。
問題の本質から外れたSDGsの目標のせいで、世界は着々と破滅へ向かって進んでいる。
●脱資本主義への兆し
西側諸国のグローバル資本主義を食い止める方法を自分たちで考えることが必要。
「AI」と「ベーシックインカム」の活用。AIの導入が進んでいけば、人工抑制が徐々に進む。
「働かなくていい社会」が徐々に実現。すべての人の生活を一定水準まで保証する、ベーシックインカム。農耕社会が始まるまで気の遠くなるほどの期間、人間はほとんど働いていなかった。それが働くことで生活の豊かさを追い、収穫、人手、穀物、効率的、結果、グローバル・キャピタリズムに行き着いた。
今世界を破滅へと導いている西欧諸国のグローバル資本主義を食い止めるには「働かなくていい世界」を一日も早く実現することだと言える。
●国連はなぜ「SDGs」などと言い始めたのか
政府や企業やマスコミが呼びかけられているSDGsの正体は?
なぜそんな「嘘」だらけの目標を、国連という国際機関が採択したのか?
政治的駆引きにより盛り込まれたお題目。
●SDGsの前身とは?
MDDs(ミレニアム開発目標)。2000年9月、国連ミレニアム・サミットで採択されたもので、途上国を対象とした国際社会の目標である。平和と安全、開発と貧困、環境、人権、グッドガバナンス(よい統治)などを課題として挙げ、2015年を期限とて、以下8つの目標が掲げられた。
目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
目標2:初等教育の完全普及の達成
目標3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
目標4:乳幼児死亡率の削減
目標5:妊産婦の健康の改善
目標6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
目標7:環境の持続可能性確保
目標8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
SDGsはこの途上国向けの目標であるNDGsの後継。
2015年にある程度達成できたということで、さらに先進国も含めた地球規模に拡大しようと、同じ2015年に採択されたのがSDGsである。
●MDGsの目標はカネで達成できた
「MDGsがうまくいったから、次はSDGs」がおかしい。
MDGsはあくまで途上国対象。これは、先進国がお金を出し合って途上国に投資すれば達成できた。基本的にはMDGsで掲げられている目標はインフラ整備だからだ。目標4は、医療インフラの整備や医学の進歩の成果。
●安い労働力を確保したいグローバル資本主義
途上国で、インフラ整備で達成できたから、「今度はそれを地球規模に広げていきます」は冷静に考えて無茶苦茶な話だ。
●国連による「ゴリ押し」の真意
対象を地球規模に拡大したせいで、「損をする人々」や「犠牲になる生物や環境」というのが現れた。
「各国の間でかなりの政治的駆引きがあった」可能性が大。自国の利益が生じるようにネゴシエーションも重ね、SDGsという「嘘」と「矛盾」だらけの国際的ルールをでっちあげた。
行ったのは、世界を牛耳るグローバル資本主義を掲げる西側諸国。自国の繁栄、今の経済システムを守る、さらなる富を生むための新しい手段として、SDGsという概念が「発明」された可能性がある。
第2章・「環境ビジネス」で丸儲けしているのは誰か?
●世界的なキャンペーンの裏側に潜むものとは
重要な視点は「誰が得をするのか」。
SDGsは現在の世界秩序を維持し、西側諸国が最終的に得するような構造になっているのではないか。
特にEUが得するSDGsが、「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」というエネルギー・環境関連目標だ。要するに、これは「脱炭素」という動きだ。
EUは、エネルギー・環境関連で主導権を握りたいがために、「脱炭素」という自分たちの有利なルールを世界に広める必要がある。
●SDGsは地球のためではなくEUのため?
なぜEUがそんなことをするのか?ズバリ、自分たちが生き残るためだ。
アメリカ:シェールガス・オイル。オーストラリア:石炭。
ヨーロッパもエネルギー資源に乏しい。EUは全体として化石燃料に乏しい。
「資源を大量に持っている国」に優位に立つには、「ゲームのルールを自分たちに有利なものへと変えること」だ。世界の常識を石油、石炭、シェールガス・オイルは時代遅れで、他のエネルギーに力を入れている国の方が将来有望だというふうに「世界の常識」を変えてしまうこと。それこそが、ヨーロッパが進めている太陽光、風力、水力、という再生可能エネルギーへのシフトの価値を高めていく戦略なのだ。
EUやヨーロッパの、ガソリン車を規制して電気自動車の普及に力を入れるのは「自分たちのため」。ロシア、アメリカという資源国との差を埋める戦略を後押しするのがSDGsだ。そうすればCO2垂れ流しで成長した中国、中東産油国への牽制にもなる。
●政治やビジネスにこっそり利用されている
SDGsの裏側には、EUのエネルギー戦略がる。「脱炭素」を広めて、太陽光、風力、電気自動車を広める。
「脱炭素」には問題が多い:電気自動車のバッテリーやハイテク機器を大量に生産すれば、CO2はめちゃくちゃでる。燃料である電気は、太陽光や風力でつくるからエコだというけど、それを作るソーラーパネルで中国がCO2をめちゃくちゃ出している。電気自動車のバッテリーの処理はかなり面倒だ。
トータルで考えると、電気自動車でCO2が削減できるかはかなり怪しい。
電気を作るコストでいえば最も安いのは石炭火力と原発だけど、原発は事故が起き時の費用と廃棄物再処理でコスト増。
トータルで最も安いのは、石炭による火力発電だ。次がロシアの天然ガス、さらにアメリカのシェールガス・オイル。EUはそれらの国からエネルギーを買うしかない。
EUは世界的な「脱炭素キャンペーン」をぶち上げてこれをひっくり返そうとしている。EUやイギリスの思惑がにじみ出ている。プロパガンダ。
●いちばん得をしているのは誰なのか
経済活動が「ESG投資」。SDGsを推進する企業に積極に投資しようという話。SDGsと「ESG投資」によって、EUに世界中から莫大な資金がながれ込んでいる。
●途上国はますます貧しくなる
「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に合致するビジネス、太陽光発電、再生可能エネルギー企業とか、電気自動車の企業などは、各国政府も政策的なバックアップをするから好調になっている。電気自動車のテスラもそう。一方、自動車メーカー、鉄鋼分野の企業は厳しい。
安価な化石燃料で経済を回している途上国はどんどん貧乏になるし、飢餓もふえるだろう。
●SDGsを叫べば「なんでもアリの」モラルハザード
●ソーラーパネルで日本の土壌が「死ぬ」
SDGsが掲げる目標を目指そうとして、破滅の道を突き進んでいるのは、太陽発電である。
日本の状況:農地に続々とソーラーパネル。山林を削る。
続々と太陽光パネルが設置されているわけだが、これはサスティナブルとは真逆だ。SDGs的な「飢餓をゼロに」や「陸の豊かさも守ろう」という目標とも真っ向から対立する。太陽光パネルの下の地面で生きてきた生物は光合成ができないで死に絶える。それを食べていた生物にも影響がでる。周辺の生態系も壊されていく。一度ソーラーパネルを設置した土地を再び農地として使うことはかなり難しい。太陽エネルギーが届かないわけだから、土壌の中にいる微生物などにも悪影響があり、農作物を育てる栄養素もなくなってしまう。その土地はいわば「死んだ」ことになる。
「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」というスローガンに本気で騙されて、ソーラーパネルだらけの国土にしてしまうと、食料自給率37%の日本では、国際的紛争で日本が食料を輸入できない状況になったら、たくさんの人が飢え死にする恐れがある。
●太陽光発電はちっともエコではない
農地や山林のソーラーパネルは環境破壊を進行させていく恐れもある。・・企業が倒産の場合、管理しないまま生態系を壊す瓦礫の山として放置される。太陽光発電が地球にやさしくCO2を減らすはインチキだ。
●水力発電の方が「環境に優しい」
地球にやさしくない風力発電・・洋上風力発電をつくるとその先の海岸・風下に風が行かなくなる・・風力発電のせいで生育が悪くなる。地球上の限りあるエネルギーを奪ってモーターを回している以上、環境破壊は出てくる。
水力発電の方がまだマシ。小規模な水力発電をたくさんつくれば地域の電力は賄う。環境負荷が少ない。
エネルギーの地産地消も進む。しかし結局は日本の電力は大手の電力会社が牛耳っているから難しい。また自治体単位の小規模水力発電は、河川を管理している国土交通省の許可が下りないだろう。
●「地球温暖化」の予想はどれも大ハズレ
「人為的地球温暖化」は説得力ゼロ。・・環境データを一部の人間が都合のいい様に切り取ってでっち上げたもの。有名なもの列挙。「環境問題の嘘 令和版・MdN出版」
1.1987年、米国NASAのハンセン・・2020年まで平均気温3℃上昇・・実際は0.5℃。
2.アル・ゴア・・2020年までにキリマンジャロの雪消滅・・今に至るまで消滅していない
3.2009年米国地質調査所ファグレ・・2020年までモンタナグレーシャーの氷河が消滅・・氷河は健在。
4.2000年イギリス気候研究ユニットヴァイナー・・2020年に英国で雪が降らない・・今でもよく降る。
「地球は、化石燃料起原のCO2の排出により温暖化している」という未来予測は、全て外れている。
インチキだということになると、メガソーラー、電気自動車、その他もろもろの商売が正当性を失い、儲けている人々や企業が困る・・だから語らない。都合の悪い話に人々の目がいかないように、新しい胡散臭いデータを引っ張り出してきて、だたCO2削減を煽っている。
●太陽・黒点の増減でも気候変動は起きる
「気候変動」のシミュミレーションがいい加減である。CO2以外の変数を入れていない。
太陽活動の影響、火山の爆発、は入らない・・インチキ。嘘の触れ回り。
●CO2が多いほうが植物の生産性は高くなる
大気中のCO2濃度が300ppmから400ppmに上がっても、人体環境にさしたる影響はない。
CO2がたくさんある方が植物の生産性が高くなる。・・悪い話ではない。光合成の専門家からすれば温暖化はむしろ好ましい。白亜時代は、CO2濃度は今の5倍、気温は10℃も高かった。白亜紀は少なくても
今と比べものにならないほど陸も海も豊かで、生物多様性も高かった。「CO2で環境が破壊される」という話は、人間がでっち上げた妄想だ。
●CO2はむしろ増やしていったほうがいい
マクロレベルでみると、大気中のCO2はどんどん減る傾向。CO2は海に入って石灰岩で固定される。数億年で地球上の大気中のCO2はなくなってしまう可能がある。
SDGsは、アメリカ、中国、ロシア、中東と比べて、天然エネルギーの資源を持たない欧州が「自らの劣勢を挽回しよう」という、エネルギー安全保障に関する戦略的な意味合いが強い。なぜ日本社会はこれほどまでにSDGsに夢中になるのか私には理解できない。
第3章・マスコミの滞在
●繰り返される「SDGs」と洗脳
日本人の場合は、「テレビ」の影響。テレビで言っていることはとりあえず賛同。日本人には「世間の目を気にしている人」がすごく多い。
●「長いものには巻かれろ」という日本人気質
「長いものには巻かれろ」という感覚が、日本人の強固な基低をなしている。国民も巻かれて賛同。
日本政府も同じ・・国際社会からヘンと言われることが怖い・・国連が掲げるSDGsにはとりあえず賛同する。マスクについての姿勢も同じ。
●SDGsキャンペーンと日本の同調力
新型コロナ禍・・フランス、イギリスは、革命や内戦で民衆が自ら自由を勝ち取った歴史的経緯があるから「命も大切だけど、自由は大切」と主張する人がかなりいる。日本は「世間の目」を気にする。
「とりあえず従っておくか」という日本人の気質が最大限に発揮されたのが太平洋戦争だと思う。「非国民」と叩かれるのが嫌だから、とりあえず従う。
●テレビ局がキャンペーンに精を出す理由
テレビ局はSDGsの検証もせずに、国連から言われたことをそのまま右から左へと流す。
日本のマスコミは政府の方針に逆らうよりも、ほかの日本企業・組織と同じく、その時々の流行に乗った方が、広告収入が増えて儲かるからだ。
もう一つの理由は、日本人はなぜか「ブルシット・ジョブ」が大好きで、マスコミもそれに加担している。ブルシット・ジョブとは2018年出版のデヴィッド・グレーバーの著書で、本人でさえ、完璧に無意味で不必要で、有害でさえあると認識しているが、組織の維持、自身の雇用を守るために、意味があるかのようにふるわざるを得ない仕事を指す。
●「スポーツ人口を増やす」のはなんのため?・・・ブルシット・ジョブ
●SDGsをビジネス化する仕組みの誕生
テレビ局はSDGsに賛同することで、国連や西側諸国と同じことを自分たちも訴えているという満足感が得られる。
SDGsを推進することで一部の人たちが大儲けできるシステムが出来上がってしまった。・・広告代理店やSDGsキャンペーンに協賛する企業からの収入。
日本社会には、一度こういうシステムが出来上がってしまうと、それを壊すことができずに、みんなで後生大事に守っていくというところがある。
●ダイオキシンの害がインチキだとわかっても・・ビジネスが出来上がってしまったから続ける。
●実は環境に優しかった「野焼き」・・野焼きの方が、本当のSDGsである。
●新聞とテレビの利益供与
日本では、一度システムや法律が出来上がってしまったものに関しては、そのあとにどれほど間違っているかやインチキかを指摘しても、なかなか覆すことができない。マスメディアも賛成に回る。
この「長いものには巻かれろ」的構造における最大の問題は、結果的に最も損をするのが国民だということだ。新型コロナも同じ。2類相当のままの方は国からいろいろカネをもらえるからだ。専門家や病院経営者が猛反対をしている。
●「システム」をひっくり返した経験がない日本人
日本では、一度できてしまったシステムは、それがどれほど不条理で非科学的でも、そして多くの人々が犠牲になっても、なかなかやめられない。・・必死に守り抜こうとする。
日本で民衆が革命で権利や自由を勝ち取ったことは歴史上一度もない。明治維新は一部の武士、戦後の民主主義は太平洋戦争でGHQの指示に従った結果。日本人にとって、全ての出来事は「自然現象」なのである。SDGsに載せられるのは、こういう日本人の気質が起因しているはずだ。
●ロクなことを言わない「専門家」たち
番組をクビになるから。
●難しい事実よりも「単純な話」が受け入れられる
「専門家がロクな意見を言わない」と感じるのは、非常に単純な多数派見解を話す専門家が多いことだ。CO2が増えるのはとにかく悪いことだという図式しか頭にない・・これでは科学ではなくて宗教みたいになってくる。
科学的な視点から言えば、温暖化ガスは水蒸気もかなり重要だ。火山活動も影響する。
●「エコ意識の高さ=知識人の証」という幻想
アメリカ・・リベラル層は環境問題に意識が高い・・バイデン
共和党員は「地球温暖化はインチキ」。トランプはパリ協定から脱退。
第4章・ニッポンの里山の秘密
●日本の最善策は「余計なことは何もしない」ことだ
●真の意味でのサスティナビリティとは
日本の「水田」ほど、サスティナビリティなものはない。
●メソポタミア文明を滅ぼした「塩害」
灌漑農業、森林伐採・・塩害の進行をさらに早めた。
●サスティナブルだった日本の稲作栽培
日本の農業は「稲作栽培」。山の沢から水・・田圃・・流れる。同じ土地で農業する。
●本当はスゴイ、日本の里山
SDGs先進国の日本が、「どうやって日本人が持続可能な社会をつくっていけるか」を必死に考えた結果。
持続可能な農業をやっていく・・日本のサスティナブルな社会とは、「限られた土地と資源のなかで、どうやったら最も効率的に自給自足できるか」ということを突き詰めた結果誕生したもの。・・「里山」である。
●里山は自然ではなく「人為的につくられたもの」
人為的につくられたサスティナビリティの高い環境が里山である。・・その地で自給自足するための先人たちの知恵の結晶。・・人間の手入れが行き届いたもの。
●持続可能性はどうやって機能していたか
永幡嘉之氏・「フォト・レポート 里山危機」岩波ブックレット」がおすすめ。
極めて合理的に、そして人為的に環境というものが管理されていたのが、里山の真の姿。
●里山の自然は「自給自足を突き詰めた結果」
水田、水路、溜め池、人家のまわりの薪炭林、人工林(クリ林)、草原(牛の食料を確保)、干し草、草原のススキ、養蚕用のクワ畑、果樹園、茶畑、カブや野菜畑。自給自足で生き延びるための装置がすべてそろっていたのが里山だ。
里山の自然は、そこで暮らす人々が効率的に自給自足をしていくために整備・管理された結果、生じたものであって、現代的な「自然保護」とはなんら関係がない。
●里山を呑み込んだ効率化の波
里山は「自然環境」よりも「効率」重視。・・「そこで生きる人間の数の上限が決められていた」
家を継ぐのは長男。その他の兄弟は家を出て暮らす。・・里山のエネルギーや食料というのは上限が決まっていたから。・・里山を持続させるために住民の人数を抑制していた。「口減らし」。行き先のない人は江戸に行く。・・江戸は里山の人口の調整弁みたいなもの。現在は崩壊した。
●巨大都市・江戸にみられた驚異的なサスティナビリティ
里山崩壊は、「エネルギー革命による効率化」によるところが大きい。電気・ガスの普及、薪炭林不要、農耕器具の普及で牛不必要、草原も不要。
「エネルギー革命による効率化によって、それまでのSDGsが崩壊してしまう」
●下肥で農作物を育てるという最先端のSDGs
江戸は当時、世界的にみても、桁外れに先進的でサスティナブルな都市だった。
人間の糞尿を肥料として活用した・・同時代のヨーロッパには存在しない。「肥溜め」。
糞尿を発酵させるとかなり良質な窒素肥料になることを祖先は知っていた。「下肥」エコサイクル。
下肥を江戸の周りの農地に回した。・・一大産業。
今の日本は、糞尿は下水に流して終わりで、かなりもったいない。
下肥の日本式SDGsも戦後消えた・・化学肥料の誕生。
●江戸の町がきわめて清潔だった理由
下肥のおかげで江戸は「清潔さ」を維持した。ヨーロッパは道路に捨てた・・ハイヒール誕生。江戸は雪駄という、ペタンとした草履で生活していた。道路に糞尿が落ちていなかったからだ。
江戸は上水道も整備。神田上水、玉川上水、本所上水、青山上水、三田上水、千川上水の「江戸の六上水」が建設。その他「水売り」もいた。
●栄養豊富な漁港だった江戸前の海
江戸はSDGsを実践していた。・・「江戸前の海」。東京湾の漁場。海へ流れるごみは富栄養となる。
江戸は、規模は異なるが里山と同じような「効率的な自給自足」のシステムが、均衡を保って成立していた。日本ができた原因は「江戸の人々が肉食ではなかった」から。
●江戸と里山をSDGsにした最大の要因
江戸の人々は、牛、鶏、豚を食わない。当時の日本人は米と野菜食がメイン。タンパク質は魚から。
淡水魚、海の魚の干し物。日本特有のSDGsな食生活。
肉食はサスティナビリティという観点から着目すると問題が山ほど起きる。穀物・牧草地・・自然環境の破壊につながる。
●狂いだした生態系の行方
サスティナブルな社会実現をできるか否かは、「CO2を出さない」という問題よりも「肉食かどうか」ということが重要なのだ。
SDGs目標の「飢餓をゼロに」は生物多様性を損なうことになるという結末を招く。・・農業の大規模化、殺虫剤、農作物の品質改良、遺伝子組み換え作物により。「陸の豊かさを守ろう」からも乖離する。殺虫剤のネオニコチノイドはかなり問題。他にフィプロニルも問題。
●日本から「赤トンボ」を激減させた農薬の恐怖
フィプロニルで赤トンボが激減。EUではこれらの農薬は使用禁止だが、日本ではまだ普通に使える。
●遺伝子組み換え作物は地球にも人間にも優しい
農業の効率化と環境への優しさの観点で、遺伝子組み換え作物(GMO)がある。
遺伝子を操作してその作物を食べた虫だけ死ぬGMOをつくる。人体への影響はない。人間にも自然環境にも一番優しいのがGMOだ。
「培養肉」の開発もある。
●世界の食料問題を解決する「培養肉」の可能性
培養肉の強みは「牛を殺さない」ということだ。
食料の問題は科学技術である程度まで解決できたとしてもエネルギーは難題だ。
■日本の場合はエネルギーの確保は非常に悩ましい。
■原発の稼働はメリットよりもデメリットがはるかに大きい。
■太陽光発電は、太陽光パネルを敷き詰めることで日本の農地や山林を破壊して食料自給力をさらに悪化させてしまう。
■海中や稜線の風力発電にしても、結局は風下の生態系に悪影響を及ぼすので、そんなに大量に設置できるものではない。
■本来、最も日本に向いているのが、石炭による火力発電だ。日本にはCO2の排出量を従来よりも抑える高性能な火力発電施設をつくれる独自の技術をもっているが、西側諸国の脱炭素キャンペーンによって完全に「宝の持ち腐れ」状態になっている。
●日本向きなのは地熱発電と「エネルギーの地産地消」
一番は地熱発電。地熱発電をメインに据えて各地域でエネルギーの地産地消を進めていくのが理想的な姿だと思う。
小規模な水力発電や風力発電などの施設をたくさんつくって、エネルギーをその周辺だけで消費すれば、それほど環境にも影響がない。
地域ごとの、特色ある小規模発電と、地熱発電や火力発電を組み合わせていけば、原発などに頼ることなくエネルギーを安定的に供給できる。
●日本が目指すべきSDGsとは
地熱発電とエネルギーの地産地消。日本流のSDGsに再び目覚めてほしい。
おわりに
●「ウクライナ支援は正義」という危険な兆候
西側諸国メディアの「ウクライナ=善」「ロシア=悪」という単純な二元論で情報を捉えるムードはけっこう危険な兆候だ。
ウクライナを全面的に支援することが「絶対的な正義」なのかというと、それは全く別の話だ。
「善意で敷き詰められた道」ができたときこそ、注意しなくてはいけない。
善意から始まったが、いつの間にか戦闘の拡大という地獄へとつながってしまう。
●なぜ「正義」に酔いしれてしまうのか
ウクライナ支援という「善意」を全面的に信じ込み、そこにのめりこんでいくことで「地獄への道」に足を踏み入れてしまうというのは、日本という国にも当てはまることだ。日本政府は「防衛装備移転三原則」によって殺傷力のある武器を他国に提供することを禁じている。しかし、もし西側諸国のムードに引きずられれば、なし崩し的に武器の輸出や輸入のハードルが下がっていく可能性がある。そうなればお次はという話になる。
日本が軍事力を増強すれば、当然、周辺国との緊張が高まる。何かのきっかけで武力衝突が起きるリスクが大きくなるのだ。そんなことになったら、損をするのは国民だ。多くの死者、海上輸送ストップ、エネルギーや食料価格暴騰、国民の生活はメチャクチャになる。
ウクライナ支援という「正義」に酔いしれることの危険性についてさまざまな専門家が指摘しているが、それを受け入れる日本人は多くはいない。自らが信じる正義に浸るのは。それが「気持ちがいいこと」だからだ。
●報酬系から考えるSDGs問題の本質
報酬系の機能は依存症になりやすい。いわば「感謝される快感」の溺れてしまった状態だ。
人々が正義に酔いしれるのは「気持ちがいいことだから」ということを理解すれば、SDGsの問題の本質もみえてくるはずだ。
●「いいことをして気持ちがいい」という快感に騙されるな
国連が、持続可能な開発目標として17のゴールを掲げてからというもの、世界ではSDGsを推進することこそが正しいとされ、政府も企業もこれに従うのが当たり前だという「正義の風」が吹き荒れている。
賛同するだけでも「いいことをした」と、また報酬系が働く。そんなことを続けるうちに、どんどん「SDGs中毒」に陥るのだ。SDGsは世界にとっても日本にとっても「地獄への一本道」である。
一日も早く「SDGsの快楽」を断ち切って、正気にもどってもらいたい。・・2022年6月 池田清彦
☆
「朝鮮半島終焉の舞台裏」 高橋洋一著
2022/12月 2018/03/09読了
●日本の周辺国の軍事バランス・・長期的に不安定・・軍事バランスが大きく崩れる
●尖閣の日本の実効支配は難しい・・中国は「核心的利益」と表現して本気で取りに来る。
●竹島・・韓国の方が日本より相対的に軍事力が増すので、国際社会に訴えなければ勝ち目はない
●北方4島の復帰も軍事的に望みは薄い。
2022年、北朝鮮と中国の日本への挑発と威嚇が活発化しています。
2018年に読了したこの本の、高橋氏の安全保障の考え方と指摘は、今の状況にも十分対応できるような内容で、非常に勉強なりました。
要約は「近現代史記事紹介」にも掲載しています。
朝鮮半島終焉の舞台裏 高橋洋一著 要約
■初めに
●極東アジアには非民主国家が多い
中国とベトナムの争い、中国と北朝鮮、・・中国は北朝鮮の保護国は間違っている。
●民主国家と自由貿易することが長期的な安全保障に繋がる。・・軍事同盟
●インド太平洋自由貿易圏・・日本・アメリカ・オーストラリア・インド + ロシア
●オバマ時代の世界の不安定化・・
北朝鮮の核・ミサイル挑発、ロシアのクルミア・シリア介入、中国の南シナ海勢力拡張
●国の安全保障は、最も粗暴な国と同盟関係を結ぶことで、戦争確立を減らす・・アメリカ
■第一章・爆発寸前の朝鮮半島
第一節・米朝戦争、これだけの根拠
●米朝戦争のカウントダウンは始まっている・・
国連の北朝鮮経済制裁は抜け穴を作り武力行使にならない仕組みだ。
衝突の死者は10万人。・・メディア規制で国民に知らせない・・伏せている
第二節・「ポスト金正恩体制」をにらむ国際社会
●表向きはアメリカの単独攻撃はない・・多国籍軍の形とる。
●日本、韓国の同盟国を危機にさらしてまで攻撃に踏み切るか・・イエス・・アメリカはそういう国だ。
●最狂の国アメリカ・・でっち上げ口実の戦争・・
●北朝鮮版ヤルタ会談は?・・いずれ開かれる。・・日本は参加か??
1945年2月のヤルタ会談・・アメリカ・イギリス・ソ連・・第二次世界大戦の戦後処理を話し合った。
戦後のドイツ処理、東欧問題、国際連合の創設、ソ連の対日参戦も決まる。
見返り・・日露戦争で日本に割譲した南樺太と千島列島を獲得・・日ソ中立条約を破る半年前。
第三節・ミサイル開発の現在地
●アメリカ38ノースの北朝鮮分析・・東京、ソウルで最大210万人、770万人が負傷の恐れ。
●小型化は既に成功・・ICBMは、2018年後にはハードルを越える見方
●開発・・ソ連が教え・・中国が加った。・・基本設計と誘導システム・・エンジンはウクライナ・ロシア
第四節・冷え切った中朝関係
●一度も顔を合わせたことのない習近平と金正恩
朝鮮戦争では北朝鮮に人民志願軍を派遣、・・以来、北と中国は軍事同盟
朝鮮半島は中国本土の安全保障のための重要な国 ・・対アメリカ、日本
●中国・・計算外だった足元の危機
革新的利益ライン・・国家主権と領土保全・国家の基本制度と安全の維持・経済社会の維持で安定発展
領土保全・・台湾問題・チベット独立問題・東トルキスタン独立問題・南シナ海問題・尖閣諸島問題
第五節・中国が描く覇権のシナリオ
●中国の覇権のシナリオ・・トランプのプレッシャー・・中立を保つ。
残された選択肢・・北朝鮮攻撃を承認する・・北朝鮮の統治は中国・・中国の傀儡政権として存続。バーターは南シナ海問題の取引
■第二章・半島をめぐる周辺国のお家事情
第一節・中国の野望
●中国の野望・・地政学と経済状態の観点で
①海への進出・・軍事技術の発展・・陸は安定した・・朝鮮、ソ連、ベトナム
南シナ海を支配して太平洋に原子力潜水艦を配備する・・・習政権の「海洋強国」は本気
南シナ海での領地奪取
●太平洋を米中で二分する
●中国の歴史
①最後の王朝清朝1636~1912・・漢民族の明に変わって満州人を中心の清
②朝鮮・琉球・台湾・ベトナム・タイ・ミャンマー・ネパール・チベット・モンゴルまで
③ヨーロッパとの交流で経済的に発展し、中国の全盛期
④その後、西欧列強や日本に半植民地化され、領土を奪われたが、第二次世界大戦後に中華人民共和国という共産主義国家として生まれ変わった。
⑤21世紀に「改革開放」で経済力を高め、大国になった。・・海洋国家で世界覇権
米中両国でアジア太平洋地域の共同支配をアメリカに提案
⑥朝鮮半島は自国の勢力範囲・・朝鮮半島確保は、代々中国の国家戦略
第二節・中国経済成長の限界
●共産党の事務所が会社にあるようなもの
①2017年、大企業に、党組織を社内に設置
②合弁事業は避け、輸出中心にした方が良い
③「中所得国の罠」・・中進国の罠・・簡単な事ではない・・「一帯一路構想」
④中国が一党独裁体制を止めない限り罠を破るのは無理
⑤国際金融のトリレンマ・・自由な資本移動・独立した金融政策・固定相場制の三つ同時に成立しない。中国は自由な資本移動を禁止しているから固定相場制採用・・金融政策の効力を削ぐ。
⑥理論的に資本・投資の自由化が無いと持続的な経済発展は望めない
第三節・半島に手を出す余裕がないロシア
●「領土拡張の」の遺伝子
①国家財政の悪化・クルミア半島の併合・シリアへの軍事介入・・極東への関心が薄れた
②もともと領土拡張の遺伝子。19世紀半ばから不凍港をもとめて南下策を続けた。
③18世後半・・オスマン帝国と戦争(ロシア・トルコ戦争)でクルミア半島などの領土獲得。
④19世紀・・地中海進出で、クルミア戦争・・敗北で黒海から地中海への南下政策は挫折
⑤西方の南下政策が阻まれた後、東アジア南下・・日露戦争・・満州、朝鮮への進出姿勢・日英同盟。敗北で断念・・ロシア革命を経て・・第二次大戦の戦勝国として地位確保・・
⑥1979年のアフガン侵攻から鳴りを潜めている。
⑦1991年のソ連崩壊後、15の共和国は分裂・独立し、NATOとEU に加わる。西側に取られた。
⑧クルミアを領土としていたウクライナは西側との重要な緩衝地帯。北朝鮮のアメリカと同じ。2014年ウクライナに西寄りの暫定政権成立で、クリミア併合を選んだ。・・アメリカやEUは資産凍結・金融取引制限・経済制裁課す。防衛一辺倒のロシア・衰退しつつある
⑨2015年アサド政権を支援・・シリア内戦へ介入・・ロシアの海軍基地がある。アサド政権が崩壊すると中東への影響力を失う。・・大国の地位保つ為
⓾黒海、中東方面での勢力維持にかかりっきりで朝鮮半島まで手が回らない。
⑪先行き暗いロシア経済・・2016年のGDPは12位。韓国は11位。
⑫天然エネルギー頼みの経済・・原油価格・・進まない構造改革
⑬しかしに日本にとっても、ロシアとの関係は重要だ。ポスト金正恩を見据えた時。
第四節・米中二股の宿命にある韓国
●悲運の民族
①朝鮮半島は地政学的に微妙な位置
②古くから中国の属国。近代ではロシアに狙われ。太平洋戦争前に日本に併合され。
第二次大戦後はアメリカとソ連に南北に分断され。・・侵略を受け続ける悲運な民族。
1945年二次大戦後、南はアメリカ、北はソ連に占領された。
③1948年、南は韓国、北は北朝鮮、として独立。1950年南北統一をめぐり朝鮮戦争。
④アメリカを主体とする国連軍、中国は国境防衛のため人民志願兵を派遣。・・米中戦争
1953年7月、38度線で休戦協定。その後、12人の大統領。
⑤文政権・・戦時作戦統制権の早期返還。・・アメリカに頼らない自国防衛目指す。
⑥文大統領は民族主義者。
第五節・赤信号の韓国経済
①中国への輸出が経済の生命線
②赤信号の韓国経済・・中国輸出が減速・・
③THAADショック・・経済悪化。
④アメリカを立てれば、中国立たず・・韓国経済の内憂
②文政権では浮上しない韓国経済。
■第三章・米朝チキンレースの結末
第一節・予想される攻撃シナリオ
●予想される攻撃のシナリオ・・アメリカは国連の論議を踏んでから・・北朝鮮の先制は米の思うツボ
●軍事行動に備え、軍を移動させる ●事前協議は限られたもの・・中国・ロシア
●攻撃前の韓国の同意は不可欠 ●先制の後、大規模攻撃。 ●韓国軍は米軍下で配置。
●市民を巻き込む。 ●米韓地上軍の攻撃。
第二節・金正恩の最終ゴール
●金正恩の正体・・なぜこれほどまでに核にこだわるのか。
●核を持たない国の運命・・
①アメリカの軍事介入の歴史・・1960年代ベトナム戦争・1970年代カンボジア侵攻とラオス内戦・1980年代ニカラグア侵攻、グレナダ侵攻、パナマ侵攻・1990年代湾岸戦争・2000年代アフガニスタン紛争、イラク戦争。・・すべての国が核兵器を持っていない・・核を持てば、米軍は半島を去る。
②核はコスパがいい。軍隊:韓国60万人・日本24万人・中国228万人・北朝鮮・120万人。
③最終ゴールは半島統一。朝鮮半島を終了させて王朝存続がゴール。
④吸収合併・・きっかけは戦争・・軍事強国になって韓国をひれ伏させ統一。どっちが併合するか?
●北朝鮮はアメリカとの平和条約締結を望んでいた
①1950年に始まった朝鮮戦争は1953年に「休戦協定」に署名。休戦協定に沿い中国は撤退、アメリカは韓国と「米韓相互防衛条約」を結び、韓国に米軍を駐留。・・北朝鮮は「休戦協定違反」と主張
②北朝鮮は休戦ではなく、攻撃されない保証、米韓と世界による国家承認を望んでいた。
③統一実現のためにも、アメリカとの平和条約は必要。
④部分的には正しい「核容認論」・・ボタンは中国が握る。核シェアリング。
第三節・異端国家の生き残り戦略
●約束破りの常習犯・・「米朝枠組み合意」「六か国協議」の約束破り
●「制裁に抜け穴」は想定内
■第四章・専守防衛国・日本にできること
第一節・日本の防衛システムは万全か
●考えるべきは交渉の余地ではなく有事の対応
●日本向けのノドンは200発・・最大50発くる。
第二節・自衛隊は何をするのか
●2015年安保法制の意義・・自衛権の行使。・・自国への攻撃の恐れ時の後方支援
●「存立危機事態」と認定・・集団的自衛権の行使・・武力行使可能。
●グアム弾道ミサイル発射時・・存立危機事態認定。
●難民処理・・沿岸部の監視強化・・重要施設の警備強化
●戦費負担は兆円単位。韓国・北朝鮮が統一すれば、統一費は1兆ドル。
第三節・核シェアリングで対抗しろ
●アメリカで活発な日本核武装論。
●現在のNPT(核兵器不拡散条約):核保有国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5カ国の国連理事国・・韓国世論は核保有指示の声が高い。
●潜在的核保有国という抑止力・・疑問:だから原発やめられない??
●NATOで成功している核シェアリング
NATOで成功・・核シェアリング・・保有国が保有しない国に軍事基地に持ち込み共同運用。
アメリカが、ベルギー・ドイツ・イタリア・オランダ・トルコに提供・・戦術核兵器が持ち込まれている
ICBMはなし・・使用決定は核保有国アメリカ。・・日本の非核三原則に反する。
●日本・・非核三原則見直し必要・・持ち込ませずを改定する。
●核シェアリングはNPTの抜け穴とも批判されている。
●石破氏の非核三原則の見直し論。・・核シェアリングや核弾頭を積んだ米潜水艦の寄港などを挙げる。
■第五章・日本が進むべき道
第一節・盤石の体制を手に入れた習近平
●警戒すべきは中国・・盤石の体制手に入れた。・・目指す海洋国家
●東シナ海の尖閣列島、南シナ海領有権争い・・アメリカとの間でアジア太平洋の覇権争い始まる。
●中国はアメリカと肩を並べる世界の二大覇権国家になる。
●共産党創設から100年の2021年までに・・小康社会(ややゆとりある社)を実現する。
●建国100年の2049年・・「社会主義の現代化した国家」を目指す。
1840年のアヘン戦争から列強に半植民地化された・・それ以前の大国の地位を取り戻すこと。
●中国共産党革命100年の2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取する。・・「100年マラソン」。
●野望の中国は「戦争を起こしやすい国」。
●ラセールとオニールの「平和の五要件」によると、結果、中国は日本と戦争を起こしやすい国になる。
●「民主主義国家同士は、まれにしか戦争しない」ことを実証したラッセルとオニールによれば、
①同盟関係 ②相対的軍事力・・軍事力の均衡 ③民主主義 ④経済的依存関係 ⑤国際的組織加入を、平和のための五条件としている。
●中国は危険な国・・情報非公開・偽造の経済データ
●中国の核戦力はかなりのものだ。
核弾道ミサイル・・大陸間ICBM52基・中距離IRBM160基・潜水艦発射SLBM48基
●中国は「先制体制」・・民主度マイナス7・・日本・アメリカ・オーストラリアはプラス10
●尖閣問題への対応
①尖閣列島は、日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らか
②1895年の尖閣諸島の日本領への編入から1970年代に至るまで申し立てなし
③1968年に、国際アジア極東経済委員会(ECAFE)の東シナ海海域一帯の海洋調査で、石油・ガス田の可能性が分かってから主張し始めた。初めは台湾で、中国が追随した。
●漁民に扮した中国民兵・・2018年3月、漁民は軍管轄になった・・ニュース
武力行使ができる自衛隊が「防衛出動」するのが本来の姿。
●尖閣列島には日本が米軍地位協定に基づいて施設提供している米海軍用の射爆撃場が2か所ある。
ここを米軍に使ってもらう方法はある。・・日米同盟に頼りながら対応がベスト。
第二節・アジア版NATOによる安全保障体制
●アジア版NATOによる安全保障体制必要・・集団安全保障体制
●アジア地域で、アメリカを中心に二国間同盟を束ねた状態。
①日米安全保障条約 ②米韓相互防衛条約 ③米比相互防衛条約 ④太平洋安全保障条約:オーストラリア ⑤台湾防衛義務の台湾関係法・・「ハブ・アンド・スポーク」と呼んでいる。
●集団安全保障体制は経済に悪影響を及ぼさない
①アメリカと安全保障条約を結び憲法に不戦条項を持つ国は、韓国・フィリピン・ドイツ・イタリアの4カ国。
②この4カ国のうち、徴兵制維持は、韓国とフィリピン。NATOの集団安全保障体制に入っているドイツ・イタリアは徴兵制を現在採用していない。
●1954年東南アジア条約機構(SEATO):アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・フィリピン・タイ・パキスタン・フランス・イギリスの8カ国。1977年に解散。
●1951年、太平洋安全保障条約(ANZUS):アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドの3カ国。
●共通の敵中国で、集団安全保障体制構築の道ある。
●中国に対抗する概念は「自由貿易」
●アジア版NATO構築には、ロシアと平和条約を締結した方がよい。
●セキュリティダイアモンド構想・・安倍首相2012年発表。
日本・アメリカ・オーストラリア・インド + ロシア・・
●2017年、トランプ大統領、安倍首相、ターンブル豪首相、モディ首相で4カ国の話し合い。
トランプ大統領、安倍首相の日米両国は、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を掲げた。
●TPP11は構想実現の第一歩
●今や北朝鮮は、中国の海洋進出を邪魔する存在でしかない。
●1994年、2003年に次いで第3次ともいえる今回の朝鮮半島における核危機は、中国の海洋進出という過去になかった新しい要因が絡んでいる。
■終わりに
●日本の周辺国の軍事バランス・・長期的に不安定・・軍事バランスが大きく崩れる
●尖閣の日本の実効支配は難しい・・中国は「核心的利益」と表現して本気で取りに来る。
●竹島・・韓国の方が日本より相対的に軍事力が増すので、国際社会に訴えなければ勝ち目はない
●北方4島の復帰も軍事的に望みは薄い。
●尖閣は、日本はアメリカの軍事力を借りなければ分が悪い。今のところ、アメリカは、日本が実効支配する尖閣諸島(沖縄県石垣島)について、アメリカの日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が適用されるという立場だが、今後のことは誰にも断言できない。
●ちなみに、日本の立川の横田基地には朝鮮半島の国連軍の後方司令部があり、常勤の要員もいる。
日章旗、星条旗の他、国連旗が常時掲揚されている。
●板門店や日本の横田基地は、現在でも朝鮮戦争が戦時国際法上「休戦」中(戦争継続中)であることを明快に示し、いつでも「休戦」が解かれる可能性がある。日本の近くには、「有事」の種がたくさんあるのだ。
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「いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人」 ケント・ギルバート著
2022/11月 2018/06/23読了
英霊、靖国神社、旭日旗、憲法改正、自主防衛、集団的自衛権・・・
これらを議論したり再評価すると、日本が危険に晒されるのですか?アメリカ人から見た、戦後日本の歴史戦の問題点を語っています。
外国人ならではの視点で、非常に勉強になる本でした。
要約は「近現代史記事紹介」にも掲載しています。
いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人 ケント・ギルバート著 要約
■まえがき
●日本人の多くは保守政権を支持しながらも、自由主義と民主主義の解体をもくろむ社会党、共産党に対して、それほど警戒心を持たなくなった。その主な原因は、戦後のGHQのWGIPの効果。
●日本人に、自虐史観と東京裁判史観を効率良く刷り込んだ。結果、左翼文士、大手メディア、教育界、法曹界を通じて、日本人全般を洗脳し弱体化させた。伝統的で保守的な価値観の破壊活動を続けてきた。
●キーワードを見ただけで思考停止、拒絶反応、それが洗脳というもの。
●報じられるニュースはどれも同じ。政策的プロパガンダに乗せられやすい。
●日本人の弱点は、権威ある職業や組織(学者・医師・弁護士・大企業・大手マスコミ)から発せられる情報であれば、ほとんど疑うことなく、信じる傾向にある。
●「お上」に逆らわない、「長いものには巻かれろ」、の感覚。
●日本社会にはびこった左翼、共産主義、反日左翼思想が、伝統的な精神や文化的価値観を破壊してきた。
第一章・日本人は共産主義、反日左翼に対して甘すぎる
■なぜ共産党が議席を増やすのか?
●アメリカでは共産党の存在が連邦法で禁止。危険な党
●日本の左翼は疑義ばかり、対案なしの壊し屋。共産主義は悪魔の思想。ソ連と中国だけでも1億人近い人々が殺害された。これは完全な外来思想。
■WGIPと日本国憲法の目的は、「共産革命」の実現
●GHQが残した負の遺産を左翼が利用し洗脳してきた。
●GHQの占領が終わった後も左翼思想を蔓延させたのはメディアの大罪。占領時代の報道禁止。
●WGPIの実施者は共産党と同根。共産党が狙っていた国体の破壊、皇室と国民性の破壊と、完全に一致していた。革命の下準備。
■「先の大戦に反対」ではなく、「連合国軍に協力」
●日本国憲法を使った二段階革命論を推進したのは、CIAの前身OSS(戦略情報局)にいたアメリカ人共産主義者。
●アメリカ人共産主義者に協力した野坂参三らの日本共産主義者たち。
●共産主義者らによる日本破壊計画は、日本の敗戦よりもはるか前から画策されていた。
●日本共産党は、敵である連合国軍に協力していた。
■日本を戦争に追い込んだアメリカ共産党
●日本を戦争に追い込んだルーズベルト大統領と、ソ連のスパイであった取り巻き連中。
●レーニンは1920年の段階で「世界共産化」を進めるため、アメリカを利用して日本に対抗し、日米両国の対立を煽るべきだ」と主張していた。
●アメリカ共産党は、根っこはソ連のコミュンテルン。
■「疑心暗鬼」「流血」「死」に覆われた歴史
●日本人が忘れている、日本共産党はもともとソ連コミュンテルンの日本支部。
宮本顕治はリンチ・スパイ・拷問・密告で服役。政治犯釈放。日本は破防法適用。
■敵の出方によって「暴力革命」もあり
●公安調査庁は2016年、日本共産党を破壊活動防止法の調査対象として閣議決定。
●平和主義、平和憲法、という言葉が、判断力を奪っている。国民の思考停止。
■影響力のある「サヨク芸能人・文化人」の罪深さ
●吉永小百合氏は、武器を持たないことが積極的平和主義だと発言。
鍵を賭けなければ泥棒は入らないと言っているのと同じ。通報・抵抗・助けが必要。自宅の鍵は自衛隊、抵抗は個別的自衛権。助けは集団的自営権。
●武器を捨てれば、即沖縄に中国軍進出する。ウイグル、チベット、内モンゴルの人民解放軍の暴虐。
●吉永小百合さんや、瀬戸内寂聴さんは、共産党の宣伝塔のようになっている。
■ホリエモンの戦争はコストに合わないは、視野狭窄
●今の戦争は、資源権益、武器取引ビジネス、金融派遣など、あらゆる要素がかかわてくる。
●日中戦争の開始は利益を上げる
資源提供者、破壊装置供給者、医療提供者、復興大規模建設で、利益がころがる。
相手国が、政治的、経済的、金融的な優位を日本に対して確立できれば、お構いなしに開始される。
これは大東亜戦争から最近のイラク戦争まで、続いてきた戦争の原則です。
●日本人悪美徳と価値観の破壊に邁進してきた瀬戸内さんのような戦後左翼が、堀江氏のような国家観を持たない日本人を大量生産した。
■感情的で想像力が欠如している表現者たちの「言論」
●ピースボードは、民進党の辻元清美議員が設立。井筒和幸も平和教のような発言。彼らは「憲法九条があるから日本は平和」と言い続けている。
●やくみつる氏の発言。「絶対戦わない!もう降参してでも中国領で日本は生き続けることをよしとする。
■「フェミナチ」上野千鶴子東大名誉教授のトンデモ度
●共産主義者の筋金入りの困った人、上野千鶴子東大名誉教授。その言動は、「軍隊で人殺しや暴力を学ぶから、男どもは女性を殺害するのだ」と言っているようなもの。
■民進党は脳死状態に陥っている
●公安調査庁の監視対象の共産党と今では完全に徒党を組んでいる。共産党は乗っ取ることを得意とする政党。これまで、労働組合、日弁連、反原発運動、他運動団体が共産党に乗っ取られてきた。
■そろそろ共産主義にNOを突き付けよう
●戦前から今日までのコミュンテルンや日米の共産党の動きと変わらぬ体質を眺めたうえで、共産主義者が数多くいたOSSやGHQと、彼らがつくった日本国憲法、東京裁判史観、それにWGIPなどとの関係をつぶさに見ると、そのあまりの滑稽さと残虐性に戦慄を覚えます。
●大いなる危惧は、日本人の共産党に対する危機意識のなさです。
第二章・なぜ日本はスパイ天国なのか?
■日本政府の秘密情報は戦前から筒抜けだった。
■日本軍司令部にいた「アメリカ軍のスパイたち」。
●アメリカのスパイ報告書には「南京大虐殺」はない。
●日本にはスパイ防止法がない。
■日本政府内に入り込むPRC(中華人民共和国)のスパイ
●大本営参謀瀬島隆三氏。戦後伊藤忠に入社。コミンテルンの対日工作活動。
●日本政府内に入り込む中国のスパイ。領事館、自衛隊、防衛学校・・帰化人5万人?と推定。
●丹羽宇一郎元中国大使の仰天発言。元伊藤忠会長。日本は中国の属国として生きればよい。
●北朝鮮のスパイ活動も続いている。・・民間団体・国立大大学院・・原子力技術の流出。
●なぜ日本は脇が甘いのか。・・島国という地形と、今まで異民族による過酷な支配がない・・平和ボケ。
●直ちに「スパイ防止法」の制定を。スパイ防止法は国家の存立にかかわる重要な法律
第三章・放送法を遵守しないメディア人の大罪
■日本の報道番組が「娯楽化している」
●アメリカの報道番組は、基本的にはキャスターが伝えるが、日本ではアイドル・タレント・学者、がコメントする。
●「慰安婦強制連行誤報問題」の朝日新聞、「南京百人切事件報道」の毎日新聞。
●テレビの存在自体が問題なのだ。
●メディアの最大の役割は、事実は事実として、色は付けない。判断に必要な材料を公平に提供。
■凄まじい偏向報道を垂れ流すTBS
●偏向報道のTBS。岸井成格氏・・政治主張を繰りかえす・・放送法四条に違反している
●放送法第四条にある「政治的に公平であること」や「意見対立問題は多くの角度の論点を明らかにすること」という趣旨に完全に違反している。
■私たちは「情報をフェアに出せ」と言っているだけ
●メディアはフェアに行動しなくてもよいと思っている。・・古館伊知郎氏もしかり。
●情報はフェアに出せと高須克弥氏が主張。ジャーナリストの西村幸祐評価。辛坊治郎氏評価。
●反対意見をマスコミは報道しない・・国民を誘導・・偏向報道。
■反対意見を黙殺する「権力に酔った人々」
●意見が違う人たちの声を黙殺するというプロパガンダ。
■マスコミが全体主義を醸成している
●辛坊治郎氏・・「民主党政権時代の言論弾圧が一番厳しかった」と述べている。
●日本のマスコミ報道が、共同通信の記事がそのまま右から左に流している。情報ルートが一か所しかないということは非常に危険です。結果情報統制と同じ効果をもたらす。マスコミは全体主義を形成する。
■「安保法案自体が国民の理解を得ていない」という欺瞞
●国民が選んだ議会で採決。
安保法案がなぜ必要かを開設する番組はほとんどない。・・偏向マスコミの責任
●産経新聞、読売新聞・・そのなかでもまとも
■やはり野坂参三の洗脳工作手法を継承していたメディア政策
●2015年英国公文書・・日系二世でアメリカ共産党員であった有吉幸治・・終戦FBIに逮捕。
■NHKは検証番組「『真相はかうだ』の真相」を制作すべし
●GHQが台本を書き、NHKが流した、【真相はかうだ】の内実をすべて検証してほしい。
●まともなメディア人であれば、自分たちがまだ71年前の占領軍に思想支配されているということに気がつくはず。NHKがながしたメディア活動が戦後日本人に多大な影響を与えたことは事実。
■テレビ業界を本気で監視せよ
●メディアを監視する機関がない・・ありえない
■「国境なき記者団」なんて信用ならない。
●反日組織、国際連合と連携・・ジャパンタイムズ・反日プロパガンダ
第四章・外国や国際機関からの内政干渉を排す
■オバマ大統領の広島訪問に難癖をつけた韓国人の民度
●「自分たちがいつも最大の被害者でありたい」というタチの悪い韓国の反応。
■日本人は「謝罪病」で多くの国益を失ってきた
●謝罪病の克服は、「日本人の民族的課題」だ。
■「家族の価値」を否定する国連
●日本人には抵抗し難い組織、国連連合。活動はユネスコ・人権委員会・女性問題・・。
■女性の家事まで金を換算するのか
●共産主義者は国連職員、フェミニスト運動団体、人権団体などに入り込んで活動している。
●日本は、国連と団体の正体に警戒心を持つべき
■国連を使って日本政府を攻撃する日本人サヨク
●弁護士林陽子、朝日松井やより、福島瑞穂
●国連(国際連合)は誤訳・・「連合国」・・第二次世界大戦の戦勝国クラブ・・敵対勢力と化している
■敵国条項で日本を脅すPRC(中華人民共和国)
●日本政府は自衛隊を海外に派遣するかどうかを国連の決議によって決めるとしているが、これは単なる国家主権の放棄です。なぜ国連を、国際外交の一つの道具として見れないのか。
●国連は日本やドイツをまだ「潜在的敵国」として見ている。国連憲章の「敵国条項」により、軍事制裁を科すことができる。
●2012年9月27日、国連の場で、尖閣諸島問題を取り上げ、「第二次世界大戦の敗戦国が戦勝中国の領土を占領するなどもってのほかだ」として日本を非難したが、これは間違いなく、国際連合の敵国条項を意識した発言です。
■武力を使わない「情報戦」を制すべし
●71年間も国防を忘れ、遊んで暮らしてきたツケ。牙を抜いたのはGHQ、国内の共産主義者、メディア。
●中国が日本に対して戦争をしかけることは十分にあり得ると考えるべき。スイスでは「軍事力によってこそ国の独立が守られる」との意識がしみ込んでいる。またスイスは「戦争は情報戦から始まる」ということも熟知している。
●スイスは冷戦時代に「民間防衛」という本を作成し、一般家庭に配布している。
●そこに書かれている「武力を使わない情報戦争」の手順は次のとおり。
第1段階・・工作員を政府中枢に送り込む
第2段階・・宣伝工作。メディアを掌握、¥し、大衆の意識を操作する。
第3段階・・教育現場に入り込み、国民の「国家意識」を破壊する。
第4段階・・抵抗意思を徐々に破壊し、「平和」や「人類愛」をプロパガンダに利用する。
第5段階・・テレビなどの宣伝メディアを利用し、「自分で考える力」を国民から奪っていく。
最終段階・・ターゲット国の民衆が無抵抗で腑抜けになったとき、大量移民で国を乗っ取る。
第五章・日本は何を、世界に発信していけばよいか
■日本は世界トップクラスの大国
●日本の国土面積は、イギリス、ドイツ、イタリア、より大きい大国である。大国でないとすれば、リーダーや国民のメンタル面に主な原因がある。
●自国の防衛をアメリカ一国に委ねる時代は終わった。
■お世辞にも高いと言えない日本の情報発信力
●アメリカは対外情報活動を積極的に行ってきた国です。
●情報活動の専門機関が必要・・情報発信の新しい民間プロジェクト立ち上げた櫻井よしこ氏評価。
■アジア版NATOを創設し、日本がリードせよ!
●アメリカ一国ではアジア全体の平和を保ちえない。
●APTO(アジア太平洋条約機構)・・日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・フィリピン・インドネシア・ベトナム・インドまで含めて、多国間の集団安保保障体制の構築。
●政治とは、目の前の現実に対応し、将来に備えるために行われる。
●野党・憲法学者・メディアが、現政権による政治判断を、根拠なく批判し拒絶し、議論をダブー化する先進国を、見たことがない。
●「どうせ日本文化は外国人に理解できない」との、思い込みをやめる。
■「日本人弱体化計画」の犠牲者
●日本人が日本のことを知らない。教育の貧困。基礎的な教養が足りない。
■厳しい試練に直面する日本人の「平和ボケ」
●現在の日本の国防観の欠如。戦国・明治にはあった。
●平和ボケの理由は「日米安全保障条約」の存在。自国の安全保障を完全依存してしまった。今日では万能な保障ではなくなった。
●安保条約第五条をよく読むと、日本有事の際に、アメリカが自動的に参戦するとはどこにも書かれていない。
●アメリカの政治はもう既に、麻痺している。危機をアメリカ国民は共有している。アメリカは「これ以上、日本その他の国の面倒は見られないぞ」と言いかけている。日本の「巣立ち」を望んでいる。
●アメリカ軍が去った後は、必ず中国が侵略する。核・ミサイルの照準は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡などに向けられている。
●必ず双務的な集団的自衛権を行使しなければならない。中国の人民解放軍が上陸してきたら、井筒監督が言うように白旗をあげて降伏しますか。そしてやくみつる氏のアドバイスどおり、中国領日本省の奴隷として生きていきますか?
■このままでは、日本はフィリピンの二の舞になる
●在日米軍は撤退したら、中国人民解放軍が、尖閣諸島・八重山諸島・琉球諸島・九州の一部を、組織的な攻撃をしてくる。
●中国は武力で既成事実をつくることが得意です。南シナ海ではもう取り返しがつかない状況まで進んでいると思います。
●フィリピンはアメリカ軍の基地を一掃した。その直後から、人民解放軍の近海での跳梁が始まり、自国の目の前の島をあっという間に獲られてしまった。日本もフィリピンの二の舞を演じることになります。
■尖閣の闘いは既に始まっている
●2015年末から中国海警局の公船は、海軍のフリゲート艦を改造した機関砲搭載の船に替わりはじめた。
●2016年6月9日、中国軍艦が尖閣諸島周辺に侵入。一連の示威行動は「尖閣諸島は必ず武力で制圧する」という中国の意思。憲法九条で攻撃できない。
●日本政府は、中国の横暴を喧伝する広報戦略が必要。有事の国際社会を味方にする。
あとがき
●「ファクト」で物事を考える。
●情緒的思い込みはダメ。
●失った大国として自信が必要。
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日中友好侵略史 門田隆将著
2022/10月 2022/10/05読了
「先に国交正常化ありき」の”前のめり”の姿勢が、完全に中国に手玉にとられた。
「手柄」に目が眩んだ政治家によって、必要な調査や研究を怠り中国の工作によって挙で転がされた日中国交正常化。50年経った今も脅しは変わらない。
日本とアメリカを味方につけ劇的な危機的状況から脱出を図ろうとする中国の術中にはまった。
田中角栄の政治家としての「功名心」と大平正芳の「贖罪意識」が創り出した成果はやがて「日中友好絶対主義」へと発展し日本の存在すら懸念される事態へと発展することになる。
商社、ゼネコンは日本のODA(政府開発援助)を原資に中国に進出。すべて宏池会が窓口になった。中国に巨額の日本の資金が投入され、ノウハウ、技術も投入された。1978年10月鄧小平来日、中国への投資を高めるため、大企業トップ、経団連、日本商工会議所、経済同友会など訪問。新日鉄、日産、松下電器訪問。援助を申し入れる。
やがて日本経済は中国への「投資」から中国への「依存」へと形を変えていく。
2022年9月29日の日中国交正常化50周年の時に読んだこの本は、本当に勉強になった本でした。
アメリカに散々やられて属国となり、中国には50年間だまされ続け今や属国扱い、一体日本の政治家、経済界、学術界は何をしているのだろうか。
要約は「近現代史記事紹介」にも掲載しています。
日中友好侵略史 門田隆将著 要約
中国の対日工作に手をかした日本人達
廖承志 日本生まれ日本育ち11歳まで東京。1927年早稲田大学。帰国後中国共産党入党。
1952年ウイーン、共産党系「諸国民平和会議」で、西園寺公一に会う。
西園寺公一 元華族 侯爵家長男 革新系無所属参議院議員1959年北京在住
松村謙三 早稲田大学出身、自民党衆議院議員 1959年松村訪中団北京訪問。蘭の花もらう。
高碕達之助 自由民主党議員。1962年廖承志と「LT貿易」開始。貿易を行うための覚書交わす。
有吉佐和子 1961年(昭和36)日本作家協会訪中。二度訪中。1965(昭和40)年半年間中国滞在。
1966年(昭和41)創価学会池田大作会長と会談。周恩来からの招待の伝言。日中国交回復の推進。
池田大作創価学会会長 1968年(昭和43)9月8日「学生部総会」で「日中国交正常化宣言」を行う。
翌9月9日聖教新聞掲載。池田大作40歳。のちの公明党・創価学会の路線を決定づけた。
公明党 1964年(昭和39)公明党結成。
ニクソン大統領、1971年、翌年5月まで訪中することを発表。
1956年中ソ対立。ベトナム戦争停戦の中国協力を求めるため。
1969年7月、キッシンジャー北京訪問。米中接近。
当時の国連の第二次世界大戦戦勝国の5Pは、アメリカ、イギリス、ソ連、フランス、中華民国(台湾)。
竹入義勝公明党委員長、1971年7月19日、衆議院代表質問で、日中国交5項目を佐藤首相に提出。
北京で周恩来と初会談後の中国の代弁の5項目。①一つの中国論、②台湾は中国の不可分の領土、③日華平和条約の破棄、④台湾は中国へ帰属、⑤中国の国連安保理事国入り。
1971年10月アルバニア決議可決。3/2の変更事項決議案は否決される。台湾退場。国連の中国工作大。
木村武雄自民党衆議院議員「元師」。戦時中に上海に「木村公館」の拠点。昭和30年代(1955年代)廖承志と正常化工作。田中角栄に日中国交を進言した。思想は師石原莞爾の「世界最終戦争論」・東亜連盟とアメリカ合衆国との決戦となる。
1972年5月9日東京柳橋料亭での「いな垣の乱」。5月15日の沖縄本土復帰を受けて佐藤派内の田中擁立グループ81人の旗上げ。肝いり役は元師こと木村武雄。田中に「中国で政権をとれ」と進言。
佐藤栄作の退陣表明は6月17日。7月5日総裁選で自民党総裁につく。
田中角栄総理「日本列島改造論」と「日中国交正常化」で総裁選勝利。対戦相手は「台湾派」の福田赳夫。
台湾派・石原慎太郎、渡辺美智雄、中川一郎、浜田幸一、綿貫民輔、右翼団体。
大平正芳外務大臣。日中国交正常化を推進したのは、大平正芳(当時外務大臣)、三木武夫、橋本登美三郎。
1972年7月20、日中国交回復促進議員連盟会長藤山愛一郎主宰の中国大使歓迎パーティーで大平外相と会う。7月22日孫平化氏は密命を帯びて大平外相と極秘会見。田中首相の北京訪問が非公式に確約された。7月24日自民党の「日中国交正常化協議会」発足。316名。
8月3日の会議で大平「日華断交」を言及。「日中国交正常化=日華断交」の見切り発車だった。
中国側は公明党ルートを使う。竹入・公明・創価学会は出版妨害事件で田中角栄に恩義あり。
1972年7月25日、竹入北京入り。後に竹入の回想録が池田の逆鱗にふれ創価学会から去ることになる。
竹入周恩来をと会談。中国側は日華平和条約を日蒋条約とする見解。賠償請求権を破棄する。9月下旬田中訪中で確認。(竹入メモ)。8月4日、田中・大平・竹入会談で要点箇条書き竹入メモを提出。
8月11日、大平外相が中国側に田中訪中を伝える。8月15日、田中首相訪中を中国に伝える。
「先に国交正常化ありき」の”前のめり”の姿勢が、完全に中国に手玉にとられた。
中国からの3か条、①中華人民共和国が合法政府②台湾派中国の不可分の領土③日華平和条約は廃棄。
尖閣諸島の帰属は棚上げ。これに対して、台湾蒋介石は「交渉拒絶」した。
日華断交の秘話(松本彧彦)。田中は1972年9月17日椎名悦三郎特使台北へ派遣決定。小坂善太郎外相を事前協議として9月18日北京へ派遣。台湾派外省人の怒りと、内省人の哀しみ。小坂外相への恫喝。
「手柄」に目が眩んだ政治家によって、必要な調査や研究を怠り中国の工作によって挙で転がされた日中国交正常化。50年経った今も脅しは変わらない。中国共産党の本質はなんら変わらない。
1972年9月25日、田中角栄、大平正芳、他50余名訪中。周恩来首相の対日工作が実った瞬間。
北京国際空港着。前年9月に毛沢東の暗殺を謀った林彪の墜落しした翌年。中国の内部事情を調べず先を急ぐ田中政権。すべて調べ上げて国交正常化に向けて緻密な戦略を練っていた中国。その時中国は、中ソ対立、文化革命で荒廃し尽くした国内状態だった。
日本側が切り出した条件は、①日華平和条約は国交正常化の瞬間に任務を終了。②第三国対米関係を損なわないように。国交正常化を成し遂げたい日本。国交正常化で利益を得たい中国。この時点で周恩来は勝利を確信。恩を着せる形で交渉を進める中国側の基本形は、最初の会談から明らかだった。
第四回会談。台湾問題、賠償問題、戦争の反省をめぐる問題。日本とアメリカを味方につけ劇的な危機的状況から脱出を図ろうとする中国の術中にはまった。
1972年9月29日、日中共同声明発表。日本側の全面譲歩により成立。中国を唯一の合法的政府と承認。台湾派は自国の領土は理解尊重するとして認めたわけではないとした。
田中角栄の政治家としての「功名心」と大平正芳の「贖罪意識」が創り出した成果はやがて「日中友好絶対主義」へと発展し日本の存在すら懸念される事態へと発展することになる。
元拓殖大学特任教授の中国論で曰く、日本人は中国人のことを知らなすぎる。私たちが思っている中国人と中国共産党の人間はまるで違う。将来不幸を背負うと言っていた。
1972年9月29日大平正芳外相の記者会見。「日華平和条約は存続の意義を失い終了したものと認められる」。椎名悦三郎特使の「今後も日台関係は従来どおり」と違う。松本氏号泣。台湾派は即時「対日断交」を声明。「日中友好絶対主義」が始まる。パンダ。日本企業はありがたかった。
商社、ゼネコンは日本のODA(政府開発援助)を原資に中国に進出。すべて宏池会が窓口になった。中国に巨額の日本の資金が投入され、ノウハウ、技術も投入された。1978年10月鄧小平来日、中国への投資を高めるため、大企業トップ、経団連、日本商工会議所、経済同友会など訪問。新日鉄、日産、松下電器訪問。援助を申し入れる。
やがて日本経済は中国への「投資」から中国への「依存」へと形を変えていく。
1989年6月4日、天安門事件。人権弾圧。民主派の胡耀邦の死去。鄧小平、人民解放軍を投入弾圧。
宇野宗祐首相、外務省の独壇場。G7の中で1国日本だけが「閣僚級の交流禁止」「経済制裁」を反対。
解決策として中国は「天皇訪中」プロジェクトを始める。
海部俊樹首相1991年北京訪問。1992年10月23日天皇訪中。日本の歴史上の痛恨事。
宮沢喜一首相、河野洋平官房長官、橋本恕駐中国大使。(1992年天皇訪中時)
1998年江沢民日本訪問。歴史問題ぶり返す。変貌する中国。全てを変貌させた江沢民。
天皇訪問の宮中晩餐会でのスピーチ。日本軍国主義は全面的な対中国の侵略戦争を行った。日本を属国扱いして帰国。江沢民が始めた「反日教育」「愛国教育」。1840年のアヘン戦争以降の屈辱の百年(百年屈辱)を徹底して教えた。中国共産党が抗日戦争と解放戦争(国共内戦)に勝利し、人民に幸せをもたらしたと教育。中国国内向け行動。
橋本龍太郎首相の中国の女性工作員のとの交流を、新進党西村慎吾議員が国会質問した。1997年10月30日。一般のテレビや新聞では報じられなかった。西側の円借款の凍結解除の働きかけの疑問。1998年参院議員選挙で自民党敗北、橋本首相退陣。2006年死去。林玉蘭。ハニートラップ。
中国が欲しいのは、カネ、技術、軍事情報、企業秘密。スパイ防止法がない日本はたやすい。2004年5月、中国・上海の日本領事館に勤務し、外務省と総領事館の暗号通信を担当していた40代の男性領事の自殺。
狙われる日本企業。長崎県の自衛隊一等書記官の懲戒処分。
2012年8月15日、中国の活動家、尖閣に上陸。9月11日、民主党野田佳彦政権が尖閣諸諸島を買い上げ国有化。反日デモ、中国全土で日本企業が破壊・襲撃される。江沢民の反日教育の成果。2005年、2012年の反日デモ。経済活動を営む日本企業のトップや中国利権にしがみつく政治家。やがて制御不能の覇権国家・中国とやがて国際社会すべてが対峙しなければならなくなる。
2012年11月15日、第18回共産党大会、習近平総書記。2013年3月、全国人民代表大会で習近平国家主席選出。「百年の恥辱を忘れず、偉大なる中華民族の復興を果たす」とスローガン。1840年イギリスとのアヘン戦争から中華人民共和国成立の1949年までの恥辱の百年を指す言葉。この間中国(当時は清)欧米列強の植民地化、日本は満州国の建国、廬溝橋事件後の日中戦争で首都南京陥落。そのまま突入した第二次世界大戦で枢軸国は敗北、日本は大陸から去った。その後4年間国民党・蒋介石と共産党・毛沢東の「国共内戦」後、1949年10月1日に中華人筋共和国が建国された。「百年国恥」の終了。
63年後2013年、習近平は百年国恥を「忘れてはならない」と宣言した。百年国恥とは事実上、中国では日本への恨みを意味する。小学校から教え込まれた。日本がターゲット。敵が必要、それが「日本」。
南シナ海岩礁を中国領。東沙・南沙・西沙諸島で「九段戦」引き領土と主張。2016年ハーグ仲裁裁判所の決定も無視。軍事基地化。2010年GDPで日本を抜き態度を変えた。「千人計画」に呼び寄せられた日本人。中国の国家プロジェクト。2008年スタート。「軍民融合」。2015年日本学術会議が国務院傘下の中国科学技術協会と連携。日本人技術者、学者の引き抜き。2020年5月4日読売新聞が技術を狙う中国「千人計画」を連載。千人計画に応募。世界中から毎年千人の応募。2016年7月発表の軍民融合戦略は軍事技術の進化。軍事転用。日本の技術者が欲しい。ロボット・AI。奈良林教授(東京工業大学特任教授)曰く中国人留学生の監視強化必要。中国人留学現在12万人。軍事技術には日本の技術が不可欠だから。自立型巡行ミサイル。レーダーに映らない。中国と合弁企業を作る大手自動車メーカー、大学に警鐘。トヨタ。
2019年4月21日、「精華大学-トヨタ連合研究院」設立。燃料電池のドローンへの応用。今後5年間共同研究。トヨタの特許実施権を無償で提供。平和ボケした日本の経済界や学術界。2022年複合機などの設計や製造の全工程を中国なうで行う規制導入。中国による先進技術奪取は凄まじい。日本は商売優先。
やっと目覚めたアメリカ。1972年2月のニクソン訪中から始まった米中蜜月から対立の時代へ。2011年中国の人権弾圧が転換期に。2013年南シナ海岩礁埋め立て。2001年の中国WTO加盟もアメリカ失敗。
トランプを抱き込んだ「安倍晋三」。2019年武漢発祥の「新型コロナ」。「中国に感謝せよ」で切れた米国。
習近平は最大の敵・トランプをコロナによって倒すことに成功。ロバート・エルドリッチ、日本の「無知と無関心が一番危険」。日本経済の中国依存は極めて深刻。中国よりの政治の世界の問題。日本にいる中国人は100万人時代(80万~90万)。自衛隊の4倍。中国の国防動員法。
「友好」に踊った五十年。ウイグルジェノサイドで2021年は日本がいかに中国共産党の「影響下」にあるかを証明した年。公明党の反対。日中国交正常化五十年の「成果」ということ。2022年2月24日ロシアウクライナに侵攻。二階俊明幹事長と中国人・将暁松。2021年3月12日感謝状を将暁松69歳に送る。
2020年4月将暁松は旭日中授賞も授与。江沢民の後ろ立て。メディアも頼る。2007年グリーンピアをめぐる二取引。二階が紹介。中国資本により日本の水資源が買われ、山林も買収され、大都会の一等地やタワーマンションまで中国人に買われる時代が来た。村山富市内閣時のWTOのGATS条約を制限なしにした。重要土地等調査法も公明党により骨抜きにされたザル法。上海電力問題。
国交正常化五十年となり、対日工作は想像を絶する成果を挙げた。政権そのものを牛耳り、国会を動かし、中国共産党が日本の政治そのものに直接的に大きな影響を与えている。
中国共産党の思惑に踊らされていることを知りながら、日本を”売り続けている”政治家や官僚、経済人には、もはや言うべき言葉も持たない。このままではいずれ日本は、ウイグルと同じ運命が待っているだろう。
2016年5月、77歳の自民党職員松本松本彧彦、台北の高級墓地へ、政治家張群の墓参り。
東日本大震災の援助。中国では反日教育がつづき、台湾では日本との交流・交友を促進するための教育が行われている。「民間交流」の成果。「台湾有事は日本有事」安倍元首相。
2022年日本と中国は「国交正常化五十周年」を迎えた。半世紀を経て、日本はその記念日を安倍晋三元首相の国葬という哀しみの中で迎える。中国の対日侵略と対峙し、その危険性を世界の首脳に訴え続けた人物である。国交正常化五十年を機に、その歴史を日本は振り返り、これを教訓とし、二度と同じ失敗をしてはならない。日本が自由・民主・人権のアジアの盟主として、毅然として中国と対峙できる国になることを祈って筆を措かせていただく。・・門田隆将
☆
「歪められた昭和史」 渡部昇一著
2022/9月 2021/12/08読了
日本がなかったらアジアは白人支配が続いていた。日本の戦争は、欧米列国の「東亜侵略百年」を覆す戦い。戦前は人種差別がまかりとおった時代だった。「戦争の遠因はアメリカにおける移民の迫害であり、近因は石油の禁輸である」。
占領軍の偽善的な政策・・GHQ(連合軍総司令部)は、
1945年9月18日・プレスコード。1945年9月22日・ラジオコード。1946年10月8日・大新聞の事前検閲・雑誌、書籍、放送、映画、演劇にも及ぶ。アメリカや東京裁判や占領政策についての批判禁止。シナ人や朝鮮人についての批判禁止。
サンフランシス講和条約第11条は東京裁判の諸判決の実行を日本に求めているもの。
反日左翼の主張が外務省、政府に浸透し出したのは、日中国交樹立の頃からではないか。
戦後の歪められた昭和史・・いや~いい本でした。
要約は「近現代史記事紹介」にも掲載しています。
歪められた昭和史 渡部昇一著 要約
■はじめに
●日本がなかったらアジアは白人支配が続いていた。
●日本の戦争は、欧米列国の「東亜侵略百年」を覆す戦い。
石油がなければ二十世紀の国家は存続できない。
マッカーサー:「日本が戦争を始めたのは主として自衛のためであった」上院での証言。
●忘れられた日本の言い分
戦前・戦中の日本のすべてを否定する占領軍政策、言論統制、有能な人材を追放する公職追放令が行われ、日本人はいつのまにか、戦争に至る日本の言い分を忘れてしまった。
●人種差別の時代
戦前は人種差別がまかりとおった時代だった。
昭和天皇:「戦争の遠因はアメリカにおける移民の迫害であり、近因は石油の禁輸である」
移民に対するアメリカ人の人種差別。日露戦争以後の移民。
1924年に絶対的排日移民法を定めて徹底的に差別し、迫害した。
有色人種に対する白人優位は、産業革命以後、」18世紀の半ば頃。白人の高度な近代文明。
白人の横暴と支配:シナではアヘン戦争、インドでもセポイの乱、シナもインドもイスラムも。
日本によって人類の歴史は一変する。・・短期間に完璧に西洋の自然科学と近代産業を自らのもにした。
日本人さえいなければ二十世紀、あるいは二十一世紀まで有色人種は白人の召使かどれにすぎなかった。
日本は武士がいて、武士道があることを西洋人は知らなかった。
●近代産業と武士道
明治期の日清・日露戦争の司令官はみな武士の出身。「武士の戦争」。
自然科学・工業・発明に携わった人・・武士階級の出身
二十世紀初頭に起こった日露戦争(1904~05年)は、1492年のコロンブスのアメリカ到着以来、五百年の歴史を覆す一大転機となった。
世界中の被征服民族に、白人は数百年間におよぶ利権が脅かされることになったと受け取った。
アメリカも日本に対して脅威と反感を持つようになり、移民の迫害が始まって、以後、複雑なプロセスを経て大東亜戦争に至る。
●後世に残る大東亜共同宣言
開戦時にはタイ国を除いてアジアはすべて植民地だった。
戦時中の1943年東京で大東亜会議が開催、有色人種による「アジア・サミット」だった。
日本、満州、南京の中華民国、タイ、ビルマ、フィリピン、自由インド仮政府はオブザーバー参加。
全会一致で「大東亜共同宣言」を採択。・・植民地支配の否定と人種差別撤廃を提唱した。
二十世紀初頭・・世界中で人種差別があって当然、美徳。
二十一世紀初頭・・世界から実質上植民地は消え失せ、人種差別は悪となった。
●「大君の額づき給う」
靖国神社の趣旨は、戦死した武士をお祀りすることです。天皇陛下も頭を下げてお参りする神社。
天皇が額ずくのは伊勢神宮、明治神宮。八幡神宮(応神天皇の直系)と靖国は別格。
■第1章・「満州国は日本が中国を侵略してつくった」のではない
国際連盟脱退は満州問題。
満州国は満州という土地に、満州族一番の直系の王族が戻ってきて建てた国。万里の頂上の北。シナではない。シナ人の侵略思想。清朝政府(満州民族の帝国)の復活。日本が内面指導した。
■第2章・「信念から始まる朝日新聞」への疑念
上がおかしくなると下までおかしくなる。会社がらみでチェック機能が働いていない。日本悪しかれ史観。左翼史観・・占領から7年間のうちに、公職追放、マスコミ、大学に左翼史観を持った人物が入った。
■第3章・韓国大統領はゆすり、たかり、恩知らず
李斯朝鮮は(李朝)建国以来シナの冊封を受けて臣下になった。朝鮮はシナの一部だった。
皇帝と王の違い。傷つきやすいエゴを持っている国。
ロシア・・シナと朝鮮に早く近代化してもらいたい。ロシアを抑える。
朝鮮に近代化してもらい清国から独立してもらいたいというのが明治政府の方針・日清戦争の対立点。
戦争に勝ち、韓国は清国から独立。下関講和条約で清国から遼東半島を割譲。ロシア、ドイツ、フランスの3国干渉dr遼東半島領有を放棄。
日露戦争に勝ち、韓国は外交権のない保護国にした。「併合」は「植民地」ではない。
韓国に投資。インフラ整備。ハングル文字普及。韓国を日本並みにしようとした。
日帝36年の寄付のし通し。日韓併合派日本にとって不幸なこと。
2005年日韓基本条約締結。日本が韓国に残した資産が賠償要求額を上回っていた。
賠償や謝罪要求は、河野洋平と宮沢喜一が原因。
■第4章・恩を仇で返す韓国にはウンザリ
韓国は日本と戦っていない。庇護の立場。
日本を悪者にしておきたいのは、アメリカ、中国、韓国と、それに呼応する日本国内の反日勢力、自虐史観勢力。北岡伸一の歴史観は、東京裁判史観。
マッカーサーこそ歴史修正。米国上院軍事外交合同委員会で証言。1951年5月3日。
彼らが戦争に突入した目的は、主として安全保障のため、余儀なくされたもの。石油鉄の輸出封鎖。
フーバー回顧録2011年。「日本との戦争のすべてが、戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の欲望だった。1941年7月の金融制裁は、挑発的であったばかりではなく、その制裁が解除されなければ、自殺行為になったとしても戦争をせざるを得ない状態に日本を追い込んだ。
原爆も10万人の東京空襲も反米運動にはつながらない。
■第5章・中国・韓国は歴史的痴呆症だ
歴史教育は「美しい虹」を見せること。
中国・韓国はいまや一番非友好国。政治家のチャイナスクール。
■第6章・やくざも呆れる中国の厚顔無恥
日本は、講和条約は蒋介石(国民党政府)と結んでいる。
中共政府とも友好条約を結んだ。・・内政干渉しない。靖国問題は朝日問題。
■第7章・朝日よ、講和条約をよく読め!
中国・・平和友好条約で解決済。
無差別爆撃や原爆で市民虐殺をやった国・アメリカの責任。
中立条約を無視して侵攻してきた国・ソ連。・・それこそ戦犯である。
現在の中国政府はサンフランシスコ講和条約に招請されていない。まったく関係ない。
日本と戦った蒋介石政府は、サンフランシスコ条約11条にもとづく戦犯の釈放に同意している。
■第8章・東京裁判は日本を蝕む「梅毒」だ
東京裁判で唯一「日本は無罪である」と述べたインドのパール判事は、「東京裁判は、原爆よりも日本の精神を長き世にわたって毒す」という趣旨のことを言っている。
国際法にない戦争犯罪を裁くことなどできない。
絞首刑7名。終身禁固刑16名、有期禁固刑2名。
第11条後半で、「諸判決」を停止させる条件が付いている。これに、もとづいて所判決を廃止した。
国会は全会一致で戦犯を救済した。1953年改正遺族援護法成立。
梅毒根治案
1.「独立回復記念日」制定1945年8月14日~1952年4月28日の7年間占領された。
大使館を持てない、国家掲揚・国家斉唱ができない、輸出入は占領軍の許可、言論統制、法律制定施行できない、憲法も1946年11月3日、施行は1947年5月3日。
憲法前文は、日本にいまだに主権がない。生存まで他国に預ける・・明確な主権否定。
2.東京裁判の実態を教える。日本は自衛のために戦争をした。
3.マッカーサー証言を広く知らしめる。
GHQで公職追放、憲法改正、財閥解体、農地改革等の占領政策実施。
日本は自衛のために戦争をした。・・上院軍事外交合同委員会の証言。
■第9章・人を喰う中国人に喰われるな
隷属を強いられる「友好」。
平和・・隷属の平和・属国の平和・滅亡の平和
平等な対話をしないことが、日中間の友好。
シナ人悪基本的な性格。・・食人肉風習の存在。
■第10章・脈々と続く朝日新聞反日の源流
朝日新聞、左翼ジャーナリズム、進歩的文化人、日教組、といった「反日を煽る人々」。
共産党とそのシンパや同調者。
GHQの初期の占領政策。・・ルーズメルト大統領の民主党政権の政権内部は共産党とそのシンパ。
戦前の共産党の思想と初期占領政策。この二つが「反日を煽る人々」とその思想を育てた。
戦前の共産党は、コミンテルン日本支部。
1925年治安維持法が制定・・共産党活動が取り締まり対象になった。朝日に継承された反日思想。
日本の復讐を恐れたアメリカ。・・原爆投下、東京大空襲の大虐殺実行。戦後の占領政策。
アメリカの戦前の日本を悪く見せなくてはならない思惑が、戦後日本の左翼思想と合致した。
1946年n公職追放令(戦犯・軍人・戦争協力者・地方議員・市町村長・マスコミ関係者・企業幹部・約20万人の職場追放)。
政界では、閣僚5人、国会議員300人・・追放者の少なかった革新政党が躍進。大学、ジャーナリズムの世界・・左翼が進出。
■第11章・国を滅ぼす煽情ジャーナリズムの深源
5.15事件・・右翼・・正体は左翼・皇室を尊敬する共産主義者だった。
■第12章・慰安婦歴史論争は朝日の全面敗北で終わった
吉田証言は嘘であった。女子挺身隊は慰安婦ではなかった。
中韓的な「日本を徹底的に貶めたい」と考える強力な中心勢力がある。
産経新聞の大金星・・公の談話に韓国の意向が働いた。
卑怯な論点ずらし・政治的意思による誤報・捏造は会社ぐるみ
■第13章・皇統「百二十五代」は日本の誇り
皇室は日本の総本家。成り上がり国家ではない日本。
日本はとても古い歴史を持つ国。日本の王家は、神話の時代から2600年以上も連綿とつづいている。
万葉集・山上憶良の日本観・・「皇神の厳しき国」すめろぎのいつくしきくに。
日本の神社はすべて皇室に関係がある。
シナ文明と異なる日本文明。アーサー・ウイリー、サミュエル・ハンチントン。
日本という国は、神話の時代からつづいている王朝を持っている唯一の近代国家。
日本の皇室に芭「男系の女帝」しかいない。皇統125第の重み。
■第14章・あまり拙速な女性天皇容認論
「女系天皇の容認」は2665年にわたる長い日本の歴史に一度たりともなかったこと。
女性天皇は全て未婚。女帝が10代8人。男性天王の皇女。宮家の復興。進駐軍の命令で臣籍降下。
■第15条・天皇「生前退位」の衝撃!摂政を置いて万世一系を
摂政を置くことを提案。皇室典範は変えるべきでない。・・皇室の憲法。
万世一系は揺らいではいけない。
2600年以上の歴史がある。2000年以上続いているのはローマ法王庁と皇室だけ。
伝統の文書は、出雲大社や伊勢神宮に残っている。
■おわりに
占領軍の偽善的な政策・・GHQの(連合軍総司令部)
1945年9月18日・・プレスコード
1945年9月22日・・ラジオコード
1946年10月8日・・大新聞の事前検閲・・雑誌、書籍、放送、映画、演劇にも及ぶ
プレスコードの禁止事項は30ばかり
アメリカや東京裁判や占領政策についての批判禁止
シナ人や朝鮮人についての批判禁止
国家としての中国は新しい・・建国60年も経っていない。
中国・・蒋介石統一した国・・清国は満州民族の国家・・シナ大陸・シナ史。
東京裁判を受諾し国際社会に復帰。サンフランシスコ講和条約の誤解。反日左翼。
講和条約第11条は東京裁判の諸判決の実行を日本に求めているもの。・・誤解がある。
反日左翼の主張・・外務省、政府に浸透し出したのは、日中国交樹立の頃からではないか。
☆
「日本人の誇り」 藤原正彦著
2022/8月 21/10/15読了
「個より公、金より徳、競争より和」を重んじる日本国民の精神性は、文明史上、世界に冠たる尊きものだった。
しかし戦後日本は、その自信をなぜ失ったのか?
幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を徹底検証し、国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与えるために。
近現代史観というのは、現代の政治、経済、社会など我々の周りで起きているほとんどの現象をどう見るかに深く関わっています。
歴史を失った民が自国への誇りと自信を抱くことはありえません。この誇りと自信こそが、現代日本の直面する諸困難を解決する唯一の鍵なのです。
日本人の誇り・・大変勉強になった、中身の濃いいい本でした。
要約は「近現代史記事紹介」にも掲載しています。
日本人の誇り 藤原正彦著 要約
近現代史観というのは、現代の政治、経済、社会など我々の周りで起きているほとんどの現象をどう見るかに深く関わっています。すなわち、近現代史をどう見るかを露わにするということは、自らの見識を露わにすることなのです。
歴史を失った民が自国への誇りと自信を抱くことはありえません。この誇りと自信こそが、現代日本の直面する諸困難を解決する唯一の鍵なのです。
春淡き朝、試練に立つ国を思いつつ・・藤原正彦
第一章・・政治もモラルもなぜ崩壊したか
◇危機に立つ日本・・何もかもうまくいかなくなった日本
●アメリカの忠告に従って進めたグローバル化や構造改革は、世界でも稀に見るほど安定していた社会を荒廃させ日本が大事にしていた国是を破壊しただけで、デフレ不況は一向になおりません。
◇対中外交はなぜ弱腰化か
●日米安保条約は、日本の領土がどこかの国に攻撃されたら直ちに米軍が助けに馳せ参ずるとはなっていないのです。
●第五条・・日本領土でどちらかが攻撃を受けた場合、それぞれは「自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動する」とある。連邦議会が承認、米国世論が支持するとは思えない。
●集団的自衛権の問題・・いまの憲法ではアメリカ艦が攻撃されても日本艦は助けに出れない。
●日米安保条約は欺瞞の条約なのです・・両国に責任。日本は自国を自力で守らない。
◇アメリカの内政干渉を拒めない
●アメリカの「年次改革要望書」で内政干渉。郵貯簡保の金差出、米保険会社進出を援護の郵政民営化、日本の雇用を壊した労働者派遣法改正、医療システムを崩壊させた医療改革、外資の日本企業買収を容易にする三角合併解禁、など要求されたものでした。・・アメリカの属国。
◇劣化する政治家の質
●小泉チルドレン、小沢チルドレン、鳩山内閣の官僚外し。
●官僚と叩くものではなく、逆に高給を与え、エリートとしての矜持を持たせ、国家国民のために命がけで貢献してもらうものなのです。
◇少子化という歪み・・政治経済に追い打ち。社会福祉政策の破綻。
◇大人から子供まで低下するモラル・・深刻なのはモラルの低下。政治家や官僚だけではない。ケータイ病の子供、モンスターペアレンツ。さもしい。
◇しつけも勉強もできない
●政治、経済の崩壊からはじまりモラル、教育、家族、社会の崩壊。今日本は全面的な崩壊に瀕しています。
●一種の文明病。欧米思想の個の尊重が戦後65年深く根をおろす。子供中心主義。
●社会や国家につくすという美徳は、GHQが教育勅語を廃止し公より個を尊重する教育基本法を作成すると同時に消滅したといっていいでしょう。「公イコール国家イコール軍国主義」という連想を植え付け、弱体化しょうとしたのです。
●公を否定し個を称揚することはGHQが生み、継承した日教組が育てたもの。プラスGHQに忠誠をつくしたマスコミにより維持される。
◇対処療法に効果なし
●山ばかりで資源もない極東の小さな島国でありながら、古くより偉大な文学や芸術を大量に生み、明治以降には脅威の成長なしとげ、ついには五大列強の一つにまで発展させた、優秀で覇気に富んだ日本民族は一体どうなってしまったのでしょうか。
◇真、善、美は同一のもの
●この世のあらゆる事象において、政治、経済から自然科学、人文科学、社会科学まで、真髄とはすべて美しいものだと私は思っています。
◇根本的解決こそ美しい
第二章・・すばらしき日本文明
◇世界七大文明の一つ
●ハーバード大学ハンティントン教授の世界七大文明・・文明の衝突1990年代
世界七大文明とは・・中華文明、ヒンドゥー文明、イスラム文明、日本文明、東方正教会文明(ロシアなど)、西欧文明、ラテンアメリカ文明の七つです。 孤島での独自の文明・・神仏習合、武士道精神
●成熟した江戸末期・・「日本人はなぜこうも他のアジア人と違うのか」
●「貧乏人は存在するが貧困は存在しない」・・本物の平等精神。日本の封建制度。
●自己懐疑は知的態度か・・日本の封建制度の異質さ。戦後は「和魂米才」ではなく「米魂米才」。
●幻影と現実・・江戸時代から明治中期までは、貧しいながら平等で幸せで美しい国を建設していたのです。
●幸福、満足、正直
●「近隣諸国条項」という難問・・1982年宮沢喜一官房長官談・・「今後の教科書検定は近隣諸国の感情に配慮する」・・「中国、韓国、北朝鮮を刺激しかけない叙述はいけない」という政治的なものです。厄介。
第三章・・祖国への誇り
◇若者は「恥ずかしい国」となぜ言うのか
●間違った歴史観。学校教育の問題・・ほとんどの若者が自国の歴史を否定しています。
◇自国のために戦うのか?
●自国を卑下するという世界でも稀な傾向。
◇戦後、日本国の生存を握るものは?
●祖国への誇りを失ったのは戦後のことなのです。
●アメリカの戦後目標は「日本が二度度立ち上がってアメリカに刃向かわないようにすること」。
国務省、陸軍省、海軍省合同の「日本降伏後における米国の初期の対日方針」。
●日本の非武装化、民主化、新憲法
●アメリカは他国の憲法を自分達が勝手に作るというハーグ条約違反を行いました。
●「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という前文により、日本国の生存は他国に委ねられたのです。
●残念なことに「国益のみを愛する諸国民の権謀術数と卑劣に警戒して」が現実である。
●第九条の「陸海空軍その他の戦力は、これ保持しない。国の交戦権は、これを認めない」は前文の具体的内容です。
●日本はこの前文と第九条の作られたこの時点でアメリカの属国となることがほぼ決定されたのです。
●こうして万国の保有する自衛権を日本だけが失ったのです。
◇天皇、漢字、教育勅語
●天皇を元首からただの象徴にした。新たな皇室典範で十一宮家を皇室離脱させました。
●当用漢字を導入、使用漢字を大幅に制限した。・・日本文化の弱体化、愚民かが目的でした。
●世界から絶賛された教育勅語を廃止し、教育基本法で個人主義を導入し、日本人の特性を壊しました。
日本の底力を減殺する狙いでした。
◇「罪意識扶植計画」とは何か
●アメリカが日本に与えた致命傷は、新憲法でも皇室典範でも教育基本法でも神道指令でもない。占領後間もなく実施した、新聞、雑誌、放送、映画などに対する厳しい言論統制でした。
●WGIPに基づく「罪意識扶植計画」は、自由と民主主義の旗手を自任するアメリカが、戦争責任の一切を日本とりわけ軍部にかぶせるため、日本人の言論の自由を封殺するという拳に出たのです。
●「罪意識扶植計画」は日本の歴史を否定することで日本人の空洞化をも意図したものでした。
●軍国主義者と国民の対立にすり替える。軍人や軍国主義者が悪く米軍の責任ではない。二発の原爆投下による二十万市民の無差別大量虐殺を、日本の軍国主義者の責任に転嫁することで、自らの免罪符を得ようとしたのです。
●1999年のAP通信社が行った報道機関アンケートで、5位がベルリン崩壊、4位が米宇宙飛行士の月面歩行、3位がドイツのポーランド侵攻、2位がロシア革命、1位が広島・長崎への原爆投下でした。
◇一千万人を救うために二十万人を
●原爆投下は正しかった。ポツダム宣言の発表以前に原爆投下命令は下されていたのです。
●米英ソのヤルタ会談・・ドイツ降伏後三カ月以内にソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄し対日参戦すること、その代わりに満州にある日本の権益、南樺太、千島列島をソ連に引き渡す密約。・・ソ連参戦前に原爆投下。・・戦後の米ソの覇権争いを念頭に入れたものだったのです。
●ソ連の参戦前に日本を降伏させる・・そのためにはできるだけ早期に原爆投下が望ましい。
●8月6日と9日に原爆を落とし、8日にソ連が参戦し、14日に日本がポツダム宣言を受諾し、その後スターリンは樺太と千島を占領し、更に北海道北半分への進行まで要求しました。トルーマンはこれを拒絶し、朝鮮半島の三十八度線以南への進行も阻止したのです。核の威力でした。
●原爆投下は、専らその実際の威力実験および終戦後のソ連との覇権争いを念頭に入れたものだったのです。
◇宣伝による洗脳が始まった
●1945年12月8日より、「太平洋戦争史」の宣伝文書を使わせた。翌1月には学校における歴史、地理、終身の授業を停止させた。「太平洋戦争史」は教科書として使わせました。人間を作る教育まで洗脳。
●日本はポツダム宣言という条件付き降伏をしたのであって、無条件降伏したのではありません。第5条に「吾等の条件は左の如し」と書いてある。6条から13条まで降伏条件が記載されているのです。
●十条「・・言論、宗教および思想の自由ならびに基本的人権の尊重は確立せらるべし」。第十三条は「全日本国軍隊の無条件降伏」です。日本国政府は条件降伏、軍隊は無条件降伏。にもかかわらず、アメリカはポツダム宣言をふみにじり、あたかも全面降伏したかのごとくふるまい学校で指導しました。
●無条件降伏なら何でもありで、GHQ制作であることを隠し「真相はこうだ」をNHKラジオでも宣伝。メディアを利用して洗脳教育まで取り組んだのです。
◇検閲によるメディア統制
●一方的なアメリカの見解、途方もない善悪二元論が日本人の脳に少しずつ忍び込んだ。アメリカによる洗脳が効果を表し始めました。・・長期戦略の天才アングロサクソン。
●「神道指令」を発令し、神道を弾圧することで皇室の伝統、日本人の心の支えを傷つけました。
●「罪意識扶植計画」を着実に実行するため私信まで開封しました。
●雑誌新聞のなどの事前検閲をおこないました。
●占領軍や合衆国に対する批判、東京裁判に対する批判、アメリカが起草した新憲法への言及、検閲制度への言及、天皇の神格性や愛国心の養護、戦争における日本の立場や大東亜共栄圏や戦犯の擁護、原爆の残虐性についての言及、などが厳しく取締まられ封印されました。
●違反した新聞や雑誌」は発刊停止となる。朝日新聞、ジャパンタイムズ、東洋経済新聞等。
●結果、新聞、雑誌、ラジオ等は、生き残るすべを学習し、戦前の皇室万歳からアメリカ万歳や容共路線に急転回しました。はしっこい日本人は豹変したのです。日本人の最もいやな点です。
◇公職追放は二十五万人以上
●罪意識扶植計画に協力的でない人間は公職追放された。政府や民間企業の要職につくことを禁止。
●GHQ、1946年の1月には公職追放令を作り、戦争犯罪人、戦争協力者、大政翼賛会などの関係者が追放され、翌年には、戦前戦中の有力企業の幹部も対象になりました。
●気象台長藤原咲平、鳩山一郎、石橋湛山、衆議院議員の八割が追放、政財界、言論界の有力者の大半が消えました。
●日本の中枢を占めた保守層が去り、左翼系やそのシンパが多くなりました。特に学校。
●日本中の大多数の人間が、公職追放令がでて一年もたたないうちに、GHQに意向に逆らわなように自主的に協力し始めました。
●画期的成功を収めた「罪意識扶植計画」は7年近い占領が終わり、公職追放令が廃止された後でも日本人に定着したままとなった。洗脳とは真におそるべきものです。モスクワのコミュンテルン(ソ連共産党は以下の国際組織)のもので、その影響下にあった日教組がそのまま教育の場で実践しました。自虐史観が根を張っているのです。
◇「国家自己崩壊システム」
●GHQが種をまき、日教組が大きく育てた「国家自己崩壊システム」は、今もなお機能しています。
特に教育界、歴史学界、マスコミというGHQによる締め付けがもっとも厳しかった部分においてです。
このシステムは容易に壊れないのです。
●東京裁判への批判、新憲法への批判、検閲により言論の自由を奪い洗脳を進めたアメリカへ批判、愛国心の擁護、原爆や無差別攻撃による市民大虐殺への批判、などは、すべて正当でありながら、公に語られるのは稀です。無論、教科書に載ることはありません。
●アメリカの言論操作はついに「歴史的事実」になったのです。公然たる批判を慎む、というのは属国のマナーでもあるのでしょう。
◇失われた日本人としての誇り
◇原爆投下への正当化
●事前検閲は違反です。ポツダム宣言第十条、合衆国憲法修正第一条にも謳っています。言語を絶する暴挙なのです。
●広島と長崎への原爆や日本中の都市に対する無差別爆撃が、人道上の罪であることは言を俟ちません。
●1907年に結ばれたハーグ条約第二十二条、「無制限の害敵手段を使用してはならない」や第二十五条、「防守されていない都市、集落、住宅、建物はいかなる手段をもってしても、これを攻撃、砲撃することは禁ず」にも違反しています。無差別戦略爆撃は大統領の許可が必要。東京大空襲で十万人が死亡。
水戸、八王子、長岡、富山、
●原爆二つはもちろんのこと、1945年に実施されたこれらの無差別爆撃は、アメリカ合衆国の綿密な計画の下で組まれたものであり、飽くことなき大量虐殺への執念によるものだったのです。
●一般の老若男女55万人の生命が奪われた。東京裁判では取り上げられませんでした。
●原爆投下には「あやまちは二度とくりかえしません」といい、日本焦土作戦を指導したカーティス・ウメイ司令官には日本政府が勲一等を与えました。自虐国家日本は絶好調なのです。
◇大多数の戦争は宣戦布告なしだった
●新憲法や教育基本法を押しつけ、日本のエリートを壊滅すべく旧制中学、旧制高校を廃止したのも、「占領者は現地の制度や法令を変えてはならない」という趣旨のハーグ条約43条に反しています。
同じ敗戦国のドイツは、憲法や教育基本法などの押しつけを拒否しました。
●1907年のハーグ条約、「開戦前の宣戦布告を義務付けた」。
ハーグ条約以降も、アメリカは1916年ドミニカ戦争で違反。第一次世界大戦も第二次世界大戦も奇襲だった。ハーグ条約は単に開戦儀礼。二十世紀の戦争は大多数が宣戦布告なしだった。
●アメリカ参戦のため、アメリカ国民を扇動するための「真珠湾奇襲を恥ずべき行為」と糾弾したのはルーズベルトです。
●不意打ちにこだわるアメリカが、ベトナム戦争でもアフガニスタン戦争でもイラク戦争でも、宣戦布告を忘れてしまいました。
◇ナショナリズムよりパトリオティズム
●「罪意識扶植計画」で禁止された愛国心の擁護と育成は、世界中どこでもやっていること。アメリカでも。当然のこと。家族愛、郷土愛、祖国愛の三つの愛が基本。明治以来、愛国心という言葉で両方を表してきた。「国家主義」及び「祖国愛」の語で二つを峻別すべきと思う。
◇東京裁判という まやかし
●東京裁判もニュールンベルク裁判も「勝利国による敗戦国への復讐劇」である。両裁判ともに、連合国側の戦争犯罪は不問に付されました。
●1939年ソ連のポーランド侵攻、米英のドイツ全土への無差別爆撃で30万人の市民虐殺、中国による日本に対する挑発、真珠湾攻撃の前からアメリカの中国への軍事物資と航空隊派遣、も不問。
●実際は真珠湾のずっと以前から、アメリカは、無論宣戦布告もなしに日本に対して敵対行為を始めていたのです。
●広島、長崎への、人類にとっていまだに唯一無二の原爆投下、そして東京大空襲を含む焦土作戦も無論
取り上げません。ヒットラーやスターリンの暴挙に匹敵するアメリカ人の悪夢です。
●1945年8月9日にソ連が日ソ中立条約を破り、174万人の兵力、5000台の戦車、5000機の航空機をもって満州に侵略したことも、日本の降伏後にソ連が、60万以上の邦人をシベリアに送り強制労働させたのも一切不問です。
●日本政府は8月14日ポツダム宣言を受諾し、16日には停戦と降伏を表明したが、千島列島は18日以降9月5日までの間に火事場泥棒宜しく占領されたのです。ロシア兵の強姦、暴行、虐殺により民間人死亡者は17万人にも上りました。それの凶暴野蛮は言語に絶するものでした。
●北満州に残された開拓民27万人の運命は悲劇だった。しかし東京裁判では全く取り上げられませんでした。あまりの不公平に弁護側が抗議しても、白豪主義をとるオーストラリアのウエッブ裁判長は「この裁判は日本を裁く裁判であり、連合国の行為とは無関係である」の一言で退けた。勝者の敗者に対するリンチであることを認めたとも言える発言でした。
◇正当性を欠く裁判
●ブレイクニー弁護人の動議、「広島、長崎への原爆投下という空前の残虐を犯した国に人間に、この法廷の被告を『人道に対する罪』で裁く資格があるのか」、も詭弁により斥けられました。
●裁判資料の閲覧、反対尋問の機会も与えられなかった。弁護側の有力資料は却下。
その結果、カチンの森事件と南京大虐殺が登場しました。
第四章・・対中戦争の真実
◇南京大虐殺の不思議
◇ティンパーリもスノーも南京にはいなかった
◇東京裁判で再登場した
◇安全國逃げ込んだ便衣兵
◇証拠は捏造されていた!?
◇「大虐殺」は歴史的事実ではなく政治的事実
●ドイツのアウシュビッツ大虐殺に対する日本の「南京大虐殺」は欲しかった。もう一つは原爆二発を相殺する被害者が欲しかったと思います。
●偽証罪も検証もない裁判で、中国とアメリカが結託して「南京大虐殺」をでっち上げたかもしれません。かくして「罪意識扶植計画」の目玉となりました。決定的証拠が出てくるまでは創作だと信じています。
●アメリカは肝心のものは情報公開しません。真珠湾攻撃前一週間の暗号解読資料、ケネディ暗殺犯、南京大虐殺と原爆投下の関係資料。
◇復讐劇と化した訴訟指揮
●「日本は挑発挑戦され自衛のために起った」とうローガン弁護人の弁明も却下されました。
◇「八紘一宇」は世界征服にあらず
●罪状の「世界征服の責任」は?
●白人の牙から同胞アジア諸国を守るという、幕末からのアジア主義であり、気概のほとばしりであった。
◇「共同謀議論」のムリ
●東京裁判の目玉は、」1928年から1945年までの17年間、日本は一貫してアジアを侵略して支配下に置くため謀議を企て、そのために満州事変、日中戦争、太平洋戦争を引き起こしたということでした。これを共同謀議したとして罪を問われたのがA級戦犯と言われる28人でした。本当にこの28人が世界征服やアジア制服の計画を練って日中戦争や日米戦争にまで至ったのか? 17年間に16回も内閣が変わっている。このことはパール判事が全面否定しています。
●残念ながら日本人には、大局的視野に立って長期戦略を組み立てる、という能力があまりない。この能力はアジア人にもなく、ラテン民族やスラブ民族も得意ではありません。最も得意なのはアングロサクソンです。日本は土壇場まで対米戦争計画はほとんどなかった。
◇「オレンジ計画」とは
●一方のアメリカは日露戦争の終わった翌年あたりから、テオドア・ルーズベルト大統領の指示で対日戦争計画を練り始めました。オレンジ計画です。大英戦争のレッド計画もあった。
●19世紀末に西海岸まで到達し、ハワイ、フィリピンを獲得したアメリカにとって、次のフロンティアとしての目標は巨大市場中国でした。そしてすでに満州で利権を独り占めにし、中国への道に立ちはだかるのが、強力な海軍力を持つ小癪なイエローモンキーにほんだったのです。
●オレンジ計画の1911年のものには、「米国は独力で日本を満州から撤退させるべく、大陸への介入で鳴く、海上の作戦によって戦うことになるだろう。日本の通商路を海上封鎖することで息の音を止めることになろう」という趣旨のことが書いてあります。30年後の戦争はその通りになりました。
●1922年のワシントン条約で日英同盟を解消、日本の戦艦保有量を米英日で5対5対3にさせる軍事上の不平等条約です。日露戦争から対日戦争に向けて35年間も準備していたのです。
●その後も日米戦争だけは避けたい日本に対し、アメリカは太平洋の覇権をめぐって日本との激突を必然視し本気で準備しました。第二次大戦で英ソが窮地に陥ってからは日本に先に手を出させようとありとあらゆる努力を重ねました。日米戦争に限って言えば、共同謀議で告発されるべきはむしろアメリカだったのです。
第五章・・「昭和史」ではわからない
◇「侵略」の定義とは何か
●東京裁判の核心、戦後日本を覆った暗雲は、日中戦争および日米戦争が日本の一方的侵略であったかということに帰着します。
●侵略とは、目的を問わず、相手方勢力や相手方領域を攻撃する行動、一方侵略とは、相手の主権や政治的独立を奪う目的で行われる侵攻のことです。
●侵略の私が妥当と思う定義は、「自衛のためではなく、軍事力により他国の民族自決権を侵害すること」です。1919年パリの講和会議の国際連盟の規約が決められた、その規約の「委任統治」には、「自ら統治できない人々のために、彼らに代わって統治してあげることは、文明の神聖なる使命である」という趣旨が書いてあります。
●この論理により、イラク、ヨルダン、パレスチナはイギリスの、シリア、レバノンはフランスの委任統治領となったのです。これは侵略とはならない。侵略かどうかは、本質的には列強の判断次第だったのです。
◇誰が法的成否を決めたのか
●2001年アメリカハーバード大学の協力により「第3回韓国併合再検討国際会議」が開かれました。韓国のイニシアチブで開催、日本による1910年の韓国併合が国際法からみて違法であるかどうかの確認。結論は欧米の研究者達に全く受け入れられず違法でないという結論だった。
●ケンブリッジ大学教授で国際法の権威であるジェームズ・フロフォード氏は次のように語った。「韓国併合は英米をはじめとする列強に認められている以上、違法と言えない」。
◇「昭和史」という不思議
●切り離すのは無理。それ以前は切り離すという暗黙の作業が含まれる。注意が肝腎。
●何故なら、十六世紀以前の世界史の半分は、恥ずべき人種差別に基づいた、残虐非道な欧米の侵略史と言って過言ではありません。人道、正義、文明の神聖なる使命、などのもっともらしい旗印の下、白人がアジア、アフリカ、南北アメリカ大陸と次々に土地を奪い、愚民化した住民を家畜のごとく使役し、苛烈な搾取を行い、従わなかったものは虫けらのように殺す、という歴史でした。
●帝国主義に遅れて参加した日本が、海外に欧米列強と同様の利権を求めて出て行ったのは、二十世紀に代わる頃から出、その頃、取りたいものを取った欧米列強の侵略は下火になっていた。残り大きな利権と言えば中国や満州くらいであり、後進日本の帝国主義は昭和になった頃に最盛期を迎えましたから、日本の乱暴ばかりが目立ちやすいのです。
●昭和だけを切り取るということは、四世紀もの長きにわたる欧米列強の酷薄を免罪し、日本だけを貶め、「東京裁判史観を認める」ことに導かれる危険を高めるのです。
◇清国は満州族の国
●裁判では満州事変以降が日本の侵略とされました。
●南満州鉄道とはもともとロシアが建設した鉄道で、この鉄道とその支線は日露戦争で日本が勝利したため、1905年のポーツマス条約でロシアから、清国の許可を得たうえで、旅順、大連の租借権とともに日本に譲渡されたものです。しかし日本は日露戦争で多大な犠牲を払い占領した広大な南満州を、寛大にもそのまま清国に返しました。
●清国とは、漢族ではなく満州族が支配する国です。ロシアから取り返した日本に感謝し、南満州鉄道の譲渡を認め、日本軍の常駐を認めた。日露戦争後の10年間ほどは日中関係は珍しくとてもいい時期だった。
●初代総長後藤新平が就任し、鉄道事業、近代都市建設、炭鉱開発、製鉄業、港湾、上下水道、電力、といったインフラの整備まで行った。日本がポーツマス条約で得た満州における権益を着実に実行し始めたのです。
◇排外思想をもった国民党
●一方の中国では相変わらず混沌が続いていました。1911年に孫文による辛亥革命が起き、その翌年、清朝が倒れ中華民国が成立します。孫文亡き後の国民党の蒋介石や、コミンテルン指導下の中国共産党などが排外思想を国民にばらまきました。「困窮の原因は外国人にある」を煽る。日露戦争後の20年の間に日本が行った満州の近代化の努力に感謝する人々ではなかった。
◇世界の共産化を図るコミュンテルンの影
◇「リットン調査団」は何を語ったのか
●日本は満州全土を占領するや、1932年満州国を建国しました。国家元首には清朝最後の皇帝溥儀が就きました。関東軍が復辟を願う溥儀を利用し、また同時に溥儀が関東軍を利用したのです。
●この年、中国が国際連盟に満州事変を訴えた。リットン調査団が派遣された。
●イギリスR・Fジョンストンの「紫禁城の黄昏」第16条でリットン報告書の(2)に異議を唱えている。満州には満州の独立運動が公汎にあったと明言しています。
●調査団の提言(2)・・満州には中国主権下の自治政府を樹立し、非武装をする。(3)日本の特殊権益を認める。以後20年間、満州は歴史上はじめて漢人の主権下に入ったのです。ただし軍閥や馬賊に支配されており、実効支配はされていませんでした。
◇満州は中国のものなのか
●満州事変は今日の国際常識では文句なしの侵略戦争です。主権者の中国に無断で軍隊を侵攻させたうえ、占領地に満州国という傀儡政権まで作ったからです。五族協和(満州族、蒙古族、漢族、朝鮮族、日本族の協和)。しかし主導権、国防、治安、は日本に委ねられていた。どう見ても侵略となります。
●なぜリットン報告書は「国連監視の下で自治政府を作り日本の特殊権益を認める」という結論を出したのか。イギリスのリットン伯爵を長とする英独仏伊米合わせて5名の委員、オブザーバーは日本と中国から1名の調査団だった。
●理由は3つ。第一は、満州とは歴史的に満州族のものでした。歴素敵に中国とは万里の頂上より南の、漢族のしはいする土地を指していました。ところが1644年、満州に生まれた清国が万里の長城を越え北京を占領し満州人による中国支配がはじまったのです。この清国は百年もしないうちに万里の長城を大きく越えて南北モンゴル(今の内蒙古と外蒙古)、西は東トルキスタン(今の新疆)やチベット、東は台湾まで領土を広げてしまいました。
●中国が現在、台湾、新彊、チベットを自領と言うのは満州族の作った清国領土が最大に達したこの頃の版図を基準に考えているからです。
●中国、すなわち漢族の国は満州族、朝鮮族、日本族を二千年間も東夷と呼び蔑視していましたが、そのうちの満州族に征服されていたほぼ250年間ほどの状態を基準としているのです。
●全盛期から100年もたたないうちに清国は衰退を始め、19世紀になるとイギリスを筆頭に列強諸国の餌食となり半植民地となりました。
●1911年、漢族の孫文らが清朝打倒に立ち上がり、(辛亥革命)、翌1912年、南京に中華民国を樹立し、清朝最後の皇帝である宣統帝(溥儀)は退位して清国は276年の幕を閉じたのです。この地点まで、中国イコール漢族が満州を直接統治したことはなかったのです。
◇次々と犯された日本の権益
●第二に、張作霖は日露戦争中、ロシア側のスパイとして活動していたため日本軍に捕まった人間です。息子の張学良は激しい反日、国民党と一緒に活動。リットン報告書は国際法で認められた日本の特殊権益が次々と犯されたことが日本をこのような行動に駆り立てたと考えたのです。
◇移民受入先としの大地
●第三は経済的側面です。1929年のウール街での株式暴落の諸国への波及。英米仏輸入高関税。日本は輸出ができなくなった。
●大きな植民地を持つ国がブロック経済に走る。日本も生存のためには植民地を持たなくては、と切実に考えるようになったのです。さらに人口問題。明治20年代から国策として貧困農民層のブラジルやアメリカへの移住が奨励されていた。1924年アメリカで排日移民法が成立。移民受け入れ先として満州へ。国民、新聞もこぞって満州進出支持したのです。
◇帝国主義時代のルールとは
●今から見ると、絵にかいたような侵略と見えるのに、リットン調査団があのような少々日本よりの結論を出した理由の底には、これら三つのことがあると考えられます。
●満州が中国の主権下といえグレイゾーンだったこと、日本の権益は条約によって守られていたものなのに中国がそれを無視する違法な行為に次々に出たこと、大恐慌でのブロック経済により市場を締め出されたり、アメリカへの移民さえ拒否された日本の生存のために外に出るしか他なかったなど、日本の立場を斟酌したのです。
●西ヨーロッパの赤化に失敗したソ連が、満州、中国に焦点をしぼり活動を活発化してきているから、それを防ぐ意味で満州の日本の勢力が存在することは悪くないと思ったことでしょう。
●満蒙を中国から切り離す。ソ連の南下、アメリカが太平洋から攻めて来る可能性ある。ソ連やアメリカが相手となれば資源獲得のためにも満蒙は不可欠と考えていました。満州は鉄石、炭豊富。
●いずれにせよ、満州事変から満州国建設についてリットン調査団はこのように結論を下しました。
●中国は19世紀以来、列強から領土を蚕食される。弱肉強食が帝国主義の唯一のルール。
日本も例外ではない。パリ講和会議での山東半島の権益獲得は合法的となった。当事者中国をないがしろにしたやり方は余りにも卑劣です。
●清朝末期から第二次世界大戦までの100年間の、列強と中国の関係は、狡猾かつ卑劣な列強の合法的進出に対し、無恥蒙昧な中国が不法だが同情すべき暴行虐殺で対抗する、という図式だったのです。
●これが帝国主義の姿だった。日本は他の列強が散々してきたことを手本にしたのでした。
◇「昭和天皇独白録」はこう語る
●欧米諸国も歓迎したリットン報告書を日本は拒否したのです。日本政府は満州国を承認しました。
5.15で殺害された犬養首相はリットン報告書と似通った考えで、独立国ではなく中国主権下の親日政府実現を思っていました。
●1933年国際連盟総会でリットン報告書は可決、松岡洋右全権は退場し、日本は国連から脱退。昭和天皇もリットン報告書は妥当と思われていた。「昭和天皇独白録」。昭和天皇の直観。政府方針に強い不満を持っていました。
●関東軍が独断で満州事変を起こした後、政府は国連脱退という愚行まで行ってしまいました。
●リットン報告書を受諾して、すなわち名を捨て実を取り、アメリカやイギリスにも満州国の利権を一部譲ってやる位のことをしておけば、日本は英米と協力し共産ソ連の南下に対抗できた。絶好の機会を逸した上に日本は世界の孤児となったのです。
◇盧溝橋で何が起きたのか
●中国軍による度重なる協定違反の攻撃。上海において始まった。無数の挑発に耐えられなくなった結果、日中戦争が始まった。
◇得るもののない日中戦争
●政府、陸軍参謀本部にとって中国との戦争は気乗りしないものだった。優先は宿敵ソ連との戦争、中国の利権を狙うアメリカとの戦争だった。プラス建設された満州国を後方基地に育てる必要あった。
●ドイツが日独防共協定を結びながら中国に肩入れするという裏切りに近いことをしていた。当時蒋介石軍の使っていた武器の大半はドイツ製だった。ドイツ人ラーベ。「ラーベの日記」の虚偽。
◇上海陥落
●ドイツ軍顧問ファルケンハウゼン指導の蒋介石率いる、国民政府軍(中国軍)を突破し、上海を陥落させた。南京へ潰走する国民政府軍を追撃し、南京戦が始まった。
◇蒋介石の怒りも当然だった
●1935年あたりから日本は満州国の隣の華北を影響下におくことを画策した。戦線拡大。
1938年近衛首相・・和平の道を閉ざす声明。国際社会は、日本が自衛的戦争から和平を求める意思がないととった。
◇黒幕は誰だったのか
●短期間で終わると思っていた戦争は南京が陥落しても終わらず。蒋介石が強気。裏には上海戦が始まるとすぐに結んだ「中ソ不可侵条約」がありました。
●1935年のコミュンテルンで宣伝されたように、ソ連の仮想敵国はヨーロッパではドイツ、アジアでは日本でした。日本と中国を本格的な戦闘に陥れることが一番だった。
●そのためにはまず、壊滅寸前だった毛沢東率いる共産軍と蒋介石率いる国民政府軍との戦いを止めさせ、共同して抗日戦争させることです。中ソ軍事同盟により軍事援助を行った。国民政府軍、共産軍を支援し満州への進行を狙った。さらに共産主義を中国全土に広め、毛沢東の共産軍を整備強化しておけば国民政府軍を叩き潰すことも可能になる。スターリンが戦争を続行させていた黒幕でした。
◇現代の価値観で歴史を判断するな
●昭和の初め頃から、スターリンは日本軍と国民政府軍の本格戦争をさせるため、中国共産党を操って、日本軍人や日本人居留民を虐殺するなどありとあらゆる挑発を行うように仕向けていました。日中戦争とは正規の戦争とは言えない泥沼でした。
●中国共産党は当時、単にコミュンテルン支部に過ぎなかった。スターリンの入知恵。反共の蒋介石。スターリンの野望。
●日本に中国の主権を奪い日本領とする意図はなかった。
●上海で本格的な日中戦争を始めたのは中国でした。蒋介石国民党。
●数えきれないテロ行為は、主に中国共産党が日本を戦争に引きずりこむために行った挑発だった。
●真珠湾で本格的な日米戦争を始めた日本を、とことん攻撃し占領までしたアメリカが侵略したといわれないのと同様、日本が中国を侵略したとは言えません。当時の常識は自由戦争。とは言え、現代の定義から言えばこれまた侵略です。
●すべての国に民族自決権があります。また正式な条約で認められた日本人租界のある天津、漢口、上海などを中国の攻撃から守るため日本は戦争に入りましたが、そもそも租界とか特殊権益は強者が弱者に突き付けた条約によるものです。
●帝国主義時代のルールでは認められましたが、数十万の軍隊を用いて中国領土の約半分とほとんどの要所を何年も占領し続けたのですから、民族自決にしっかり抵触しています。すなわち、東京裁判で問題とされた満州事変から日中戦争にかけては、現代の定義では侵略と見なせるのです。
●もし現代の定義を適用して日本を侵略国というのなら、英米仏独伊露など列強はすべて侵略国です。
●ヨーロッパ近代史とはアジア・アフリカ侵略史となりますし、アメリカ史とは北米大陸太平洋侵略史となります。清国も侵略国です。この二世紀を彩った帝国主義とは弱肉強食を合法化するシステムだったからです。
●最も重要なことは現代の価値観で過去を判断してはいけないということです。人間も国家もその時の価値観で生きるしかないからです。
第六章・・日米戦争の語られざる本質
◇アメリカの本意図は
●日中戦争、日米戦争と分けるのが不可能なほど連結している。大東亜戦争が実態に即した名称なのです。
●戦後、GHQが大東亜戦争という言葉を禁止し、日中戦争、太平洋戦争という言葉を使わせるようにした。
●大東亜戦争という言葉は大東亜共栄圏という日本の掲げた大義を認めるような印象があり、切り離すことで、自らの日中戦争への深いかかわりを糊塗しないと、「日本の不意打ち」が成り立たなくなってしまうからです。
●実はソ連だけではなく米英も日中戦争に深く関わっていたのです。米英は日中戦争の始まった頃から、公然と蒋介石を支援していました。初期はドイツ、それ以後はソ連が武器援助、米英がそれ以外の物資の援助、独ソ戦開始の1941年以降はほぼ全面的にアメリカが援助しました。米英ソの大規模な援助がなければ、日中戦争など日本軍が考えていた通り、1937年南京が陥落した時点で国民政府軍と休戦となっていた可能性が高いと思われます。
●百万近い日本軍を中国大陸に貼り付けさせ、日中両国に膨大な犠牲を出させ疲労させたのは、日本の意思ではなく中国の意思でもなく、米英ソの意思だったのです。
◇米英が中国を支持した理由
●アングロサクソンとは世界で最も長期戦にたけた民族です。彼らが中国支援に傾いたのは、5つの要素があったからと考えられます。
●第一は、市場としての中国です。中国市場を日本に独り占めさせない。
●フロンテア精神の国アメリカは十九世紀までに北米大陸を制覇し、続いて太平洋を制覇し、潜在的巨大市場の中国大陸を次のフロンテアと見なしました。
●第二はナチスドイツの台頭です。日中の戦争で、英ソ共に西側のドイツ国境に軍備増強できた。またアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は、ソ連に友好的で、ソ連を守りたいと考えていました。
●第三は人種です。日本と中国の戦争を長引かせ、両者共倒れとなり、植民地権益への脅威となり始めた有色人種の日本を抑えることができるとの、阿吽の呼吸が米英にあったと思われます。そのうえ、日本は第一次世界大戦のパリ講和条約で、「人種差別撤廃」を提案したとんでもない国なのです。
●当時人種差別は、イギリスの植民地を見ても、アメリカの黒人を見ても、極めて激しかったからです。黒人に普通選挙権が保証されたのは1965年です。
●日米戦争と人種差別については、サセックス大学の歴史学者クリストファー・ソーン教授がこうかいています。「ルーズベルトによれば、日本人の侵略行動はおそらくその頭蓋骨が白人に比べて未発達であるせいだというのであった」「チャーチルが中国人のことを『細目野郎』といい」「アメリカとイギリスは、極東をめぐる意見の対立にもかかわらず、1941~1945年の戦争に関して、本質的には西側の白人の政治的・経済的秩序を代表していた。両国とも『持たざるもの』ではなく、『持てるもの』であり、『帝国主義的』国家であった」。「ネルーの妹パンディット夫人は、1945年にアメリカを訪れたとき、太平洋戦争は本質的には人種差別戦争だと述べた」
●日中が手を携えるということは白人にとって悪夢中の悪夢だったのです。これは現在に続いています。この二つを対立させる、というのは今も欧米の基本戦略なのです。
◇揺れ動く米国世論
●第四は、中国の世界一の宣伝力と、それに動かされた米国世論です。
●中国へ日本が無法無慈悲な侵略を行っている、という「国民党中央宣伝部国際宣伝処」が中心となり国際世論とりわけアメリカに十八番と言える嘘八百の大宣伝を行った。米国世論への工作。蒋介石夫人宗美齢。ルーズベルト夫人。抗日戦への援助を訴えた。タイム社長ヘンリー・ルースは親中反日。
●宗美齢は、日中戦争でアメリカを中国べったりにする上で決定的な役割を果たした。
●日中戦争後の国共内戦においても彼女は国府軍への援助をアメリカに求めたが、ソ連スパイが浸潤していたトルーマン政権に拒否され、やむなく蒋介石と共に台湾へ逃げ出すことになりました。
◇マニフェスト・デスティニー
●アメリカでは、1830年にジャクソン大統領が議会で、「インデアンは白人と共存し得ない。野蛮人で劣等民族のインデアンはすべて滅ぼされるべきである」と演説した。
●1940年代には、「マニフェスト・デスティニー(明白なる天命)」というスローガンで、インデアンを虐殺し、黒人を奴隷化しながら白人種が西部開拓を推し進めることを正当化しようとするものです。バッファロー絶滅。メキシコの属国の「テキサス共和国を併合」すると同時に、メキシコに戦争を仕掛け、カリフォルニアやニューメキシコ、ネバダ、アリゾナ、ユタ、コロラドなどの諸州を強奪し、アラスカをロシアから二足三文で買収しました。
●1980年代までに西部をすべて手中にすると、今度は新しいフロンテアを海外に求めました。「マニフェスト・デスティニー」は自由、平等、キリスト福音を広める明白な天命と変質したが、実際は帝国主義的な領土拡大を正当化するためのものでした。スペインに戦争を仕掛け中米を植民地に。ハワイ王国を滅ぼし併合。フィリピン、グアムをはじめ太平洋の島々を植民地にした。最後の大フロンティア、中国に手が届いた。ここには強国の日本の他に英独仏露などの列強がすでに権益をもっていた。後発のアメリカは門戸開放、機会均等、領土保全などのきれいごとを唱えながら中国市場へ進出し始めた。
●アメリカ人の意識の中で中国は「アメリカのイデオロギーと経済的拡張の新しいフロンテアのシンボル」となったのです。(『アメリカ外交の悲劇』ウイリアム・A・ウイリアムズ著)
◇親中反日の精神
●第五はアメリカに広く深く根付いていた親中反日の精神です。中国に来た宣教師・日本人よりはるかに教化しやすい中国に好意。
●そうした中の満州事変。蒋介石がキリスト教に改宗。パール・バックの大地がピューリッツァー賞でアメリカ人の間に親中感情が高まる。
●日露戦争で勝った日本を中国権益におけるアメリカのライバルと見なすことで生まれた反日感情は、アメリカ社会で成功し始めた日本人に対する反感と重なり、1924年に「排日移民法」などが定められた。1931年の満州事変を通して更に確かなものになりました。
●中国への判官びいき。タイムは蒋介石を「中国のナポレオン」とまで称えた。
●アメリカ人にとって日本は、すでに西洋と対等な地位を占め、白人優位に楔を打ち込もうとする生意気な帝国主義者であり、一方中国は未開ながらも巨大であらゆる可能性を秘めた、かつての自分たちを思わせるロマンチックな夢の天地だったのです。
●アメリカは、いずれ巨大な歴史の力が中国を日本以上に発展させる。日本との関係を犠牲にしても中国との友好を築こうと思っていたのです。イギリスや他のヨーロッパの諸国も同じでした。この中国びいきは今も欧米諸国に潜在し息づいているのです。
◇宣教師というフィルター
●このような反日感情が、主に2500人という在中国宣教師やその関係者からの偏った情報によってアメリカで醸成されました。宗美齢、パール・バック、タイム社長ヘンリー・ルースなども宣教師がらみです。彼らは本国に親中反日のニュースをひっきりなしに流したのです。南京事件もそうでした。
●布教活動が国民政府に嫌われないこと、中国の布教活動が実を上げないと米国からの寄付金や支援金
が増えない、宣教師達は中国があたかもキリスト教国になりうるかのような錯覚をアメリカ人に広め、中国への援助を増加させました。在中および本国の宣教師達はアメリカにおける一大ロビイストとなっていったのです。宣教師やその関係者達により作られた親中反日。宣伝力は中国と日本は格段の差があった。
●このアメリカの宣教師達の主目的は決して達成されませんでした。戦後、共産軍が日本軍の代わりに入って来るや、キリスト教もどきの人々はあっという間に共産主義者に改宗してしまったからです。
●中国人にとって政府や宗教やイデオロギーなどどうでもよいのです。三度の食事をきちんと与えてくれるならそれ以外はどうでもよい、という現実主義が三千年の伝統なのです。
◇三つの援蔣ルート
●アメリカが日米戦争に先立つ日中戦争において既に中国への膨大な援助を与えていたこと、それに太平洋における唯一の強敵であり憎むべき日本を疲弊させようと企んでいたことは明らか。
●米英による援蔣ルートは全部で三つありました。
●一つ目は香港ルート。イギリスが租借していた香港で陸揚げし、内陸部へ運ぶルート。これは日本軍が1938年広州を占領したため消えた。
●二つ目は仏印(フランス領インドネシア、ラオス、ベトナム、カンボジア)ルートで、ベトナムのハイフォン港から昆明まで。日本軍が1940年北部仏印に進駐したため消えた。
●三つ目はビルマルート。通常援蔣ルートというとこれです。イギリス領ビルマから昆明まで。日本軍が1942年ビルマを占領したので消えた。その後はイギリス領インドのアッサムからヒマヤラ山脈越えて空輸および山越えの陸路ルート。日本軍がインド北東部でインパール作戦を行ったのはこのルートを潰すためでしたが補給がうまくいかず失敗。
●日本軍は東南アジアを侵略したとよく言われますが、主たる理由はこの援蔣ルートを潰すためでした。実際1940年の仏印ルートが消された後は中国での戦闘は下火になった。日中とも戦争などしたくなかったからです。
●日中戦争はソ連が火をつけ、その日が消えぬよう米英が懸命にあおり続けた戦争だったのです。米英ソの目的は十二分に達せられました。
●日中戦争で日本軍は100万近い軍隊を占領地と補給線の防御のやめ中国に駐留させることとなり、ソ連やアメリカとの戦いに備えるべき国力をすり減らしました。またスターリンの思惑通り、反共の国民政府軍はとことん打ち破られたため、終戦後には主敵の共産軍にあっという間に負けて台湾に追い出されました。しかし米英は最終的には策士スターリンに完敗しました。日本を追い出した後の満州、中国、北朝鮮はすべて共産化され、門戸開放どころではなくなってしまったからです。
◇潜行する爆撃計画
●アメリカの中国への援助は援蔣ルートに止まりません。真珠湾攻撃の一年前、1940年12月、ルーズベルト大統領、財務、国務、陸軍、海軍の四長官が集まり、中国南東部基地から長距離爆撃機B17を用い、日本本土の工業地帯を爆撃する計画を相談しました。この計画はさらに米統合参謀本部で詰められ、「JB三五五」という作戦計画となり、翌1941年7月23日に大統領の許可を得ました。350機の戦闘機と150機の長距離爆撃機により、9月には東京や大阪に焼夷弾をばらまくものでしたが、ヨーロッパでの需要を優先で縮小されました。通称フライング・タイガーズと呼ばれる戦闘機だけの空軍が国民政府軍を支援することになりました(『ルーズベルト秘録』)。中国の記章を付けた100機の米軍戦闘機に搭乗するのはアメリカのパイロット達でした。200人の地上整備員まですべて米軍人。インドの英空軍と協力。
●日中戦争が宣戦布告をしていないのを利用してアメリカが一方的かつ大々的に中国(国民政府軍)への無償の軍事物資援助(武器貸予法)をしていたことを考えても、日米戦争は実質的には12月の真珠湾攻撃以前に、アメリカの直接攻撃すれすれの間接攻撃によりすでに始まっていたのです。
◇資源を求める日本
●1940年の仏印ルートへの北部仏印の進駐は、フランスの許可を得、アメリカも承認していた。ところがアメリカは進駐にたいしてすぐさま鉄屑の対日禁輸、続いて12月には鉄鋼、翌1941年1月には銅、亜鉛、ニッケル、と、じわじわと禁輸を拡大していきました。必要作用減の石油はまだ禁輸となっていませんでしたが、肝心の航空機ガソリンはすでに禁輸されていました。
●日本は石油資源の豊富な蘭印、オランダ領インド(今のインドネシア)からの石油輸入を図ろうとオランダと交渉しましたが、すでにアメリカの手が回っていて拒否されました。
●資源を求めて1941年4月から近衛内閣はアメリカと直接交渉を始めましたが、のらりくらりだった。それどころかアメリカハ1941年7月25日には在米日本資産を凍結するという挙に出ました。これでは貿易決済もできません。これは国家による強盗行為であり、宣戦布告に準ずるものです。続いて英蘭もこれに同調。
●外交交渉で埒があかず、1941年7月戦略物資のある南部仏印に進駐。アメリカは南部仏印進駐の4日後に石油の対日全面禁輸を発表し、英蘭がそれに続きました。中南米からの石油輸入を防げるためパナマ運河も閉じる。日本の石油備蓄は2年分。鉄も石油も7割以上はアメリカだった。このままでは日本経済の破綻は時間の問題です。
●日本の仏印進駐の1か月後の8月末には、イギリスとソ連は示し合わせ、石油確保でイランに侵攻。在米日本資産の凍結、英蘭を引き込んでの石油や鉄などの対日全面禁輸は、非人道的な侵略を許さない、という表向きとは全く異なる顔をもつものだった。
●日本からいかなる敵対行為も受けていないアメリカが、日本に対しこれほどまでに強硬かつ性急な制裁を行ったのは、ヨーロッパが緊急事態となっていたからです。
●1941年6月に独ソ戦が始まり、ドイツ軍がモスクワ周辺まで攻め込んでからは、どうにかして日本に「最初の一発」を撃たせるよう苦心していました。日米戦争が始まれば日独伊三国同盟により恐らく米独戦争が始まり、晴れてソ連やイギリスを助けるためにヨーロッパへ軍隊をおくることができると考えたのです。ドイツの最初の一発をと、Uボート攻撃だったが挑発に乗らなかった。
●コミュンテルンのスパイ、尾崎秀美、西園寺公一、からの情報をソ連スパイゾルゲがモスクワに送る。日中戦争の泥沼化の裏には、政府、軍部に食い込んだ多くの共産主義者やコミュンテルンのスパイがいた。
●すべての資源を止められた日本の選択肢は、アメリカの脅威に屈するか、意地を張って野垂れ死にするか、勝算のないアメリカとの戦いを始めるか、の三つしかありません。初めの二つは誇り高い日本人にとって論外でした。日本はもっともしたくない日米戦争を準備しつつ、1941年4月かワシントンで行われていた日米交渉に全力をつくすことになりました。
◇ハル・ノート
●「帝国国策遂行要領」で日米首脳会談を訴えるもルーズベル大統領は断る・・尾崎の逮捕の2日後に近衛首相総辞職。
●代わった東條首相は、対米英蘭戦争の本格的な準備にかかるとともに、11月20日までにアメリカに最終交渉案を二つ用意した。11月26日、ルーズベルト大統領はいわゆる「ハル・ノート」を交渉役の野村、来栖大使に逆提出しました。日本軍の仏領インドネシアばかりか中国からの撤退をも要求するという内容のものでした。
●中国からの撤退・・1933年の国際連盟で満州国はみとめられていませんし、満州国が法的には中国からの租借地ですから、当然満州からの撤兵も含まれます。
●日本はそれまでの交渉経過を無視した、このハル・ノートを最後通牒と受け取りました。事実上、これはアメリカの宣戦布告とも言えるものでした。
●日本の外交暗号を完全に解読していたアメリカは、11月末までに日米交渉がまとまらない場合に日本は交渉を打ち切るということを知っていましたから、ハル・ノートによって交渉が決裂し、日時をおかずして戦争になると確信していました。ハル・ノート提出日に、無制限潜水寒作戦を指令し、翌日にはハル国務長官はスティムソン陸軍長官に「今や問題はあなたとノックス海軍長官の手中にある」と伝えました。日本がハル・ノートへの回答する前のことでした。
◇東條の涙
●アメリカ駐日大使グルーも「この時、開戦の牡丹は押されたのである」と回顧録で述べています。
●実はそれ以前に日米戦争はほぼ不可避の段階に入っていました。対日禁輸、不日米交渉で。
●日本は11月5日の御前会議で、11月末までに交渉がまとまらなければ12月初旬に対米宣戦布告をすると決定していました。
●真珠湾攻撃命令は12月1日の御前会議の翌日2日に、軌道艦隊への「ニイタカヤマノボレ1208」の暗号文で発せられました。したがってハル・ノートは開戦ボタンに過ぎず、日本は国家存立を危うくする全面的対日禁輸を見て、自衛のため、何が何でもしたくなかった超大国アメリカとの戦いに、開戦したのです。
●そのそも、天皇陛下が、対米戦に反対でした。9月6日の「帝国国策遂行要領」に天皇が難色。あくまで外交解決を支持。12月1日の御前会議に再提出。
◇アメリカの工作は実った
●ハル・ノートは、東京裁判での日本側弁護人ブレイクニーが、米国人歴史館アルバート・ノックの著作から引いて、「こんな最後通牒を出されたらモナコやルクセンブルグでも武器をとって立つ」と言ったほどの高圧的かつ屈辱的なものでした。
●ルーズベルト大統領はヨーロッパへの派兵を強く望んでいました。アメリカ政府内の要所にいたソ連スパイ達が必死に日米交渉を決裂させ、アメリカ参戦に持ち込もうとしていました。
●しかしながら、議会はもちろんアメリカ国民の八割以上は参戦に反対であり、ルーズベルト自身、前年の大統領選挙で「アメリカの若者の血を一滴たりとも海外で流させない」と公約して当選していました。この世論の厭戦気分を一掃し公約を破棄するには、日本に「最初の一発」を撃たせ、国民を憤激のるつぼにおとし入れるしかない。ルーズベルトは着々と手を打った。
●74歳の陸軍長官スティムソンはハル・ノートの出された翌日の日記にこう書いています。「ルーズベルトは次の月曜日にも日本が攻撃してくるかもしれないと言った。問題はどうやったら彼等に最初の一発を撃たせられるか、しかも我々の損害をさほど大きくせずに、ということだった」。
●ハル・ノートを起草したハリー・ホワイト財務次官補は、戦後になって解読されたヴェノナ文書(ソ連の暗号文を米の情報機関が解読したもの)によると明白なソ連のスパイでした。ハリー・ホワイトは終戦の3年後、共産主義者として告発され非米活動委員会に召喚された後、自殺しました。
●ホワイトなどの工作員達は、ソ連の生存はアメリカの参戦に依存し、アメリカ参戦は日本軍の「最初の一発」に依存すると捉え、日米交渉決裂のため必死の工作を行ったのです。ハル・ノートは決裂させるための切り札でした。
◇開戦に日本人は何を思ったか
●要するに、日米戦争は、自身、社会主義者に近く、ソ連に親近感をもつルーズベルト大統領が、ソ連そしてイギリスを窮地から救い出すため、権謀術数をつくして日本を追いこみ、戦争の選択肢しかないように仕向けたものでした。
●ほとんどの国民は「すっきり」した。軍部ばかりではなくすべて国民が、在米日本資産の凍結、全面禁輸、ハル・ノートと愚弄され続け、鬱屈していましたから、息苦しさから一気に解放されたような気分になったのです。
●東亜新秩序などという美しいスローガンはあるものの、弱いものいじめに近い日中戦争は、武士道精神のまだ残っていた多くの国民にとって憂鬱な戦いだったのです。それに比べアメリカは、GDPで日本の12倍、鋼材生産は17倍、石油は何と日本尾700倍もある国なのです。祖国の名誉と存亡をかけた戦いに、民族としての潔さを感じ高揚したのです。
第七章・・大敗北と大殊勲
◇マッカーサーも認めた自衛戦争
●東京裁判を開廷し日本を侵略国家だと断罪した当の本人マッカーサーは、1951年の米国上院軍事外交合同委員会で次のように答弁しています。「日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんど何も無いのです。彼らは綿がない、羊毛が無い、石油の産出が無い、錫が無い、ゴムが無い。その他実に多くの原料が欠如している。そしてそれら一切のものがアジアの海域に依存していたのです。もしこれらの原料の供給を断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れていました。したがって彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです」(『東京裁判 日本の弁明』)。
●すなわち、日本にとって自衛の戦争であった、と証言したのです。これはドイツに、明確な世界制覇の意思と共同謀議があったのと対照的です。
◇日本の人種差別撤廃案を斥けたウイルソン大統領
●第一次世界大戦後の1919年に開かれたパリ講和会議でも、十九世紀以来の帝国主義、「文明の神聖なる使命」がまかり通っていました。
●この会議に参加した日本は国際連盟規約に「人種差別撤廃」を入れるように提案しました。提案はイギリスやアメリカの反対にもかかわらず、結果は賛成11体反対5となりました。可決と思われた時、議長のアメリカのウイルソン大統領が「重要な議題について全会一致が必要である」と言いだし、日本案を斥けたのです。それまでの議決は多数決で決定されていました。
●以後日本に、白人国家とりわけアメリカへの不信が高まりました。これは5年後にアメリカが日本からの移民を全面禁止したことで決定的なものとなりました。
●『昭和天皇独白録』に、「(先の大戦の)原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦后の平和条約の内容に伏在している。日本の主張した人種平等案は列国の容認する処とならず、黄白の差別感は依然残存し加州移民拒否の如きは日本国民を憤慨させるに十分なものである。・・・かかる国民的憤慨を背景として一度、軍が立ち上がった時に、之を抑へることは容易な業ではない」。
●人種差別を捨てない、ということは少なくともヨーロッパ以外では植民地主義や帝国主義を続ける、という意思表示でもありまます。
◇破綻するイデオロギー
●かくして帝国主義は2000万の犠牲者を出した第一次世界大戦の後もしぶとく生き残ったのです。1920年代以降、かろうじて生き残った帝国主義勢力に加え、1922年に初の共産主義国家として誕生し、他国を赤化しようとするソ連、世界制覇を夢見るナチスドイツ、恐慌後の米英仏などによるブロック経済化を見て大東亜共栄圏を目論んだ日本、という新たな膨張勢力が列強として登場しました。
●陣取りゲームともいえる帝国主義。帝国主義のごとき内部矛盾をはらんだイデオロギーは必ずいつか破綻し、大清算される運命にあります。それが第一次世界大戦であり、第二次世界大戦でした。
●同様に矛盾を内包した共産主義は、飢餓や粛清の犠牲者という大実験の後、1990年のベルリンの壁崩壊やソ連の解体とともに大清算されました。やはり矛盾だらけの新自由主義、すなわち貪欲資本主義が、世界を20年ほど跋扈した後、リーマンショック、世界不況、ギリシャ、スペイン、アイルランド、東欧の財政危機、食料や原油の高騰、アフリカや中近東での市民暴動と、未だに大清算が続いています。
◇ペリーの衝撃
●世界史の流れに幕末は放り込まれてしましました。1853年ペリー提督が4隻の黒船で浦賀へ来て、江戸幕府に大統領国書を渡しました。
●新しい市場を求めるアメリカは、インドから東南アジア一帯が既に英仏蘭に先んじられたため、最後の大市場、清国に狙いをつけたのです。清への太平洋航路のためにも、薪、水、食料の補給拠点が必要でした。幕府は1年の猶予の後に回答するという確約で帰ってもらいました。
●ペリーの一か月後には、ロシアのプチャーチン提督が軍艦4隻で長崎に来航しました。
●幕府がすぐに軍艦を発注し、各藩に軍艦建造を奨励し、江戸湾警備のため砲撃用のお台場造営に着手しました。様式砲製造の鋳造技術をもつため1853年前後から佐賀藩、伊豆韮山代官所、水戸藩、薩摩藩などで続々と反射炉が作られました。
◇横井小楠の卓見
●思想的リーダーにも衝撃が走りました。彼らは1840年から1842年にかけてのアヘン戦争で、大陸中国がどれほど酷い目にあったかよく知っていました。次は日本と身構えました。
●翌1854ペリー再来航。船に乗り込むことを失敗し萩の獄舎に入れられた吉田松陰が『幽因録』を書き、師の佐久間象山に送りました。西からポルトガル、スペイン、イギリス、フランス、東からアメリカ、北からロシアが日本を狙っていること。それに対し武備を増強し、艦船や大砲がそろった時点で北海道を開拓し、琉球、朝鮮、台湾、フィリピン、満州まで進出すべしと主張しています。
●福井藩橋本佐内、福井の松平春嶽、薩摩の島津斉昭なども海防強化を主張。横井小楠の思想は「天皇の下に国家を統一し、人材を広く登用し、議会政治を実現する」というものでした。明治政府が目指したのはまさにこの思想でした。彼は西洋文明の導入と富国強兵を強く唱えましたが、暗殺される3年前に、洋行する二人の甥にこう書いています。
●西洋文明は覇道を目指すが日本は王道をめざすべしということです。日本は欧米のような単なる富国強兵国家ではなく、さらに有徳国家にもなれという高い理想でした。
◇独立自尊を守る
●当時ヨーロッパの勢力に蹂躙されていたアジアの中で、日本だけが独立自尊を守ることを決意しました。幕末から明治維新の日本人が、満腔にこの決意を固めたと同時に、その後の流れが決まってしまったのです。
●林房雄氏は『大東亜戦争肯定論』の中で、幕末の1845年から大東亜戦争終結の1945年までを百年戦争としました。私の考えはそれに近く、ペリー来航かの1853年から、大東亜戦争を経て米軍による占領が公式に終わったサンフランシスコ講和条約の発効、すなわち1952年までの約百年を「百年戦争」とします。
◇南下政策をとったロシア
●英米仏欄は、アジアの国々とは比較にならないほど成熟した日本の文化や日本人の品格を見て、一様に仰天しました。これらの国は、植民地化は早々と諦めたのです。しかしロシアだけは他の欧米諸国と違い、バルカン半島、中央アジア、中国、極東と、ユーラシア大陸全体であからさまな南下政策をとっていました。不凍港の獲得が大きな目的です。
●1853年オスマン帝国および英仏を相手にクリミア戦争。1860年沿海州、ウラジオストックを獲得、1875年千島樺太交換条約で樺太を獲得、太平洋への進出を可能にしました。1877年露土戦争(ロシア対トルコ)を仕掛け、十九世紀初めから二十世紀初めまで、インド洋に出ることを狙いほぼ一世紀にわたりイギリスとアフガニスタン争奪構想を繰り広げていました。
●欧米勢力の手薄な中国、満州、朝鮮、日本などの極東への意気込みはとりわけおおきなものでした。
◇日露戦争の勝利にアジアは歓喜した
●ロシアはその後朝鮮の元山に軍港を作ろうとしたため、イギリスは1885年、極東におけるロシアの南下を牽制する目的で、朝鮮南部沿岸の島、巨文島を占領し兵舎や防衛施設を作りました。ロシアは極東経営に本腰を入れるためにも、モスクワからウラジオストックまで世界一長いシベリア鉄道を建設することにしました。
●その対抗策として独立自尊を守るために日本がとったのは、日中朝で協力し白人の侵略に備えること。これが日本の長期戦略となりました。アジア主義です。富国強兵で日露戦争に進んだのです。
●まず朝鮮を目覚めさせるために日清戦争を戦いました。次いで1904年の日露戦争でイギリスとの日英同盟などにより陸軍国ロシアを撃ち破ることができました。エジプトに至るアジアのすべての国々が歓喜に湧きました。日本とタイ以外はすべて植民地でしたが、アジアに人々に勇気と自信を与えました。
●中国の孫文は「これはアジア人の欧州人に対する最初の勝利であった・・全アジア民族は歓喜し大きな希望を抱くことに至った」、インドのネールは「日本の勝利は私を熱狂させた」、トルコ皇帝は「対馬海戦勝利は武士道によってもたらされたものだ」、ニューヨークタイムズは「日本の勝利は文明の凱旋である」などと絶賛しました。
●十五世紀から始まった白人人種の世界征服に、初めて大きな制動がかけられたという点で、世界史の重大事件に入れてよいほどの事件でした。
◇福島安正が流した涙のわけ
●ただし光には影があります。日本のアジア主義が、日露戦争の前後から、日本を盟主とするアジア主義、すなわち大アジア主義というものに少しずつ変質して行ったのです。
●自衛という意識の強かった日本が、日露戦争勝利の自信を胸に、帝国主義列強の仲間入りをしたのです。帝国主義とは、言うなれば「弱いものいじめ」です。これはすべての日本人にとって卑怯なことです。また侵略される弱小国民への惻隠を忘れた主義と言えます。卑怯を憎む心と惻隠は武士道精神の中核なのです。
●明治19年、ビルマを視察し、明治25年シベリア単騎横断で旧ポーランドに入った陸軍情報将校の福島安正は、帝国主義の過酷に涙し、その根本的愚かさに慨嘆し、白色人種による有色人種差別に義憤を感じているのです。
◇日本の宿痾とは何か
●当時の日本人が福島と同じく感じていたにも関わらず、日本は、独立自尊という気負った決意のため、帝国主義列強に参加したのです。参加か不参加かを考える前に、欧米列強に対し帝国主義や植民地主義そのものが誤りであり、恥ずべきものであることをしっかり説得し説教すべきでした。
●日本が欧米を説教したことは未だにありません。帝国主義、共産主義、新自由主義、最近ではTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など、常に欧米の決定したドグマに乗るか乗らないかを選択するのみです。日本の価値観を高く掲げ、迫力をもって欧米を説得説教する、ということを決してしようとしないのは、日本の宿痾(しゅくあ)とも言えます。
●この宿痾により、ついに日本は禁断の道へ入って行きました。1915年第一次大戦中の対支21カ条は、そのはっきりした兆候です。アジア主義は日露戦争前後から大アジア主義となり、昭和には大東亜共栄圏となりました。
●列強のブロック経済化、コミュンテルンの謀略による日中戦争、アメリカの謀略による日米戦争。この間コミュンテルンの強力な動きで、日英同盟の放棄、1927年南京事件で英米と共同行動をとらなかったこと、リットン調査団の報告を不服として国際連盟を脱退したこと、1940年日独伊三国同盟を結んだこと、などなど日本外交の拙劣さが悔やまれます。
●帝国主義の大清算により生き延びるには恐らくアメリカと組むことだけでした。しかしアメリカのフロンテア精神が太平洋と中国大陸であり、当時の日本の生命線と競合し、アメリカに有色人種蔑視がありましたから、かなわぬことでした。これはアメリカが日米蜜月だった日露戦争の直後から、列強の仲間入りをして白人による世界支配を崩し始めた、絶対に許せない日本との戦争計画、オレンジ計画を密かに練り続けていたことからも明らかだと思います。
◇他の列強と異なった「日本の高貴な決意」
●アジアの小さな島国日本は、帝国主義の荒波の真只中で、ほとんど不可能ともいえる独立自尊を決意しました。これがすべてでした。この独立自尊を守るため、二千年近い歴史の中で、海外出兵は白村江の戦いと朝鮮出兵だけという、また平安時代には350年、江戸時代には250年の完全平和を貫くという離れ技をやってのけた、世界でも際立った平和愛好家は、帝国主義の荒波に乗るしかありませんでした。こうして百年戦争に入って行きました。
●過去の出来事を、現代の視点で批判したり否定したりするのは無意味なことです。
●無謀にもロシアとアメリカに挑んだことは、別の視座から見ると、日本の救いです。あくまで独立自尊にあったということの証左にもなっているからです。
◇百年戦争の末の、日本の大敗北と大殊勲
●百年戦争は日本の大敗北となりました。しかしこれは無益無駄な戦争だったでしょうか。
●大局的に見ると、実は百年戦争は日本の大殊勲だったのです。ペリー来航以来、日本が希求してきたものは、第一に独立自尊でした。そして第二には、そのためのアジア主義、すなわち日中朝が連帯して白人によるアジア支配を食い止めることでした。第一については6年半ほどのアメリカの統治を受けただけで、曲りなりにも有史以来の独立自尊を保つことができました、第二についても、日本はほぼ独力で達成してしまいました。アジアの人々は独立を手中にしたのです。1941年には独立国がアジアでは日本、タイ、ネパールの三国、アフリカではエチオピア、リベリア、南ア連邦の三国しかなかったのですが、その11年後、百年戦争の終わる時点では合わせて百カ国を超えたのです。
●それだけではありません。悲願だった人種差別まで全くなくしてしましました。
●歴史家トインビーは、英紙オブザーバーにこう書きました。「日本は第二次大戦において、自国ではなく大東亜共栄圏の他の国々に思わぬ恩恵をもたらした。(中略)それまで200年の長きにわたってアジア・アフリカを統治してきた西洋人は、無敵で神のような存在と信じられてきたが、実際はそうではないことを日本人は全人類の前で証明してしまったのである。それはまさに歴的業績であった」(1956年10月28日付、藤原訳)
●クリストファー・ソーンは別の著書でこう書きました。「日本は敗北したとはいえ、アジアにおける西洋帝国の終焉を早めた。帝国主義の衰退が容赦なく早められていったことは、当時は(西洋人にとって)苦痛に満ちた衝撃的なものだったが、結局はヨーロッパ各国にとって利益だと考えられるようになった」(『太平洋戦争とは何だったのか』市川洋一訳、草思社)
●日本は白人のアジア侵略を止めるどころか、帝国主義、植民地主義さらには人種差別というものに終止符を打つという、スペクタキュラーな偉業をなしとげたのです。結果的には世界史の大きな転機をもたらしたという点で、何百年に一度の世界史的快挙をやってのけたと言えるでしょう。
第八章・・日本をとり戻すために
◇日本文明の価値観とは
●歴史の断絶とは故郷の喪失のようなもので、祖国へのアイデンティティー喪失につながるのです。(占領軍と日教組の都合で否定されてきた)
●日本文明を特徴づける価値観とは、一つは、欧米人が自由とか個人をもっとも大事なものと考えるのに対し、日本人は秩序とか和の精神を上位におくことです。したがって個人がいつも競い合い、激しく自己主張し、少しでも多くの金を得ようとする欧米人や中国人のような生き方は美しくない生き方であり、そんな社会より、人々が徳を求めつつ穏やかな心で生きる平等な社会の方が美しいと考えてきました。
●独自の美観、価値観はかろうじてながらまだ生きています。
◇日本が追求した平和な社会
●帝国主義とは日本人の発想から生まれようもないもので、欧米のものでした。
●金銭的豊かさを追求、他人より自分、自己主張する欧米人は、国際秩序とか平和より自国を尊重し、自国の富だけを求めて自由に競争するという考えになびきやすい。新自由主義は、貪欲資本主義と言えるものでこれもまた欧米のものです。
●日本人が平等を好むのは、自分一人だけがいかに裕福になろうと、周囲の皆が貧しかったら決して幸せを感じることができないからです。人々の心の底流には仏教の慈悲、武士道精神の惻隠などが息づいているのです。
●日本は、帝国主義、共産主義、そして新自由主義と、民族の特性に全くなじまないイデオロギーに、明治の開国以来、翻弄され続けてきたと言えます。
◇日本を日本たらしめる価値観とは
●今こそ、日本人は祖国への誇りを取り戻し、祖国の育んできた輝かしい価値観を再認識する必要があります。
●「日本人は聖徳太子以来、和を旨とする国柄です。実際、戦後の奇跡的経済復興も、官と民の和、民と民の和、経営者と従業員の和でなしとげました」
●迫力をもって欧米を叱咤説教しようとしない日本の宿痾により、アメリカ式を無批判にとり入れたから、日本特有の雇用が壊され、フリーターは400万人を超え、完全失業者は300万人を上回ることとなったのです。
●占領軍の作った憲法や教育基本法で、個人の尊厳や個性の尊重ばかりを謳ったから、家とか公を大事にした国柄が傷ついてしましました。GHQの意図したことでした。日本の弱体化。天皇を元首に、長子相続の廃止など「家」を破壊し個人ばかりを強調したのです。
◇「個の尊重」より国柄を
●実はこの紐帯こそが、幕末から明治維新にかけて日本人を観察した欧米人が驚いた、稀有の現象の正体だったのです。
●日本に昔からある「長幼の序」や「孝」を幼いうちから教え込まないとどうにもなりません。
●戦前から始まり、戦後には急坂を転がるように進んだ体質の劣化が原因だからです。
●GHQなどによる日本弱体化計画が偉大なる成功を収めたのです。
◇論理や合理だけでは人間社会は動かない
●頽廃しているのは日本ばかりではありません。産業革命以来、世界は欧米の主導下にありました。それは、論理と合理と理性を唯一の原理として進む文明でした。帝国主義も共産主義も、その原理から生まれたモンスターでした。どれも理路整然とした論理があります。二十一世紀になってから世界中で一斉に噴出し始めた困難は、この原理の行き詰まりを意味します。
●論理、合理、理性だけで人間社会を仕切るのは不可能ということが露呈したのです。帝国主義、共産主義で犠牲を払い、現在は新自由主義の破綻で苦しんでいます。
◇「誇り」を回復するために何が必要か
●WGIP(罪意識扶植計画)で植えつけられた罪悪感を払拭することです。戦勝国の復讐にすぎない東京裁判の断固たる否定でなければなりません。そして日本の百年戦争がもたらした、世界史に残る大殊勲をしっかり胸に刻むことです。
●その上で第二は、アメリカに押しつけられた、日本弱体化の憲法を廃棄し、新たに、日本人の、日本人による日本人のための憲法を作る上げることです。現憲法では独立国ではなくなっている。
●次いで第三は、自らの国を自らで守ると決意して実行することです。他国に守ってもらうは属国の定義。軍事力を持った上で、アメリカとたいとうで強力な同盟を結ばねばなりません。
●この三つがなされ、日本の真髄と言える美意識と独立自尊がとり戻されて初めて、ペリー来航以来の百年戦争が真の終結を見るのです。
◇苦境を克服してこそ高みに達する
●日本人の築いた文明は、実は日本人にとってもっとも適しているだけではありません。個より公、金より徳、競争より和、主張するより察する、惻隠や「もののあわれ」などを美しいと感ずる我が文明は、「貧しくともみな幸せそう」という古今未曽有の社会を作った文明なのです。
●日本人特有のこの美観は普遍的価値として今後必ずや論理、合理、理性を補完し、混迷の世界を救うものになるでしょう。日本人は誇りと自信をもって、これをとり戻すことです。そして世界に発信し訴えていくことです。
●スマイルズは前述の書で次のように言っています。「歴史を振り返ると、国家が苦境に立たされた時代こそ、もっとも実りある時代だった。それを乗り越えて初めて、国家はさらなる高みに到達するからです」(藤原訳)現代の日本はまさにその苦境に立たされています。日本人の覚醒と奮起に期待したいものです。
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「ひとりなら、それでいいじゃない」 曽野綾子著
2022/7月 21/03/30読了
孤独の芯には「ぬくもり」がある。
人に会えない、頼れない・・・
そんな時代こそ、
ひとりの時間を愉しむ余裕を持ちたい。
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「驕れる白人と闘うための日本近代史」 松原久子著
2022/6月 21/02/03読了
「我々の歴史こそ世界史であり、あらゆる民族は我々の文明の恩恵に浴することで後進性から救われてきた」そんな欧米人の歴史観・世界観に対し、
日本近代史に新たな角度から光を当てることで真っ向から闘いを挑む。
刊行当時、ドイツで大きな物議を醸した本書は、
同時に、自信を失った日本人への痛烈な叱咤にもなっている。
欧米優越論を覆す「挑発」の書!
すごい本でした。
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「終わった人」 内館牧子著
2022/5月 18/04/13読了
定年って生前葬だな。これからどうする?
シリアスに、ユーモアに
そしてリアルに描く
非常に面白い、考えさせる本でした。リアルですね。
「終わった人」 内館牧子著 要約
■先が短い幸せ
先が短いということは。決して不幸とばかりは言えない。
人生において。生きていて、「終わる」ということ状況は、まさしく適齢でもたらされる。
定年が六十歳から六十五歳であるのも、実に絶妙のタイミングなのだ。
定年という「生前葬」にはベストの年齢だ。
あとわずか十五年もやりすごせば、本当の葬式だ。
先が短いという幸せはどん底の人間でなくても、六十過ぎにはすべて当てはまる。
「先が短いのだから、好きなように生きよ」ということなのだ。
「どこ吹く風」で好きなように生きればいい。
これは先が短い人間の特権であり、実に幸せなことではないか。
■お袋の話
八十八歳から見れば、六十六歳はいい塩梅の年頃で、これから何でもできる年代なのだ。
六十六歳は終わった人どころか、明日がある人なのだ。
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「信長はなぜ葬られたのか」 安部龍太郎著
2022/4月 18/08/23読了
世界史の中の本能寺の変を独自の視点て語っています。
戦国時代は世界の大航海時代
戦国時代は空前の高度瀬尾朝時代
戦国時代は重商主義時代
江戸時代は大航海時代から鎖国へ
こういう視点もあるのかという本です。
265年間の鎖国江戸時代を経て、今年は明治維新150年、鎖国がなければどうだったろう?
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「人生は70才からが一番面白い」 弘兼憲史著
2022/3月 18/06/11読了
自分の世界と趣味で上機嫌な人生を・・
そろそろ70歳からの過ごし方を考える人には、一つの考え方として非常に参考になると思います。
内容は、ま~ま~かな。
人生は70歳からが一番面白い 弘兼憲史著 要約
■上機嫌な人づきあい
●老化現象をプラス思考へ転換・・老人力がついてきたとプラス思考
●年齢を重ねることは成長の証
●65歳から第二の人生・・80歳から第三の人生
●謙虚に・丁寧に・敬語を使う ことがコツ
●頼まれごとで社会に貢献・・積極的社会貢献・・ボランティア
●相手を立てて・褒めて・譲る・・感謝して・応えて・与える
●自分にとって正論が、常に最善策とは限らない
●人づきあいを整理する・・取捨選択・・人間関係を絞り身軽に
●好きでない人と無理に付き合う必要はない
■妻と子供から自立して上機嫌
●役割を考えて妻から自立する・・妻を役に自由に・・食事・掃除・洗濯
●自立した夫婦関係で、お互いにそれぞれの人生を楽しむ・・生きがい
●子供に依存しない・・依存もさせない・・子供に財産を残さない
●独居を愉しむ・・一人暮らしが楽しい・・もしもの対策はとっておく
■上機嫌な死に方
●墓参りはいらない・・人間死んだらそこで終わり・・戒名はいらない・・自由に
●お墓は遺骨をおいてあるところ・・仏壇は位牌がおいてあるところ
●家族葬・在宅死のすすめ・・介護や延命治療の意思を伝えて置く
①通帳・キャッシュカード・保険の保管場所
②年金や収入と支払いの明細
③健康保険・介護保険の保管場所
④余命告知・延命治療・の希望
⑤危篤時に知らせて欲しい連絡先
■上機嫌に健康長寿
●ストレスを溜めない・・悪いストレスは対処する・・完璧主義を止める
●積極的に笑顔
●頑張り癖をやめる・・自己嫌悪の悪循環にはまらない
●脳内麻薬・・ウオーキング・・非日常を愉しむトライ・・快楽物質
●料理や麻雀で脳を劣化させない
●疲れたら頑張らない・・無理せず一旦引く
■最後まで上機嫌で楽しむ
●なるようになるさ・・すべてを受け入れる・・起こっていないことで心配しない・悩まない
●ま、いいか・・自分を許す
●余命半年でも受け入れる
●今日一日を楽しく・・明日は明日の風・・明日になれば少し楽になる
●分をわきまえる・・人間は生まれながらにして平等ではない・・自分の長所に気づき楽しい人生に
●男は内向して楽しめ・・ジャズ・昭和歌謡・イラスト・写真・寺院・花・古建築・俳句・自分の世界に浸り・趣味に浸り
●自分が楽しければそれで良い・・なにげない風景を楽しむ
●非日常と非効率を楽しむ・・探求心と好奇心を持ち続ける・・新しい物事
●料理・・ポットに、万能だし汁・・水・昆布・煮干し・シイタケ・・一晩冷蔵庫
●勇気をもって金をつかおう
●積極的なコミュニケーションと、人的クロスオーバー
●不平不満を言わない・・疲れることはやめよう・・SNSで不平不満を言わない
●腹が立っても、「ま、いいか」・・「それがどうした」・・「人それぞれ」 と唱える。
■自分たち世代の責任
●団塊世代の責任・・日本の官僚支配や既得権体質を変えようとしなかった
●江戸時代・・幕府官僚、
明治・・官僚主導・大蔵省・裕福家庭の高級官僚
明治の終わり・・軍官僚と大蔵官僚の対立
昭和・・陸軍官僚・・第二次大戦
戦後・・産業発展のため各省庁が許認可権を強める・・大蔵省
1972年田中角栄・・建設省官僚
1974年田中角栄辞職・・大蔵官僚・・地元優先の公共事業予算・・企業は税制優遇・公的融資で配下に
2014年・・内閣府人事局・・表向きは政治家主導でも・・結局財務省が優位
●団塊の世代の時代・・大学進学率20%・・勝ち逃げ世代
●今なにが起きているのか判断すること・・責任のある一票を・・自立の先の自律
●改めて歴史観をみがけ・・戦後の自虐的な歴史観の教育・・愛国心やアイディンティティーがない
●いいか悪いかではなく、過去の事実を教えて、その後の判断は本人がする・・それが教育である
過去の日本を否定するだけの歴史教育ではだめ・・愛国心や軍事へのアレルギー
●日本人は
①古代から自然のなかに神々を見いだし共存
②独自の文化を大切に
③海外の文化を自分たちのスタイルに融合させた、柔軟性と創造性をもつ
●平和の概念も時代によって、国によって、変わる
●非武装中立は夢物語・・話せばわかるでは、一方的に攻められて占領されて国が終わる
●国家は国民を外敵から守らなければないけない・・そのための防衛力
●話し合いには軍事力が必要・・軍備を持たない国はない・・現実的に幸せになる方法を考えろ
●自衛隊も必要、集団的自営権も必要、
●今までの日米安保条約では、日本は自立できない
●北朝鮮、中国の現実的攻撃の現実をみれば
●国防力の強化や集団的自衛権の容認は、日本が自立した平和を維持するための一歩
アメリカに従属することがなく、国家としての独立性を高めよ・・
●日本が軍事国家になることはない・・国を侵略することはない・・今の日本にそんな必要はない
●日本人と日本の国土を守るために必要な軍備であり、集団的自衛権である
●だから、憲法を改正し、軍隊を保持し、侵略戦争はしないという旨を、明文化すべき。
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